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「一生モノ」の鉄のフライパンの種類とお手入れ方法
鉄のフライペンは「お手入れが大変そう」という理由で敬遠してしまう方も多いのではないでしょうか。焦げ付かない、くっつかない、お手入れが楽、と3拍子揃ったテフロン加工のフライパンは手軽で毎日のお食事の準備には欠かせないアイテムですが、一方で寿命が短いというデメリットがあります。平均して2年から3年で買い替えなければなりません。
その点、鉄のフライパンは正しいお手入れをしていけば100年もつといわれるほど長もちするのです。まさに「一生モノ」のフライパンといえそうです。
そこで、今回はそんな一生モノの鉄のフライパンの特徴やおすすめのブランド、お手入れ方法をご紹介していきます。
100年もつ「鉄のフライパン」の特徴
1、熱の保持力が高い
鉄のフライパンのメリットは、鉄が持つ熱の保持率の高さ。鉄はテフロンやアルミに比べると高熱に強いので、強火でフライパンを熱し食材をサッと焼いたり炒めたりすることで食品の旨みをぎゅっと閉じ込めてくれるのです。炒め物が多い中華料理でも鉄製の中華鍋が使われていますよね。
2、使い込むうちに味が出る
鉄のフライパンは使い込んでいくうちに油がなじみ、より使いやすくなっていきます。油が被膜を作りフライパンの表面をカバーしてくれるので、食材がこびりつきにくくなるのです。プロの料理人さんたちも愛用している鉄のフライパン。傷にも強い丈夫さも魅力です。長い間しっかり使われてきた鉄のフライパンからは、新品とはまた違う味わいを感じます。
鉄のフライパンを購入する前に注意したいこと
1、調理の火元
鉄のフライパンのメリットをまとめてきましたが、購入する前にはデメリットも確認しておきましょう。まずは、火元の種類。これまでご紹介してきたように、鉄のフライパンは熱に強い特性があります。けれど、電化式のIHでは、ガスの直火に比べるとそれほど温度が上がりません。つまり、IHでは鉄のフライパンの良いところがあまり感じられないことになりそうです。
2、サイズ選び
女性やお年を召した方、腕力が弱い方には、鉄のフライパンは扱いにくく感じられるかもしれません。テフロン加工のフライパンに比べると、鉄のフライパンは重さがあります。お料理をする際には、フライパンの中に食材が入るわけですから、さらに重く感じるでしょう。今は鉄でも軽めのものも作られていますので、無理のないサイズを選ぶようにしましょう。
3、熱の伝導率が焦げ付きに
鉄のフライパンの特徴である熱の伝導率の高さは、焼き慣らしが十
4、「煮る・ゆでる」調理には不向き
こちらも鉄のフライパンの高温に強く熱の保持力が高いというメリットの裏返し。鉄のフライパンは、水分を多く必要とする「煮る・ゆでる」調理法には不向きです。
鉄のフライパンを手に入れよう。おすすめのブランド3選
1、まずはドイツ生まれのフライパン「turk(ターク)」
1857年にドイツのルール地方に創業された「turk(ターク)」は、銑鉄(せんてつ・ずくてつ)と呼ばれる鉄の塊を熱しては叩き形を作っていく伝統的な製法を受け継いでいるフライパン・メーカー。1枚の鉄を何度もたたいて成形していくため、デザインはシンプルですが、その武骨さと確かな品質が世界中に多くのファンを生み出しています。
タークのフライパンは鋳造一体型。持ち手の部分も何度もたたきを入れ、加熱と鍛造を繰り返していきます。つなぎ目のないフライパンは、150年間の伝統によって支えられているのです。
タークのフライパンはサイズ展開も豊富。パンケーキを1枚ずつ焼くのにちょうどいい直径18センチのクラシックフライパン(¥15,120 ・税込)から、直径22cm(¥19,440・税込)、直径24cm(¥21,600・税込)、直径26cm(¥24,840・税込)、直径28cm(¥28,080・税込)がそろいます。
タークでは両手鍋タイプのグリルパンも作られています。フライパンよりも深さのあるグリルパンは、グラタンなどのオーブン料理のほかにすき焼きのお鍋としても使用可能とのこと。このグリルパンは、日本オリジナルで作られたのだそうです。直径24cm(¥21,600・税込)と直径26cm(¥24,840・税込)、そして直径28cm(¥28,080・税込)の3サイズ展開。ご家族の人数に合わせて選んでもいいですね。
2、鉄鍋のお手入れ問題を解決してくれる「Tetsu Nabe」
続いてご紹介するのは、鉄鍋のデメリットでもあるお手入れの大変さを解決してくれる「Tetsu Nabe」。神奈川県の金属加工メーカーと、ものづくりをしている「アッシュコンセプト」との共同開発で生まれたこちら。
