バイヤーからのお便り
夏の人気アイテム、バタフライサンダル誕生秘話

こんにちは、バイヤーの楠です。私がスタイルストアのバイヤーとして入社したのは2015年の春の事。入社からちょうど10年が経ちました。たくさんのブランドとの出会いはもちろん、ここ最近はつかい手のみなさんともお話をさせていただく機会が増え、そのお話をきっかけに、新たに喜んでいただける提案ができないかを模索する日々です。

バタフライサンダルを手掛けるKUTSUNE(クツネ)さんは、私が入社してまもなく、前任のバイヤーから引き継いで担当することになってからのおつきあいです。自宅の一階が靴工場だったというデザイナーの恒次さんは、台東区で靴づくりを続ける家の3代目。先代からの技術を継承しながら、新しい発想も入れていくという、3代目ならではの靴づくりをされているなぁと思います。

バタフライサンダルを販売開始したのは、ちょうど1年前の6月の事。さらにその前の2023年頃から、靴に関するお悩みが目に付くようになりました。「外反母趾でも痛くないサンダルはないか」「パンプスを履くことで変形した足指を隠せるサンダルはないか」「女性らしさと歩きやすさのどっちも捨てないデザインはないか」等、共感できるお悩みばかり。そこで、これらのお悩みを解消する靴が作れないか、と相談したのがKUSTUNEさんでした。
おじ靴からサンダルまで

KUTSUNEのアイコンともいえる靴は、上のレースアップシューズです。革のレースアップシューズで、おじさんが履くような、いわゆる「おじ靴」をKUTSUNEが手掛けると、なぜかスタイリッシュで格好いいのがすごいところ。
「メンズライク、マニッシュといった言葉で表現されがちな靴を手掛けるKUTSUNEさんに、女性特有の足のお悩みを解消する靴を作ってもらったら、いいサンダルができるのでは?」と思ってお悩み解消サンダルの制作を依頼しました。
当時のメールを見返すと、驚くほどデザインの修正に関するやり取りがありました。「このデザインだとこのお悩みが解消されない」「これはデザイン性が高すぎる」など、何度もデザインの修正が行われていて、この一足を完成させるためにどれだけKUTSUNEさんが実直に向き合ってくれたのかがわかります。
唯一無二のサンダルの値段

このサンダルは、2024年にバタフライサンダルとして19250円(税込)で販売を開始しました。今年は改良をし、新色も加えての販売でしたが、革や靴底等、靴を1足作るにあたって、すべての原価が高騰している状況で、どうしても同じ価格で販売するのは難しいという事に。この価格ならば…という事で、20900円(税込)での販売となりました。価格は上がりましたが、原材料のクォリティーは一切落とさず、最大限のブランド努力で実現しています。

上質な革、安心安全なソールと素材にこだわりり、国内の職人が手掛けるサンダルは、足裏にピタッと沿い、長時間歩いても足が疲れにくいのがいいところ。おしゃれなのに健康靴のような機能性も持ち合わせています。

また、お修理の体制が整っているのもKUTSUNEのいいところ。たとえ壊れてもお修理をしていただけるので、大切に長く履いていただけます。安価なサンダルを毎年買い替えるよりも、足にもお財布にもいいのです。
周年を機に作ったサンダルが、「何年たっても東京の下町で実直にものづくりをするKUTSUNEが活動を続けられるように」、そして「サンダルを履いた人がストレスなく健康に生活できるように」、そんなところにまで思いをはせる事が出来たことを個人的に大切にしたいなと思います。

ショッピングユニットでバイヤーをしています。
スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。