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長く愛用できる、「一生もの」のキッチン用品・調理道具5選

2024年08月10日更新

キッチン用品・調理道具のなかには、「一生もの」と呼ばれる道具があります。丈夫なだけでなく、使いやすさに配慮されていて、ずっと使い続けたくなることも、そう呼ばれる条件のひとつです。また、美しい佇まいで、そばに置いておきたくなることも、人によっては必要でしょう。今回はずっと使い続けたくなるキッチンまわりの道具5選と、その選び方をご紹介します。

「一生もの」になるキッチン道具の選び方

まずは、一生ものとして使い続けられる調理道具の選び方を、道具の種類ごとにご紹介します。素材やデザイン、耐久性、細かな使い勝手など、こだわりたいポイントを考えつつチェックしてみてください。

フライパン:鉄製がおすすめ。重さとお手入れしやすさを重視

一生もののフライパンといえば、耐久性が高く長持ちしやすい「鉄フライパン」。とはいえ、商品によってはお手入れや扱いが難しいこともあるので、ストレスなく使い続けられるものを選ぶのが重要です。まず、鉄フライパンを使う上でネックになりやすいのは、その重さでしょう。年齢とともに、重いフライパンを振り続けるのがつらくなることもあります。そのため、鉄フライパンのなかでもなるべく軽いものがおすすめ。理想は、片手でも返せるくらいの重量です。

また、鉄は錆びやすい素材でもあるので、サッと洗えて乾きやすいものがよいでしょう。本体と持ち手など、水が溜まりやすい部分に継ぎ目がないものなら、扱いやすいですよ。

鍋:保温性が高く、素材の中まで火が通るものを選ぼう

鍋を長く使うなら、素材は鋳物ホーローがおすすめです。保温性が高く焦げつきにくいので、じっくりと火を通す料理もおいしく出来上がります。また、食材の中までしっかり日が通り、素材のおいしさを引き出せるのも魅力です。ホーロー特有のかわいらしい見た目も、長く使い続けたくなるポイントでしょう。

ただし鉄製の道具と同様、ホーローも重量感があります。比較的軽量で、かつ取っ手に安定感があるなど、持ちやすいものを選びましょう。また、煮る、蒸す、焼く、揚げる…とさまざまな調理に使うからこそ、汚れが目立ちにくい、継ぎ目がなく洗いやすいといった、細かな使いやすさも大切です。

包丁:切れ味が長持ちする素材や、研ぎやすさに注目

包丁を選ぶ上で大切なのは、切れ味が長持ちするか、研ぎやすいかという点です。どんなに切れ味のいい包丁でも、使い続けるうちに少しずつ切れなくなっていきます。こまめに研ぐ手間を減らすなら、「モリブデン鋼」など、切れ味が長持ちしやすい素材を選ぶのもひとつの方法です。

または、負担なく研ぐことができる包丁もよいでしょう。なかにはシャープナーや砥石ではなく、紙やすりでのメンテナンスが可能な商品もあります。もちろん一生ものの包丁として使うには、プロの研ぎ直しを行うことも必要。ですが普段の研ぎ直しがしやすいほど、長くお使いいただきやすくなります。

まな板:傷が眼立ちにくい、または削り直しが可能なものを

まな板は使うたびに傷がつくので、きれいな状態で長持ちさせるのは難しい道具。ですが素材にこだわることで、傷をつきにくく、あるいは目立ちにくくして、長く使うことができます。たとえば、柔らかく弾力に富む木材を使っているものなら、切り跡が目立ちにくいでしょう。あわせて、水はけのいい種類の木材なら、カビや黒ずみの発生も減らせます。

また、削り直しが可能なまな板なら、傷や汚れが目立ってきた際に、表面をきれいにすることができます。なお削り直しができるのは、程よい厚みがあり無塗装のまな板だけ。まさに一生ものとして長く使うなら、削り直しが可能かどうかに着目するのもおすすめです。

ボウル・ザル:へこみにくく、洗いやすいものがおすすめ

ボウルとザルはセットで使うことも多いですが、ザルのほうが網目状になっているぶん、凹んでしまいやすいもの。そのため、ザルは網が太く、指で押しても凹まないくらいのものがよいでしょう。また、使い勝手を考えるなら、底上げされているものがおすすめ。シンクや台に直接置いても中身がつかないので、衛生的です。

ボウルはザルより傷つきにくいですが、食材や調味料の汚れがつきやすいので、洗いやすさが大切。一般的に、マットなつや消しの表面よりは鏡面仕上げのほうが洗いやすいため、つるりとした質感のものを選びましょう。また、底面が広く、安定感のあるものだと、中身を混ぜ合わせる際に転がりにくくなります。

長く愛用するための、素材ごとのお手入れ方法

せっかく上質な道具を手に入れても、使いっぱなしではいずれ痛んでしまうもの。道具を長く使うためには、適切なお手入れを行うことも大切です。次に、素材やアイテムごとの基本的なお手入れ方法を解説します。