「チッカ黒染め処理」という水気や傷に強い特殊な処理を施しているため、鉄鍋特有の「錆びやすさ」を解決しているのです。高い加工技術をもった職人さんたちが、国内で一つ一つ手作りで作っているのも魅力の一つ。
硬いので直接刃物を使っても傷になりにくく、食卓で切り分けることも可能です。調理後に、そのまま食卓へ並べて切り分けることもできるので、友人を招いて手料理を振る舞うようなシーンでも活躍しそうですね。
3、ぬくもりを感じる国産の鉄のフライパン「Metal NEKO(メタルネコ)」
続いてご紹介したい鉄のフライパンは、こちらも国産の「Metal NEKO(メタルネコ)」。東京出身の金子恭史さんが手掛けるブランドです。フライパンだけでなく、暮らしの様々な道具やオブジェやエクステリアに関するアイテムなど幅広い作品を手掛けています。1つ1つ鍛造されたフライパンには、ぬくもりを感じます。
「よく手になじみ、違和感なくフィットする」は、つくり手の金子さんが大切にしていること。そういった道具を鉄素材を使って作っています。フライパンもその1つ。使い込むうちに油がなじみ、どんどん扱いやすくなっていく暮らしの道具として、大切に作られているのです。
メタルネコで作られているフライパンは、深型なので具材が多いときも炒めやすいのです。「鍛冶屋のフライパン」と名付けられた一体成型で、持ち手のデザインは、画像のように両側がくるっと内側に向かってカールしたような握りやすい形。吊り下げ用の穴も開いています。
メタルネコの「鍛冶屋のフライパン(深型)」は、Sサイズ(¥12,420¥税込)、Mサイズ(¥14,472・税込)、Lサイズ(¥17,064・税込)、LLサイズ(¥20,520・税込)の4サイズ展開。ほかにオーブンでも使用可能な両手フライパンもあります。
気になるお手入れ方法は?
基本を守れば難しくありません
鉄のフライパンを使うとき、気になるのは使った後のお手入れ。テフロン加工のフライパンに比べると手間がかかりそうなイメージがありますね。けれど、基本を守ればそれほど難しいことではありません。ここからは、鉄のフライパンのお手入れ方法をご紹介していきましょう。
使い始める前のお手入れ「空焼き」
焦げ付かないフライパンにするために、大切なのは使い始める前のお手入れ。「空焼き」と呼ばれる方法で、防錆加工を取り除き鉄の表面に酸化被膜を作るためのお手入れです。鉄のフライパンに施されている防錆加工を取り除くことで油がなじみやすくなるのです。
「空焼き」は、フライパンを強火にかけて、持ち手に近い部分から焼いていく方法。約30度傾けながらまわすようにして全体を焼きます。鉄に火が通ると玉虫色に変色するので目安にするとよいでしょう。全体に焼きがまわったら火を止めフライパンの温度を冷まします。底面だけでなく側面にも焼きを入れることがポイントに。
調理前に必ずしたい「油ならし」
購入直後と調理をはじめる前には、「油ならし」作業も必要です。「空焼き」をして酸化被膜を作ったフライパンに、油をしっかりとなじませることで焦げ付きにくいフライパンになります。
「油ならし」は、たっぷり目の油を使うことがポイント。フライパンの3分の1ほどの油を入れて弱火で約5分ほど加熱します。油を入れてから火をつけるようにしましょう。野菜くずを一緒に炒めるようにすると、より油がなじむとされています。先にご紹介したメタルネコのフライパンは、面倒な「空焼き」、「油ならし」は済んだ状態で届くので、届いたらそのままお使いいただけますよ。
基本的に洗剤は使わない
「空焼き」と「油ならし」を済ませた鉄のフライパンは、洗うときに極力洗剤を使わないようにしましょう。洗剤でごしごし洗ってしまうとせっかくなじませた油が落とされてしまいます。使った後は新聞紙やキッチンペーパーなどで汚れをざっとふき取り、水かお湯で洗うようにしましょう。タワシもおすすめです。
使った後の放置はNG!
お料理をした後、後片付けを後回しにするのは鉄のフライパンにはNG。汚れが付いたままフライパンが冷えてしまうと、きれいにするのが大変です。結局洗剤を使うことになってしまうと、上述のようになじませた油が流されてしまうからです。鉄のフライパンを使ってお料理をしたときは、まだ熱いうちにお湯とタワシで洗ってしまいましょう。汚れが残っていると、焦げ付きやすくなるので要注意です。
鉄のフライパンを上手に使って長持ちさせよう
鉄のフライパンは上手に使うと100年は持つといわれています。使い込んでいくうちに油のなじみもよくなり、使いやすくなっていきますよ。鉄は高温に強い素材ですので、ステーキや炒め物などを手早くおいしく作ることができます。使い方さえマスターすれば、良いことづくめの鉄のフライパン。ぜひ使ってみてくださいね。
インテリアをはじめ、雑貨やファッション、アートなど美しいものが大好きです。夫と二人の息子、犬と猫と一緒に暮らしています。