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バイヤー中井の波佐見探訪 - スワンができるまで-

2017年01月07日更新

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2016年は、商品開発のお手伝いの
ご縁をいただきまして、夏頃から
佐賀へ出張に出かけることが
多い年でした。

ペースは、だいたい月1回くらい。
佐賀県内のつくり手さんの工房
(例えばどーぞのりすを作っている
小杉窯さんなど)を訪れたり、
毎回ではありませんが、お隣の長崎へ
足を伸ばすこともありました。

そして先日、当店と安原ちひろさん、
玉有さんで作ったスワンシリーズ
生まれている現場に伺いました!

今回は、その時のことを綴りたいと
思います。

スワンが生まれている場所をたずねて

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スワンを作ってくださっているのは、
波佐見町の長十郎窯さん。

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職人の方々が、1点ずつ細やかな
手仕事を施しています。

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実は松尾摂子さんのツバメシリーズ
長十郎窯さんで生まれているんですよ。

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絵付け師さんの、大切な仕事道具。筆の太さもさまざまです。

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原画の魅力を伝えるために、
一部の色を何版か重ねて表現したり、
面倒で手間のかかることに対しても、
根気良くチャレンジしてくださったことで
完成したスワン。

一体どんな風に作られているのか、
その工程の一部、転写シートを貼る
ところをみせていただきました。

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これが転写シート。
これを器に貼って焼くと、
まるで器に直接描いたような
繊細な絵柄があらわれるんですね。

ちなみに黄色いところは、焼くと
消えるのだそうです。

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転写シートを水に濡らして、うつわに
すーっと滑らせます。

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バランスをみながら調整。
縁にかからないように、でも内側
すぎないように。
1枚のお皿に対して貼るシート数が
多いので、細やかな配慮と手間が
必要とされます。

作業効率を考えると、絵柄が連なって
円になっているシートを1枚貼る、
という方法もあったそうなのですが、
こちらの方が最終的にお手頃な価格で
お客さまにお届けできるそうで、
長十郎窯さんがこの方法を提案
してくださいました。

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柄の位置が決まったら、水分を拭き取り
乾かしてから、窯に入れて焼く
工程に入ります。

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いざ焼成!
大きな窯が何台もありました。

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こちらは焼く前の、順番待ちのうつわたち。

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そばに近づくと、まだホカホカであたたかい。

窯の中を見せてくださいました。
順番待ちのうつわたちは、レールに乗って
この窯の中に入っていきます。

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今回は転写の工程を見せていただき
ましたが、実際にはこの他にたくさんの
工程を経て、ようやく完成します。

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ものがひとつ出来上がるまでには、
たくさんの人の繋がりがある。
現場を訪れるたびそんなことを
実感しています。

つくり手のみなさんたちの
誠実で緻密な仕事ぶり、
朗らかであたたかいお人柄と接して、
自分にできることをひたすら
ちゃんとやろうと姿勢を正す、
そんな日々を過ごしています。

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佐賀のつくり手さんの裏庭で採れた生栗を、奥さま直伝レシピで渋皮煮にしてみました。

さて、次回は佐賀探訪、そして
無類のポテサラ好き中井が出会った
震えるほどおいしかった絶品ポテサラ
などをご紹介予定です。
どうぞお楽しみに!


【バイヤー中井の地方探訪シリーズ】

波佐見編 「白ねこオブジェが生まれるまで

静岡編「あの蔦の中に


 

このコラムを書いた人

中井 明香

スタイルストア バイヤー

中井 明香

いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。