ステンレスは使用後に中性洗剤で洗って、水気を拭き取る

ステンレスは錆びにくく、劣化も少ない素材。包丁をはじめ、ピーラーやおろし金、ボウルといったさまざまなキッチン道具に使われています。とはいえまったく錆びないわけではないので、酸やアルカリ、塩分が長時間付着したままにならないよう、使用後はなるべく早めに中性洗剤で洗いましょう。洗浄後は布やペーパータオルで水気を拭き取り、自然乾燥してください。

ステンレス製品の中でも、包丁は定期的な研ぎ直しが必要です。シャープナーや砥石を使うか、プロの研ぎ直しサービスに依頼してメンテナンスを行いましょう。ざるやボウルの場合は、中性洗剤で洗ったあと、熱湯を回しかけて除菌することができます。ただし熱湯を入れると一時的に熱くなるため、やけどに要注意です。

鉄製品は水だけで洗い、なるべく早く乾かす

耐久性と機能性の高さで人気の鉄製品ですが、長く使うためには日常のメンテナンスや前準備が必要です。鉄は錆びやすいため、長時間水にさらすのはNG。使用後は速やかに洗い、すぐに乾かしてください。また、フライパンや鍋の場合は洗剤を使わず、水だけで洗うのが基本です。これは使用前に行う「シーズニング」という作業によって、表面に張った油膜を落とさないようにするため。中性洗剤で洗う場合は、少量だけ使い、すぐに水ですすぎましょう。

なお鉄フライパンを乾かす際には、水分を拭き取った上で、中火で加熱して水分を飛ばす方法があります。完全に乾いた後、キッチンペーパーを使って表面に油を塗り込めば完了。慣れるまでは面倒に感じるかもしれませんが、適切なお手入れをしながら使い続ければ、まさしく一生ものの相棒になってくれますよ。

木製の道具は水気に注意。カサついてきたらオイルを使う

木製のキッチン用品は、軽い汚れなら水だけで、しっかりきれいにしたいなら中性洗剤を使って洗ってください。洗ったあとは水分をよく拭き取り、風通しのいい場所で乾燥させましょう。なお、木は水分に弱く、湿った状態で長く放置するとカビや黒ずみの原因になります。使用後は水につけっぱなしにはせず、なるべく早くお手入れしてください。

表面のカサつきや白っぽい変色が気になってきたら、ご自身でオイルを使ってお手入れすることもできます。クルミ油・えごま油・オリーブオイルなど天然由来のオイルを塗り、乾いた布などで軽く拭き取ってから乾燥させてください。オイルのベタつきがなくなれば完了です。ただし塗装の種類によっては、オイルを使ったお手入れがNGなケースもあるので、使用前に商品のお手入れ方法をチェックしてくださいね。

陶器製の鍋は、冷めてから洗うように注意しよう

陶器製の調理道具として、代表的なのは土鍋です。使用前には、表面の微細な穴をコーティングするための「目止め」という作業が必要ですが、商品によっては目止め不要なケースもあるので、注意書きなどをよく確認しましょう。目止めを行う場合は、水洗いして乾かした土鍋の8分目まで水を入れ、少量のお米を投入。弱火で1時間ほど煮立てたら、火を消してしばらく置いて冷まします。一晩おいたら中身を取り除き、きれいに洗って乾かしてください。

使用後は、土鍋が冷めてから水洗いをしましょう。急激な温度変化に弱く、熱々の状態で水をかけると割れる可能性があるためです。また、柔らかいスポンジを使い、傷をつけないよう注意することも大切。なお、基本的には中性洗剤を使わず、水洗いだけでOKです。また、内部まで水が浸透してしまいやすいので、つけおき洗いは避けましょう。

ホーローは焦げつき・着色に注意してお手入れを

最後に、ホーローのお手入れについてです。ホーローとは、金属の表面にガラス質を焼きつけた素材。耐久性や耐熱性にすぐれる一方で、コーティングされている素材より焦げつきや着色が起きやすい特徴があります。普段のお手入れはスポンジと中性洗剤で洗い、十分に乾かしてください。鍋など火を使う道具で、しつこい焦げ付きが発生した際は、お湯を入れてしばらく置いておき、焦げをふやかしてからスポンジなどでこすり取りましょう。

それでも焦げ付きが落ちない、または着色してしまった場合は、重曹を使う方法がおすすめです。ぬるま湯と重曹を入れて溶かし、中火にかけて沸騰させてから火を止め、冷めるまでそのままにしておきます。最後に水を捨てて、スポンジでやさしく洗ってください。一度で落ちなかった際は、もう一度同じ工程を繰り返すと、汚れが落ちやすくなりますよ。

