インタビュー&ゲストコラム
【つくり手インタビュー】更年期に悩みながら…思いやりで包む下着「丸福ガーゼ」

一切締め付け感のない、メディカル発想のインナーとして人気のブランド「丸福ガーゼ」。特にゴム不使用で、肌あたりの柔らかな生地がヒップを包み込む一分丈ショーツには、これ以外ははけない!と断言するファンが多数おられます。
開発者の片岡和加子さんは、開発当時、周囲よりかなり早く始まった更年期による肌荒れに苦しんでいました。ノンストレスな着心地への徹底的なこだわりには、そんな背景があったようです。
丸福ガーゼを紐解く3つの商品
医療用包帯の技術を、女性にやさしいインナーへ
「丸福ガーゼ」の企画・開発を担当している片岡 和加子と申します。私たちの会社は、長年医療用の包帯を製造してきた歴史があります。包帯って、肌に直接触れ、体の動きに合わせて伸縮し、必要以上に締め付けずに傷口も含め身体を支えるもの。そんな「包帯のやさしさ」を毎日身につけるインナーにも活かせないだろうか?と、下着の開発がスタートしました。

40歳を過ぎた頃、下着が刺激になる「異変」が起きた
丸福ガーゼの開発に着手したのは、私が40歳を過ぎた頃。今思えば、人よりだいぶ早く更年期の症状が出ていたのかなと思いますが、突然乾燥性の敏感肌に悩まされるようになったのです。下着の縫い目やゴムが当たるとチクチクしてかゆい。皮膚がかゆい状態ってものすごくストレスになるんですよね。しかも無意識に力をいれて掻くから傷になる。
その時、背に腹は代えられない!と肌に優しい下着を探したのですが、安心して着られるものは本当に見つけられませんでした。ちょっとした縫い目の段差や、タグの角など、どこかしらに小さな「刺激」がある下着がほとんど。この経験から「肌へのやさしさ」は付加価値ではなく、絶対条件だと考えるようになりました。
思いやりで包みたくて…納得できる形になるまで8年
丸福ガーゼのコンセプトは、「思いやりで包むコト」。やさしいものを足していくというよりは、暮らしの中で知らないうちに積み重なっていく「不快」をできるだけ取り除くこと。

丸福ガーゼの下着は、ヒップアップやシェイピングといった機能性をもたせたものではありません。違和感のない心地よさで、一日をストレスなく終えてほしい。身に着けている時は存在を忘れていて、一日の終わりに「今日も丸福ガーゼで快適な一日だった」と思って脱いでもらえる、そんなブランドでありたいと思っています。
【NO.1】丸福ガーゼ/スタイルストア限定 一分丈無地ショーツ

普通のショーツから気づいた、「ヒップのかぶり」の大切さ
丸福ガーゼを象徴する商品の筆頭に挙げられるのが、一分丈ショーツです。スタイルストアのお客さまにも大好評ですね。もともとはスタンダードな形のショーツを作っていましたが、数年前にあることに気づきました。ショーツの履き心地を左右するのはヒップの「かぶり」なんです。かぶりとは、お尻の下の部分のことで、お尻の下まで生地がきちんと届いているかどうかで、安定感がまったく違うことに気づきました。
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かぶりが浅いと、動くたびにずり上がり、無意識に直す。ヒップの下まで生地があると、食い込みもなく、下着の存在を意識する時間はぐっと減ります。
一般的なショーツのように、お尻をゴムやレースで支えると、食い込んだり縫い目の段差が当たったりして「支える」というより、「押さえ込んでいる」状態になってしまうんですよね。だったら、最初からヒップ全体を包む形にしたほうがいいのではないか。そう考えてたどり着いたのが、脚をほんの少し長くした一分丈という形でした。
年齢とともに変わる体に、ゴムは思っている以上に負担だった
年齢を重ねるにつれて、体の変化を感じる場面は増えてくるもの。特に、女性は加齢とともに肉質が柔らかくなっていきます。たとえば、結婚指輪をずっとつけっぱなしにしていると、その部分だけくっきりと指輪の跡がついていますよね。実は、その部分のお肉は指輪の上下へそれぞれ移動しているんです。

これは下着も同じで、毎日同じ部分にゴムが当たることで締め付け跡がずっと消えずに残ってしまうんです。丸福ガーゼのショーツは、ウエストも脚口もゴムを使っていません。生地を折り返した仕様にして、ガーゼの伸びと戻りの特性をそのまま活かしています。だから、ゴムの締め付けや跡が気になり始めた方も安心。年齢による変化を前提に、体に余計な負担をかけない設計を目指しました。
「押さえない」「跡を残さない」。この感覚は、履いている最中よりも、脱いだときにいちばん実感する部分かもしれません。
【NO.2】丸福ガーゼ/当店限定 カップ付無地タンクトップ
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「楽」と「安定」、どちらもあきらめたくなかった
丸福ガーゼを象徴する製品2つ目は「カップ付無地タンクトップ」です。これは形になるまでにものすごく苦労しました。カップ付きインナーに求めるものは、人それぞれ違います。ただ、多くの方に共通しているのは、「できるだけ楽に着たい」という気持ちと、「でも不安定なのは困る」という感覚ではないでしょうか。
締め付けが強いのは避けたい。一方で、動くたびにバストが落ち着かないのも気になる…。その間にある「ちょうどいい塩梅」をどう作るか。このタンクトップの開発は、そこから始まりました。丸福ガーゼの生地は、一方向にしか伸びないガーゼ素材です。その生地で、立体的なバストをどう受け止めるか。試作しては着て、少しでも違和感があれば戻す。その繰り返しでした。

