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白ねこオブジェが生まれるまで -バイヤー中井の波佐見探訪-
つい先日、波佐見と有田へ
出張に行ってきました。
ちょうど九州の地震の直後でしたので
つくり手さんの状況は大丈夫か
気になっていましたが、幸いにも
みなさんご無事で少しほっとしました。
窯元さんの中には、何日も窯の側から
離れずに、夜は寝ずの当番をされて
いる方もいらっしゃったり、
毎年この時期に開催している陶器市に
お客様が来てくださるかな・・・という声も
ありましたが、SNSなどからも
盛況の様子が伝わってきて
私も嬉しい限りです!
あの「白い動物シリーズ」が生まれるまで
ホトトギスの鳴き声に包まれながら、木漏れ日を抜けると
さて、出張1日め。
長崎空港に降り立った私は、
当店でも「白い動物シリーズ」などが
ご好評の、senの工房に伺いました。
長崎空港から車で走ること約50分。
(もちろん頭の中のBGMは
「世界の車窓から」のテーマ曲一択。)
空気の澄み切った波佐見町の一角に、
senのアイテムが生まれている
「やきもの工房 京千」があります。
ホトトギスの声を聞きながら
木漏れ日の中を抜けていくと・・・
素敵なギャラリーと工房が見えます。
改めてですが、senは
「やきもの工房 京千」から生まれたブランド。
長岡千陽さんがデザインをされ、
京千が製造しています。
焼きたてほやほや?の白ねこたち
ギャラリーの中に入ると、
つくり手の長岡千陽さんから
「中井さん、ちょうど良いタイミング
でしたね。白ねこたち、さっき
窯出ししたところなんですよー」
とのお言葉が!
早速現場にお邪魔すると・・・
大勢いらっしゃいましたー!
ずらりとお行儀良く並んでいますね。
言葉のチョイス、良いのかどうか
わかりませんが、
まさに焼きたてほやほや。
(軽く触れてみたら、ほんのり
あたたかかったです。)
もともとこの丸みを帯びた背中まわり、
まるで生きているみたいで
たまらなく愛らしいなーと思っては
いましたが、
たくさん並んでいると圧巻です。
こんな風に白ねこたちは作られています
白い動物シリーズがどうやって
作られているのかは、商品ページ
からご覧いただけますが、
今回はもう少し違う角度から
ご紹介したいと思います。
1点ずつ丁寧に工房で手作りされ、
型を使いながら、たくさんの手間暇を
加えて作られているsenのアイテム。
工房の奥にお邪魔すると、
棚の上に、白い動物シリーズの
原型がありました。
この原型をもとに、
こういった「型」を作るんですね。
型自体に細やかな彫りが施されて
います。
波佐見町では分業制が多いため、
原型から作ったり、手間暇のかかる
仕様のものづくりをするのはなかなか
難しいそう。
京千の場合は型作りから全て
一環して自社で行っているので
手間暇を惜しまないものづくりが
実現できるのだそうです。
型に生地を流し込んでから
型から外し、乾燥中の様子。
これから焼かれにゆきます。
ちなみに、工房に入ると、
しんとした空間に
「チリッ チリッ」という
やさしい高音が響いていました。
これは、貫入(かんにゅう)と呼ばれる
焼き物が冷めていく時に入るヒビの音。
白い動物シリーズには貫入は入って
ないのですが、ちょうど他のアイテム
が焼き上がった頃だったので
聞くことができました。
焼き物の世界ではよくある音なのですが、
ちょっと神秘的な音で素敵でしたよ。
どの動物もシュールな顔つき。
あと、質感や色合いに、
焼き物ならではの良さが出ているな
と思います。
ムラがありあたたかみのある
色合いも絶妙です。
お三方が並ぶと、密談している
ようにも見えますね。
工房の前で、長岡さんと、
黒ネコちゃん。
まるでジブリの世界のようです。
手仕事の魅力がつまった一品。
お部屋にゆるくてあたたかな雰囲気を
もたらしてくれるオブジェです。
いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。