みんなの愛用品
着心地の良さは「薄さ」にあった ~ リバーシブルコート着用レポート
バイヤーの柳沼です。12月半ばにさしかかり、ちらほら「真冬の寒さ」という日も出てきた東京。いつもより早くインフルエンザが流行中とのことですが、皆さまは風邪などひいておられませんか?
この夏の先行受注から、熱くおすすめしていたリバーシブルガウンコート、今日はその着用レポートをお届けしたいと思います。
リバーシブルガウンコートの概要をおさらい
このコートの概要を簡単におさらいしておくと
1、ブランド「MB」のベテランデザイナーさんが、大人の女性のための上質なガウンコートを作りたい!ということで、探しに探して出会った、中国の張家港にある工房ですべて手縫いで作られるガウンコート
2、裏表柄の異なる1枚の布、その先端を裂いて手まつりで縫い合わせる、という製法
3、たっぷりサイズでも細見えするパターンや、ポケットの位置など、美しく快適に着られる工夫が満載
手縫いの動画やパターンの解説はこちらのコラムをご覧ください→「女性職人の思いやりが詰まったコート」
このコートを縫ってくれているのは、リバーシブルの服専門の工房です(だから手縫いのスピードと精度が桁違い)。実際にこのコートを一定期間着てみて、私は生まれて初めてリバーシブルコートの便利さ、気持ち良さを実感しました。
薄くても、着るとあたたかい理由がある
まずこのコート。手に取った時の、最初の印象は「ぺらぺらだな」です。少なくとも冬用のコートとして見ると、頼りなく感じる方が多いのではないでしょうか?
しかし、ここで声を大にしてお伝えしたいことが2つ。
1、薄くても、驚くほどあたたかい
2、薄いからこそ、女性がきれいに見える
まず、1の暖かさに関しては、お客さまの声をあわせてご紹介したいと思います。
■東京都40代女性 わこさん(チャコールご購入)
メルマガの案内文を読んで即日先行購入させて頂きました。楽しみに待っていましたが、期待に違わぬ素敵なコートが届きました。届いた瞬間は、え?薄い?と一瞬思いましたが、羽織るとかなりの温かさです。そして軽い!電車や室内の効きすぎる暖房が多い昨今、さっと脱いで片手にかけて持っていても苦にならないかさと軽さ。肩こり持ちの身にはこれが地味にありがたいです。
ぺらぺらと思えるほどの薄さなのに、着ると暖かい。その理由は、リバーシブル用の特殊な生地にあります。
こちらの生地は、片面がヘリンボン柄、もう片面が千鳥格子柄で、2枚の生地を接結させて1枚の生地に仕立てたもの。なので、生地の間に薄い空気の層ができ、そこに着る人の体温であたたまった空気が留まるから暖かいんですね。
ガウンタイプなのでどうしても胸のところがVにあきますが、最高気温11度で強風という日ここだけ寒さを感じたことがあって、逆にコートに包まれている部分の暖かさを実感しました。
私の感覚だと、最高気温が一桁台ほどまで寒くなると、ちょっとこのコートでは厳しいかなという感じ。それと風が強い日は寒く感じます。しかし軽くて適度にあたたかくて、着ていて気持ちがいいアウターなので、10-11月、12月の今も、気温を見ながら、インナーや巻き物、ウォーマー類で調整しながら、このコートを着ています。
薄いからこそきれいに見えるシルエット
もう一つ、実際に着てみて実感したのは、この薄さゆえの快適さ。まず軽いので、着ていても脱いで手に持っても、体に負担がかからない。それと、薄いからこそ出るドレープが、とても雰囲気のある陰影を作ってくれて、たっぷりサイズなのに太って見えないし、なんというか女性らしいシルエットが出るんですね。
この着ていて「きれいに見える」というのは、生地の薄さ、3枚パネル仕立てのパターンに加えて、ポケット以外は生地の重なりがない為、全体が非常になめらかであることも大きいと思います。ボコボコしない、もっさりしない。一枚のあたたかな生地がたっぷりと身体を包んでくれる。そんな感じです。
付属のベルトだけは、手まつりではなく、ミシンによる縫い合わせなのですが、それと本体の質感とを比べると一目瞭然。いかに「手でまつる」という仕上げが、繊細で上質なものかが分かります。
軽めのアウターこそ長い期間着られます
自分の冬のアウターとしては、ショート丈のダウンジャケット、膝丈のウールコートを持っていたので、季節の変わり目から真冬以外に着るためのコートとして、リバーシブルコートを購入しました。ただ着心地が良いのと、カジュアルにもきれいめにもコーディネイトしやすいので、リバーシブルコートを手に取る回数が一番多いです。きっと3月まで活躍するでしょうから、着過ぎて消耗させないように気つけなくては・・・。
今までは、コートに暖かいかどうかだけを感じていたように思うのですが、リバーシブルガウンコートで初めて「気持ち良さ」つまり、着心地の良さをしみじみ感じています。これは、実際に着てみて分かった、柄を変えて着られること以上のメリットでした。
縫える職人さんが減っているとか、ドンピシャの生地がなかなか見つからないとか、このコートづくりにはそれなりにハードルがあるのですが、ぜひ長く作り続け、ご紹介し続けられるように売り手としてできることをしていきたいなと思っているところです。
大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。