一生ものになる、おすすめのキッチン用品・調理道具5選

basislab/鍛冶屋の定番鉄フライパン 24cm

油ならし不要で、届いてすぐに使える鉄フライパン

まずご紹介するのは、新潟県・三条市の職人が手がける鉄フライパンです。手打ちで鍛造されているため凹凸があり、油なじみがよく丈夫。さらに奥側だけ少し深い形をしており、炒め物をしているときに食材がこぼれにくいなど、細かい部分まで使いやすさを追求しています。もちろん平らな面もあるので、均一に火を通す調理も可能です。

板厚は1.6mm。厚すぎず、鉄フライパンの蓄熱性を損なわず、それでいて片手でも扱える重さです。また、こちらは鉄フライパンを使い始めるにあたって必要な「油ならし」という作業が不要。届いてすぐにお使いいただけます。本体と持ち手が溶接されており、汚れが溜まりにくいので、水だけでもじゅうぶん全体をきれいにできるのも魅力です。

UNILLOY/キャセロール 浅型 24cm

一般的な鋳物鍋に比べ、約半分の厚みで軽量化

保温性が高く、食材の持ち味を活かせるホーロー鍋。ですがどうしても本体が重くなりやすい、という欠点があります。こちらのホーロー鍋は厚み2mmで、一般的な鋳物鍋の厚みが4~5mmほどなのに対し、約半分以下に抑えられています。そのため軽量で、持ち上げたり棚にしまったり、という動作がスムーズ。もちろん保温性は損なわれておらず、むしろ熱伝導率がいいぶん、短時間で一気に過熱することができます。

継ぎ目のないデザインなので、お手入れも楽ちんです。また、取っ手がなだらかに下を向いており、バランスよく支えられる形になっています。蒸す、焼く、煮る、茹でる…と何にでも使えますが、特におすすめなのは「野菜の蒸し焼き」と「揚げ物」。野菜はホクホクに、揚げ物はカラっと仕上がります。

和 NAGOMI/三徳包丁

新聞紙だけで研ぎ直しができる、ステンレス素材の包丁

こちらの三徳包丁は、「誰でも研げる」ことを目指して作られています。「440A モリブデン鋼」というステンレス素材を使用しており、切れ味を保つためには定期的な研ぎ直しが必要ですが、なんと新聞紙に片面10回ずつこすりつけるだけでOK。刃の硬さや刃先の形を工夫しているからこそ、この手入れの簡単さが実現できています。

新聞紙では切れ味が戻らなくなった際は、紙やすりでの研ぎをお試しいただき、それでも変わらなければ付属の無料研ぎ直し券を使用可能です。三徳包丁は肉や野菜など、何にでも使える万能な包丁。だからこそ使う機会が多く、そのぶんこまめなメンテナンスが必要になります。その手間を減らしてくれるので、研ぎ直しの必要な包丁を初めて買う人にもおすすめです。

woodpecker/いちょうのまな板 まる 大と中の間

傷が目立ちにくく、削り直しもできる「いちょう」のまな板

こちらは柔らかく、弾力のある「いちょう」の木を使ったまな板です。いちょうの木は刃あたりがよく、表面に切り跡がついても自然に復元されやすいという、機能的な特徴を持つ素材。包丁も刃こぼれしにくく、まな板と包丁どちらにも優しい使い心地です。また、いちょうの木は軽く、適度な油分のおかげで水はけもいいので、洗ったあともすぐに乾きます。

こちらのまな板は、有料での削り直しが可能です。表面の傷や凹凸が目立ち、サンドペーパーなどでお手入れしても消えない場合は、削り直しをすると新品のような手触りになります。これは削り直しをしても薄くなりすぎない厚みがあり、無塗装で作られているからこそ。長くじっくり付き合えるまな板です。

Three Snow 新越ワークス/フタ付ざるボウルセット

フタ、ざる、ボウルの組み合わせが便利

最後にご紹介するのは、フタ、ざる、ボウルのセットです。それぞれ単品ではもちろん、併用することでより使い勝手がよくなるのが魅力。まず、「ざる」は持ち手つきなので、茹でた麺や野菜といった熱いものも入れられます。網が太いので凹みにくく、底面が底上げされているので置き場に困りません。

「ボウル」は浅型で安定感があり、転がりにくい形です。また、フチが潰されているので、中に水が入りにくくなっています。「フタ」はざると一緒に使うのがおすすめ。水切りをする際に上に被せることで、食材が飛び出すストレスがなくなります。水を切ったあとはざるの下に置き、キッチン台を濡らさないためのトレイとしても使用可能。1つ1つが使い勝手を考慮して作られ、さらに組み合わせたときの便利さも追求されています。

まとめ

今回は、長く愛用できるキッチン用品・調理道具をご紹介しました。それぞれ道具の種類や素材、こだわりの部分は異なりますが、使いやすさを突き詰めて作られていることは共通しています。ぜひ「一生もの」として、毎日の調理のお供になる一品を探してみてくださいね。

文・構成/上野智美

このコラムを書いた人

スタイルストア 編集室

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