インタビュー&ゲストコラム

附柴さんインタビュー vol.4 日々を楽しむための愛用品と、無駄を省く時間術

2017年04月10日更新

「SAVON de SIESTA(サボンデシエスタ)」代表・附柴彩子さんインタビューの最終回。今回は彼女の愛用品を紹介して頂きました。

vol.1でご紹介いただいた『大草原の小さな家』のほかの品々も、附柴さんのこだわりや想いがたっぷり詰まったものたちばかり。

石鹸を通して心地よい時間を届けている附柴さんだからこその、モノを通した時間との向き合い方がありました。

丁寧にいれたミルクティーでご機嫌な朝を

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「子どものころ、母が冬の朝につくってくれた甘いミルクティーが、毎朝のミルクティー習慣のきっかけかもしれません」と、附柴さん。

附柴さんが毎朝飲んでいるのは茶葉から煮出したミルクティー。もう15年も続けているそうです。

5時に起床し、まずは白湯を1杯飲んだあと、キッチンに立ちます。つくり方は、柳宗理のミルクパンにお水100㏄と茶葉をティースプーン山盛り1杯入れ、ひと煮立ち。茶葉がひらいたら、牛乳を100㏄加え、沸騰直前に火を止めます。

ゆっくりと茶葉からミルクティーをつくることは、附柴さんの1日の始まりにかかせない習慣。

考えごとでぼーっとしているとうっかり濃く煮出しすぎてしまったり、慌ただしくほかのことをしていて牛乳を沸騰させてしまったりするので、この時間だけは「ミルクティーをつくる」ことに集中。

ほんの10分ほど、ミルクパンの中で煮出される茶葉を見つめながら、「よし!」と自分自身に掛け声をかけてコンディションをチューニングします。

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さらに、ミルクティーにスパイスやお砂糖など、「何を加えたいか」がその日のバロメーターとしても役立っています。

シナモンやジンジャー、カルダモンなどが欲しいと思う香りは日によってさまざま。「今日はこんな日」と、自身の体調や気分を図ることができるそうです。

愛飲する茶葉は、静岡・沼津のteteria(テテリア)CTC-MILK。コクのある味わいが特長の、ミルクティーのための茶葉です。

出張が多い附柴さんですが、このミルクティー習慣を滞在先のホテルでも行うため、キッチン付きの部屋をなるべくとっているほど。旅先でもいつもどおりの朝を楽しむことは附柴さんが大切にしていることの1つです。

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いま一番お気に入りなのは安部太一さんのマグカップだそうです。

また、ミルクティーを飲むカップもその日の気分でチョイス。キッチンに並ぶいくつかのマグカップからインスピレーションで「今日はこれ!」と選ぶのだとか。

「毎日決まったことをする中でも、ちょっとした楽しみを大切にしたいんです。子どもをせかしたり、慌ただしい朝でも、お気に入りのカップとおいしいミルクティーがあれば、機嫌よく1日を始められます」。

万能オイルで薬に頼らないセルフケア

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松浦弥太郎さんの書籍で知り、「彼がすすめるなら間違いない」と購入したのが最初の出会いだそうです。

べルギーの薬局でつくられたエッセンシャルオイル「イムネオール100」。すでに4、5本リピート購入しているそう!

「精油なのに、肌に直接つけることができ、スーっとする成分も入っているので、足のむくみや肩こりにも効果てきめん。数摘を肌に塗り込むだけですっきり。常に持ち歩いています」と、その良さを力説してくださいました。

「なんにでも使える万能薬」とのこと。附柴さんの使い方は、こんな感じです。

・足のむくみ対策には、ふくらはぎと足の裏に塗り込む。
・肩こりや腰痛には、数滴を手にのばして痛いところに塗り込んで、湿布代わりに。
・頭痛緩和には、肩とこめかみに1滴ずつ。塗った後に腕を動かしてストレッチすると効果アップ。
・アロマストーンに垂らしてルームフレグランス代わりに。
・子どものマッサージにはそのままだと刺激が強いので、キャリアオイルでうすめて。鼻詰まりや咳で眠りにくい夜にもおすすめ。

