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第十二回 鏡を見てはいけない理由
<前回から続く>
いよいよ、初のきもの教室。
2日前に予約の電話をしたにもかかわらず
柔軟に対応して頂いたリサイクル着物屋さん。
レッスンに使う着物や小物は
全て貸し出してくれるそうなので、
手ぶらで身軽に向かいます。
迎えてくれた先生は、面倒見の良さそうな
お店の女性スタッフさん。
レッスンは、小上がりの畳になっている
お店の一角で行われます。
「どのくらい着られる?」と
まずは現状での実力確認。
一度本を見ながら着たもののボロボロで
あとは友達に着せてもらったくらいで・・・
と正直に言うと
「じゃあまずは、着物を着る前に
今の洋服の上から、帯だけ
結んでみましょうか!」と、先生。
まずは帯の結び方を
帯結びをはじめてすぐに、
先生から衝撃的な一言が。
「帯を結ぶ時はなるべく鏡を見ないようにね。」
え!鏡を見ないで着るの?
帯は身体の後ろで結ぶのに?
それじゃあ何も見えないのでは・・・!
と、すごく驚いたのですが、
鏡の方に振り返って後ろ姿を見ると、
必ず着物や帯が左右どちらかに
ずれてしまうそうです。
自分の前に先生が立って、
同じ工程で帯結びをしてくれるので、
それを見ながら、手の感覚を頼りに
帯を作っていきます。
きちんと結べているかわからず
無意識に鏡を見ると
「あっ、鏡見てる〜〜〜」っと
指摘されること数回。。。
でも、鏡を見ないで着られるようになったら
出先などでも場所を選ばず
手早く着られて時間短縮にもなるそう。
確かに、最初から「鏡を見ない」ことに
慣れるのは大切かもしれません。
本とは違う、対人レッスンの良いところ
帯の結び方を練習した後は、
いよいよ着物から帯結びまで
一通りのレッスン。
「着物がもたついてシワを
伸ばせないときはどうしたらいいの?」
→目立たないように脇の下に寄せる。
それでもシワになるようだったら
中で一旦折る!
「裾合わせの時、着物の身幅が
広くて余る場合はどうしたらいいの?」
→下前を巻き込まず、
手前に折り返して調節する
など、着付けの本には書いていなかった
細かいポイントをすぐに聞けて教えてくれる、
というのは、やっぱり対人で教えてくれる
レッスンならではでした。
着物と帯を身に着けて
一通りの流れが終わったところで、
レッスン開始から1時間45分が経過。
「あと15分あるし、慣れが必要な裾合わせの
ところだけもう一回おさらいしようか?」
と先生のお言葉に甘えて
時間ぎりぎりまで教えてもらい、
最後は着物の畳み方も復習して、
2時間でレッスン料は2000円。
大充実の内容でした。
着付けを学ぶだけではなく
「着物を着る機会をつくる」ために
始めたレッスン。
定期的に来なければ意味がないので、
帰り際に「また来ます!」と宣言したら
「何度でもいらっしゃいね〜」と
笑顔で見送ってくださいました。
こうやって、気軽に通える場所を見つけるのも
着物上達への近道かもしれません。
絵:chihiro kawata
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知識ゼロのハタダが着物と格闘する日々、
そっと見守っていただけますと幸いです。
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