愛用されているお客さまからは、「楽ですね」ではなく「安心します」という声をいただくことが多いです。私自身も、カップ付きインナーに一番求めていたのは「安心感」だったのだと、お客さまの声を聞きながら改めて感じています。
1本のゴムと、タンクトップというデザイン
丸福ガーゼは、基本的にゴムを極力使わない設計です。ただ、カップ付きタンクトップだけは例外として、バストを安定的にサポートするために一本だけゴムを入れています。胸のおさまりが悪いと、着心地として成立しないと感じたからです。ゴムは丸福ガーゼで包み、圧が一点に集中しないよう調整しました。
締め付けるゴムではなく、位置をそっと支えるための一本。必要最低限にとどめることで、丸福ガーゼらしい着心地を保っています。

カップ付きインナーというと、キャミソール型を思い浮かべる方も多いと思います。キャミソールは華奢で軽やか。一方で、肩紐が細いと重さが一点に集中しやすく、肩への負担を感じる方も一定数いらっしゃいます。
丸福ガーゼは、肩への接地面が広いタンクトップ型を選びました。引っ張られる感覚が少なく、着ている途中で肩ひもを直さなくていい…そんな状態を目指しています。
ショーツと同じく、糸の端が肌に当たらない仕様にもこだわりました。下着からの違和感がない一日を過ごしてもらえる仕様が、このタンクトップの良さだと思っています。
【NO.3】丸福ガーゼ/マチ付きレギンス

レギンスで寝たら、パジャマより何倍も快適に眠れた!
丸福ガーゼを象徴する3つ目の製品は、マチ付きレギンス。一般的なレギンスはショーツの上から重ねてはくものですが、こちらはクロッチ部分があるので、直ばきできます。私は、女性の皆さんに、ぜひこのレギンスをパジャマのズボン代わりに寝るときに身に着けて欲しいなと思っています。

というのも、たまたま試作のマチ付きレギンスをはいて寝た日があり、信じられないぐらい快適だったんですよ。いちばん気持ちよかったのはその「軽さ」でした 。パジャマってたっぷりサイズで作られているから、生地の分量が多くて、特に女性は寝返りを打つときなど、生地のダブつきが気になることがありませんか?
丸福ガーゼは、軽くて肌に沿い、通気性がいいので就寝中も蒸れずに快適。この感覚に慣れてしまうと、いかに普段の寝巻が重く、体に圧をかけていたかに気づかされました。この解放感こそ、心からリラックスしたい時間に最も必要なものだと確信した瞬間でした。
重ねても一枚でも履けるように、マチに向き合った
このレギンスで最もこだわったのが股の「マチ」の設計です。女性は年齢を重ねると、お腹まわりはふっくらしてくる一方で、手足は細くなっていくという体型変化が起こりやすくなります。一般的なレギンスのつくりだと、ウエストからヒップにかけてどうしても窮屈になってくる。丸福ガーゼのマチ付きレギンスは、マチの部分にゆとりを持たせることで、そうした体型変化にも寄り添い、どんな動きにも沿う設計にこだわりました。

実際にこのレギンスで眠ってみるとわかるのですが、どんなに寝返りを打っても生地が伸縮して体に沿うので、本当にストレスフリーなのです。一般的なパジャマだと、裾がずり上がって足首が冷えたり、身体の下で生地が重なってボコボコしたり…小さなストレスがありませんか?このレギンスは、お腹から足首までが常に優しく包み込まれているような感覚で、朝までその心地よさが続きます。
あとは夏場のワンピースの下に、汗取りインナーがわりにお召し頂くのもすごくおすすめです。鼠径部や太腿の汗をさっと吸って放湿してくれて、室内ではクーラー冷えも防いでくれます。パジャマ代わりに、ワンマイルウエアや汗対策インナーとして、このレギンスが、皆さんの暮らしの中で、快適かつ安心して身につけられる一着であったら嬉しいです。
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以上、丸福ガーゼの企画・開発を担当されている片岡 和加子さんに「丸福ガーゼを紐解く3つの商品」についてお聞きしました。
片岡さんのお話で、突然敏感肌になって大変だったというお話が印象的でしたが、昨年のお客さまインタビューでも同じようなお悩みのお客さまがいらっしゃいました。そして、その方は丸福ガーゼの一分丈ショーツに救われたと仰っていたのです。
丸福ガーゼのコンセプトは「思いやりで包むコト」。本当にその言葉通りではあるものの、私自身は「思いやり」を商品に反映させるために、丸福ガーゼがどれだけ徹底したものづくりをしているか、やさしさを謳うインナーは世の中に星の数ほどありますが、丸福ガーゼの「肌へのやさしさ」への本気度はすごいんだから!という気持ちがあります。
その背景には、開発者である片岡さん自身が、肌ストレスの辛さを身をもって体感したこと、そこに寄り添う下着を目指してモノづくりを重ねてきたことがあり、丸福ガーゼが今日も見つける女性たちを支え、救っている現実へとつながっているのだなと改めて知ることができました。

大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。