インタビュー&ゲストコラム

【あの人の暮らしぶり】小野さんの食器棚と、愛用のうつわ

2016年11月26日更新

今回「あの人の暮らしぶり」に
ご登場いただいているのは、
rinao designの小野里奈さん。
瑞々つどい鉢ハイルなど、
数々のプロダクトをデザインし、
ご活躍されています。

第2話は、個人的にも気になっていた、
「小野さんの食器棚と、ご愛用のうつわ」。

ご自身でもうつわをデザインされてる
小野さんは、どんなうつわを選ばれて
いるのか、そしてたくさんのうつわたちの
収納ルールなども教えていただきました。

コンパクトかつたくさん収納できる食器棚

ご自宅のリビングへ入って
すぐ目に入ってきたのが、
小野さんデザインの食器棚。

限られたスペースの中でもたっぷりの
うつわを収納できる上に、使いやすい
工夫がたくさんありました。

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ミズナラの無垢材を贅沢に使った
食器棚「Ko-ko(ココ)」は、
木工の産地・北海道旭川の
家具メーカー 山室家具製作所と一緒に
共同開発されたのだそう。

耐久性があって長く使えるように
釘は使わず、「框組み(かまちぐみ)」
という昔ながらの手間のかかる構造で、
職人がひとつひとつの工程を大切に
作っています。

「以前暮らしていた家は今より狭くて、
限られたスペースの中でも
たくさんのうつわを収納できる
食器棚があったら良いのにと
思っていました。

マンションだとスペースが取れないので、
奥行きは36cmとコンパクトにデザイン
しています。」(小野さん)

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棚板はお盆にもなるように作られて
いるので、棚ごと取り出すことができ、
奥のうつわも楽に取ることができます。

季節にあわせて手前と奥を
入れ替えやすいのも嬉しいところ
ですよね。

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お茶碗、汁椀、小皿など、毎日使う
うつわは、手前のゾーンに。

うつわを何枚も重ねすぎると
重くなったり取り出しにくいので、
棚板(お盆)までの高さは15cmに
設計されたそうです。

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扉にもこだわりが。
引き違いの扉だと、片方の扉は
閉まったままなので出し入れしにくく、
観音開きだと扉の分だけスペースが
必要になってしまいます。

そのため、Ko-koはフルオープンで
跳ね上げ式の扉に。

一度の開閉でたくさんの器を
出し入れしやすい仕上がりです。

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指を入れて持ち上げやすいように、
溝が掘られています。
こういった細部への気遣いを見ると
嬉しくなってしまいます。

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小野さんならではの視点から生まれた、
美しさと使いやすさを兼ね備えた
本当に素敵な食器棚。

何より、たくさんのうつわたちが
のびのびと気持ちよさそうに
納まっているのが印象的でした。

愛用のうつわは、「脚つき」多め

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画像中央の白いうつわは、水垣千悦さんが作られたもの。

数あるうつわの中から小野さんが
愛用品として選ばれたのは、
高台つき(脚つき)のうつわでした。

「脚つきのうつわは、テーブルの上でも
高さを出せるので、手に取りやすく、
見た目にも変化があって楽しいです。

実家の母も料理好きで、
家にはお皿がたくさんありました。
脚つきも多いんですよ。
おばあちゃんからもらった
うつわもあります。」(小野さん)

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「ちょこっとお酒のおつまみや
薬味を盛ったり、マヨネーズを入れて
食卓に並べることもあります。」
(小野さん)

脚つきだと、食卓に並べるだけで
存在感がありますね。

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漆のうつわは、岩手県の安比塗
(あっぴぬり)。

落ち着いた赤が料理に風格を
もたらしてくれそう。
人が集まった時など、おもてなしの席
での出番も多いそうです。

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画像手前の片口も、水垣千悦さんが作られたものです。

小野さんの食器棚を眺めていたら、
片口も大小さまざまお持ちでした。

「片口は、そのままお酒を入れる時も
ありますし、煮物やお酒のアテを
入れて使っています。
ドレッシングを作って入れておく
こともあります。」(小野さん)

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うつわを買う時は、
「つくり手さんとお話ししながら、
使い方などを聞いて、納得して
買うことが多いです。」(小野さん)
とのこと。

たくさんのうつわの分だけ、その背景に
つくり手さんとのやりとりや会話がある。

今回小野さんにお話を伺って、
うつわやそのもののことだけではなくて、
そのまわりのエピソードを含めて
「誰かの食器棚にはいろいろと
詰まっている。そこがおもしろい。」
と感じました。

さて、次回は小野さんご愛用の
キッチン道具やインテリアについて
教えていただきました。
こちらもどうぞお楽しみに。


今回ご紹介した食器棚「Ko-ko」は、
山室家具製作所さんが作られて
います。

http://yamamurokaguseisakusho.com/


「あの人の暮らしぶり」

rinao design 小野里奈さん編

序章

【第一話】
小野さんの、おもてなしの食卓とうつわ

【第二話】
小野さんの、食器棚と愛用のうつわ


このコラムを書いた人

中井 明香

スタイルストア バイヤー

中井 明香

いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。

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