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昔は頭痛もちで、痛み止めの薬が手放せなかったという附柴さんですが、このオイルを使い始めて薬を飲む量が激減したそう。なくなると困る、必需品となっています。

「いつか出たい」を叶えた『暮らしのおへそ』

附柴さんが愛読書として持参してくださったのは、習慣を切り口したライフスタイルマガジン『暮らしのおへそ』です。

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「憧れの本で、バックナンバーもほとんど自宅の本棚に並んでいます。読んだそのときでなくても、あとから読み返してみて気づくこともたくさんある不思議な雑誌。書いてある文章に何度も背中を押されました」と、大切な1冊としてご紹介してくださいました。

附柴さんは、昨年1月に発売されたvol.21にご登場されています。

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実はずっと「暮らしのおへそに出たい。編集者の一田さんに取材してもらいたい」と念じていたのだとか。

毎年1月に、附柴さんはその年の「やりたいことリスト」をつくっている附柴さん。

「今から1時間」と時間を決めて、小さなカードに思いつくままに、やりたいことを記入してファイリングしているのだそう。

「想いを文字にすることで、実現することがたくさんあることを経験から実感しています。暮らしのおへそに出ることもこのカードに書いて叶いました。書いちゃったら実現させるためにやるしかないと、腹をくくるきっかけにもなります」(附柴さん)

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そんなバイタリティーにあふれる附柴さんですが、じつは昨年は今まではスラスラと書けていた「やりたいこと」が書けなくなってしまったそう。

会社の経営が軌道に乗り、念願だった『暮らしのおへそ』にも登場でき、「できることはすべてやった」と実感したこともその理由の1つですが、「14人のスタッフとどういう方向に向かって行けばいいのか」と考えるようになってスランプに陥ってしまったのです。

そこから脱却できるきっかけを与えてくれたもののうちの1つが、前回ご紹介したモリンガオイルとの出会いでした。

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オイルの取り扱いを通してその地域で働く人たちと、その子どもたちの未来を守る活動の存在を知り、「30年後の将来図」を具体的に描けるようになったそう。

今年、附柴さんが書いた「やりたいことリスト」には、会社としての「やりたいこと」がたくさん記入されています。

文字にしたことで、附柴さんの想いもクリアになり、スタッフに会社の未来について語る時間が増えました。

「将来について具体的に話をしたところ、正社員になってくれると言ってくれたスタッフも。同じ方向を見て伴走してくれる仲間がいることが幸せです」と嬉しそうに語ってくださいました。

「書く」ことで限りある時間を最大活用

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最後に、会社の代表であり、妻であり、母でもある、多忙な日々を過ごしているに違いない附柴さんの時間のやりくり術を伺ったところ、「書くこと」とのお答えが。

「何をしようかと考えるのは脳を疲れさせるし、考えているその時間が無駄。考えないために、やるべきことを常に書き出しています。あとはタスクをサクサクとこなすだけ」。

また、うまくいかないことがあっても、「いったん書く」とのこと。

うまくいかない理由を文字にして、「どうすればできるようになるのか」を、紙とペンを相手にミーティング。すると、解決策が文字になって現れるそうです。


愛用品や時間術のエピソードからは、無理せずに小さな幸せを楽しむ暮らしができそうなヒントがたくさんありました。

石鹸を通して心がほっとするひとときを人々に届けたいと願う附柴さんの心意気が日々の暮らしとの向き合い方からも感じられます。

そんな附柴さんがつくる石鹸たちが使う人たちの時間にも小さな幸せを与えてくれることに、納得した取材後でした。

SAVON de SHIESTA 附柴彩子さん

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株式会社SAVON de SIESTA
代表取締役社長 附柴彩子

千葉県生、茨城県出身。
2003年、北海道大学大学院理学研究科・博士課程前期修了(理学修士:生物科学専攻)、卒業後、製薬会社を経て2005年手づくり石鹸工房Savon de Siestaを創業。

■SAVON de SIESTA
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SAVON de SIESTA 附柴彩子さんインタビュー

vol.1 石鹸のつくり手になるまで

vol.2 石鹸を通して届けたい2つのこと

vol.3 真珠肌に導くモリンガオイルの魅力

vol.4 日々を楽しむための愛用品と、無駄を省く時間術