バイヤーからのお便り
【先行販売】にぎやかに集う食卓の主役
うつわというのは
料理を引き立たせるもの。
でも、すばらしいうつわに
出会った時はそんなことも忘れて、
ひとつの作品としてじっくりと
その造形を眺めていたくなります。
久々にそんな気持ちにさせられたのが、
岐阜・美濃焼の地方で作られる
「つどい鉢」を見た時でした。
派手ではないけれど、
華やかさのあるかたちや色。
どれもとても上質で、使い方にも
困らない。
ちょっとおかしな表現かもしれませんが、
人に例えるのであれば
「育ちがいい」というような印象です。
家族や友人が食事の場に
「つどう」時間に、食卓の真ん中で
使ってもらいたい、という思いから
名づけられたうつわ。
銘々皿として使う、というよりは
お料理をこんもりと盛って、
みんなでわいわい取り分けて食べる。
そんな使い方が似合う、
大ぶりのサイズです。
和食をより美味しく見せる
洋食にも中華にもあわせられますが、
断然おすすめしたい、和食づかい。
料理を上品に見せるには
うつわの余白が大切。
・・・とはよく言うけれど、
「そんなにちょっとじゃ食べ足りない!」と
いつも思うんです。
でも、つどい鉢は大きなサイズなので、
たっぷりと料理を盛っても
余白が作りやすい。
茶色い色味で地味になりがちな
和食ですが、この器であれば
品よく見せてくれます。
「木瓜」や「輪花」など、つどい鉢の
モチーフとなっているかたちは
時代を問わず日本で愛されてきた
定番のかたちで、いわば
ロングセラーのようなもの。
和食に合うのは必然だと思います。
つどい鉢のデザイナーは、
「瑞々(mizu-mizu)」をデザインされた
小野里奈さん。
取り皿として、瑞々と一緒に使っても
相性ぴったりです。
個性豊かな4種類
それぞれの鉢に施された釉薬は
どれも異なる質感をしています。
「鉄くろ釉 木瓜浅鉢」は
マットな質感の、緑がかった黒色。
ぺたっと平らなプレートなので、
和菓子を数種類盛ったり
お刺身や魚の煮つけなどにも
使いやすそうです。
「寂がらし釉 八角鉢」は
食卓を明るくしてくれる山吹色。
ひとつひとつの器に違いが出やすく、
釉薬の表情が楽しめるうつわです。
緑色がよく映えるので、
サラダやおひたしにおすすめ。
深さがあるので汁気のある料理でも
大丈夫です。
「赤飴釉 鉄鉢」は、まるで漆器のようにも
思えるような、ツヤっとした質感。
深みのある赤色で、少し内側に向けて
立ち上がった形が美しいつくりです。
筑前煮などの野菜の煮物との
相性は抜群。
揚げ物にもいいですね。
「淡青白釉 輪花長鉢」は
横の長さが33.5cmと、
ちらし寿司2~3人前を盛れるような
大きなサイズです。
少しだけ青みがかった白色で
どんなお料理でも受けいれてくれる
懐の広い器です。
窯入れする季節や
日々の温度・湿度によって、
同じ器でも、ひとつひとつ表情が変わります。
器の個性ですので、どうぞご了承のうえ
お買い求めください。
二つの窯元が力をあわせて
つどい鉢は、「深山(みやま)」と
「小田陶器」が協同で制作しています。
どちらも、美濃焼の産地である
岐阜県・瑞浪市にある窯元。
瑞浪市は、かつて国内の洋食器製造の
25%を担っていた磁器の生産地で、
今も多くの食器がつくられています。
長年の制作で培った
たくさんの知識と技術を活かして
ものづくりを続けている、二つの窯元。
得意とする技術もそれぞれ違っています。
それぞれの特徴を活かしながら
一緒にものづくりをしていくことで、
生み出されたうつわ。
今回、どのお店よりもはやく
先行販売でのご紹介です。
きっと、にぎやかな食卓に
色を添えてくれることと思います。
ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。