インタビュー&ゲストコラム

附柴さんインタビュー vol.2 石鹸を通して届けたい2つのこと

2017年04月08日更新

_MG_3653

全4回でお届けするサボンデシエスタ附柴彩子さんのインタビュー。

初回となるvol.1では、石鹸屋さんになるまでの附柴さんのエピソードをご紹介しました。

会社を立ち上げから11年。丁寧につくられた上質な石鹸が人気を博し、全国からの注文が後をたたないサボンデシエスタですが、実は附柴さんがユーザーに届けたいのは、「石鹸」そのものだけではないそうです。

提供したいのは、心がほっとする時間

サボンデシエスタの石鹸は、熱を加えない「コールドプロセス製法」でつくられています。

これは加熱せずに約40日かけて石鹸をつくる製法。時間も手間もかかりますが、ゆっくり熟成することで、保湿成分が石鹸の中に残るため、洗い上がりはしっとり。使ってみてすぐに違いを実感できるはずです。

image_soap_by_cold_process_2

そんな石鹸ですが、附柴さんが石鹸を買ってくれるユーザーに届けたいのは、石鹸そのものではなく、「ココロがホッとするひととき」なのだそう。

「シエスタ」とはスペイン語で「お昼寝」の意味

「昼下がりに陽だまりの中でお昼寝するときのような、ココロがホッとするひとときを感じていただくためのツールとして、手づくり石鹸を使ってもらいたいんです」と説明してくださいました。

自宅に帰り、お風呂や洗面所で石鹸をつかって体や顔を洗い、本来の自分にかえるその瞬間を、上質な石鹸で愉しんでもらいたいという想いが込められています。

魅力あふれる「北海道のよさ」も伝えたい

そしてもう1つ。サボンデシエスタの商品を通して附柴さんが伝えたいことがあります。それは、「北海道の魅力」。

高校生まで茨城県で育った附柴さんは、大学進学で北海道に移り住み、関西での就職を経たあとにサボンデシエスタを立ち上げる地として、再び北海道に帰ることを選びました。

「出身者じゃないからこそわかる、北海道の良さがたくさんある」

と熱く語る附柴さん曰く、「春には雪が解けて一斉に花が咲き、夏は梅雨や猛暑がなくてさわやか。秋は鮮やかな色彩が楽しめて、冬になるとあたり一面が銀景色になる。四季がこれほどまでにはっきりしていて、食べ物もおいしく、自然の恵み豊かな土地にすっかり魅了されました」とのこと。

_MG_3641

「積雪が6メートルを超える200万都市は世界でも類を見ないそうですよ!」と附柴さん。

たくさんの素敵なものにあふれていますが、北海道の人たちにはそれがあたりまえになっていて、気づかない魅力がたくさんありそうだと感じています。

そんな附柴さんだからこそわかる北海道の“素敵なこと”を石鹸に込めて、土地の素晴らしさを添えて伝えたいという想い。

石鹸につかわれる材料には、十勝産の小豆、富良野のラベンダー、オホーツクの天然塩など、北海道の天然素材がたっぷり使われています。

香りは使ってほしい人のことを想って「引き算」で調合

当店バイヤーの柳沼がサボンデシエスタに出会ったのは、多摩川の土手で開催されていた手紙舎主催の「もみじ市」でした。

_MG_3673

北海道・下川町のホッカイドウモミの精油を配合した、ルームフレグランス 森の香り。森林浴をしているような気分になれるリラックスできる香りです。

ブースのテーブルに並んでいる商品は、どれも心地よい香りがほんのり。香りは人によって合う、合わないがあるものですが、サボンデシエスタの香りには、今までにかいだどのアロマ商品とも違う、何とも言えない心地よさがあり、思わず足が止まったのだそう。

柳沼が足を止めるほどの、香りのよさには何か秘密があるのでしょうか?附柴さんに尋ねてみると、「シエスタの商品は、使ってもらう人と使うシーンを想定しながら、香りを引き算しています」とのお答えが。

_MG_3583

「ぐっすり眠れる寝室に置きたい香り」「和食を食べるときにも邪魔にならない香り」などのシーンや条件を想定して、石鹸だったら泡立てたときに香るように、ディフューザなら部屋に入った瞬間だけに
心地よい香りを感じられるように、綿密に調整しているのだそう。

「引き算」をするという、微妙なさじ加減により強すぎず弱すぎない、絶妙な香りのバランスが生まれています。

さらにサボンデシエスタの商品の多くは使う人を明快に想定して作られるそう。

たとえば「プリマヴェーラ」という春限定のシリーズは、お客様から「朝、気持ちよく仕事に迎える石鹸があったらいいな」という声がきっかけとなって生まれました。

「その方が、朝使うとしたら、はつらつとした気持ちで鏡の前に立ってほしい。そんなことを思いながら、フルーティーな柑橘系の香りの石鹸ができあがりました」(附柴さん)

「石鹸そのものをお届けしたいのではなく、石鹸を通じて心地よい時間をお届したい」と話す附柴さんの思いは、そんなエピソードからもよくわかりますね。

about_01

香りや泡立ち、洗顔後の肌コンディション、さままな感覚が心地よくて、思わずうっとりしてしまうこと必至の石鹸です。

実は私、このプリマヴェーラを取材後に購入しました!洗面台の上で香りを放つわけではないのに、泡立てると、爽やかな香りがたちこめます。

まさに「1日を気分よく始められる香り」。附柴さんがユーザーに届けたいという「心地いい時間」を石鹸1つで過ごせていて、鏡に映る自分はご機嫌な表情。毎朝の洗顔が楽しみになっています!

次回は、人気沸騰中のモリンガオイルについてご紹介します。こちらも取材後に購入し、かなりお気に入り。(よいと聞いたら欲しくなってしまいます…!)

モリンガオイルのすごさはもちろんのこと、オイルを通して考える、附柴さんの将来像についても、お届けします。どうぞお楽しみに。

SAVON de SIESTA 附柴彩子さんインタビュー

vol.1 石鹸のつくり手になるまで

vol.2 石鹸を通して届けたい2つのこと

vol.3 真珠肌に導くモリンガオイルの魅力

vol.4 日々を楽しむための愛用品と、無駄を省く時間術