みんなの「買ってよかったもの」

お気に入りを長く使うための、手入れの道具[買ってよかったもの2025 バイヤー畠田編]

2025年11月12日更新

バイヤー45966・年齢:30代・夫婦2人暮らし(北海道)・2025年のトピック:クラシックピアノを再開し、12月に発表会に出る(24年振り!)・最近ハマっていること:車中泊の動画を見る・スタストのバイヤー歴、担当ジャンル:バイヤー歴10年。主にキッチンまわりの仕入れを担当

こんにちは、バイヤーの畠田です。

今年も当店バイヤー陣の「買ってよかったコラム」の季節がやってきました。毎年、キッチン道具を中心にご紹介しているわたしですが、今年はあまり新しい調理道具を迎えませんでした。新たなものを購入する時にはなるべく長く使えるものを選ぶようにしていることもあり、手持ちの道具たちがすっかり定着してきたからです。

そのかわり、年々増えているのが「手入れのための道具」。お気に入りを長く使うには、日々のメンテナンスが大事だと感じています。今回はそんな、長く付き合うための「手入れの道具」たちをご紹介したいと思います。

ざる、しっかり洗えてなかった!

奥からびわこふきん、しゅろのやさしいたわし フライパン用

数年前に野鳥観察が趣味になってから、海洋汚染をより意識するようになり、できる範囲で「生活の中で使うプラスチックを減らしたい」「洗剤の使用量を減らしたい」と思うようになりました。

食器を洗う時には、プラスチックのスポンジを使うのをやめ、びわこふきんに。洗剤を使わずお湯だけで油汚れがしっかり落ちるので使用感にも満足しているのですが、唯一気になるのがザル類を洗う時。ふきんだと、細かい網目汚れをうまく洗えないんですよね。

プチバスケット13cmしゅろのやさしいたわし むすび

そこで救世主になったのが棕櫚のたわし、今年当店でも取り扱いを始めた高田耕造商店の「むすび」です。むすびでザルをこすってみると、もともとこんなものだと思っていたステンレスの色が、きらっと輝きを取り戻しました。想像以上にちゃんと洗えていなかったようです……。

左からすくいやすく注ぎやすいレードルちょい茶こしプチバスケット藤井器物製作所の計量カップセット(小)

特に洗米のために毎日使っているプチバスケットや、お茶を淹れる時に使っているちょい茶こしは、網目がとっても小さいザル。棕櫚の柔らかい繊維が細かい隙間にもしっかり入り込んで、汚れをきれいに掻き出してくれます。

「たわし」はこれまであまり縁がなく使ってこなかった道具だったのですが、使い始めるとこれが本当に便利。野菜の泥落とし、木のまな板を洗う時、すりばちなど細かい凹凸がある道具を洗う時には特に欠かせないものになりました。昔ながらの日本の台所道具なだけあるな〜〜と感心。

奥から紐付きササラ 15cmしゅろのやさしいたわし フライパン用

鉄のフライパンを洗うのには、これまで竹のささらを使っていたのですが、高田耕造商店の高田さんに「竹のささらは元々ひとつの中華鍋で次々と料理を作る時に、合間にさっと洗うために使う道具だからね。油分を残して手早く洗うのにはいいけど、家庭で使う鉄フライパンをすっきり洗うのにはたわしが向いてるよ」と教えていただき、フライパン用の柄付きたわしを使いはじめたところ、これもまた良い。接触面もささらよりも広くて一度に広い面積を洗えてとても楽でした。使った後のフライパンでお湯を沸かしてからシンクでしゃかしゃか洗うのですが、柄が長い分、熱湯からの距離が取れて安心して洗えます。

廃盤になるまで買い続ける、コスパ抜群クリーナー

次にご紹介したいのが、GREEN MOTIONの「エコキッチンクリーナー リフィル」。我が家ではコンロまわりの油汚れ落とし、食事後のダイニングテーブル拭きはこの1本でまかなっています。

実はかれこれ10年ほど、ほぼ毎日愛用し続けているアイテムなのですが、リフィルを購入するのは4度目。1本あたり約2.5年くらい持っている計算になります。毎日使っているのに!?と驚かれると思いますが、こちらのリフィルはキャップ2杯分を水で薄めて使うもの。なんとリフィル1つで200mlのスプレーボトル15本分になるのです。

つかい手からも「次の購入いつになるかな…」なんて声をいただいてますが、本当にその通りで、全く減りません。スタイルストアで個人的に買い物をする時、送料に困ったらとりあえずこの商品をカートに入れるのですが、あまりに減らないのでどんどん貯まっていく→ちょっとしたお礼として人に差し上げるという布教を続けています。消耗品の洗剤に2500円超えとなると、ちょっとお高く感じられますが、スプレー1本あたりで換算すると約170円。こんなにコスパの良いクリーナーはそうそうないのでは?と思います。

コスパの良さを語ってきましたが、油落ちの良さも抜群。食器用洗剤としてももちろん使えるのですが、おすすめはコンロまわりの掃除。成分のほとんどが水なのに、吹き付けてキッチンペーパーでさっと拭くだけで油跳ねのベタベタが見事に落ちます。青森ヒバの香りも心地よく、洗剤を使っている感じがしないのもお気に入りポイント。この商品は廃盤になるまで買い続けるんじゃないかなと思います。

↑希釈せず使えるスプレータイプもありますが、コスパ的には断然リフィルがおすすめです。

欠けても大丈夫と思わせてくれる、金継ぎスターターキット

こちらは厳密には今年買ったものではないのですが、今年も大活躍してくれたので紹介したいと思います。割れたり欠けたりした器を、自分の手で継ぐことができる金継ぎのセットです。

本来の金継ぎは、漆を乾かしたり接着したりと、とても時間がかかるもの。でもこのセットは、割れの接着や欠けの穴埋めに専用の樹脂を使うことで、作業の手間をぐっと短縮できます。それでいて、仕上げには本物の絵漆を使うので、食品を入れる器にも安心。金継ぎ初心者には本当に心強い道具です。

これまでにも愛用品としてコラムでご紹介したことがありますが、今年もまた、うっかり器の縁を欠けさせてしまうことが何度かあり、その度にこのセットが頼もしい相棒になってくれました。漆の乾燥には2週間ほどかかりますが、実際の作業は2〜3時間ほど。週末、時間があるタイミングで作業さえしてしまえば、あとは乾燥を待つだけで直せるのもいいところです。

縁を欠けさせてしまったマグカップ

これまでは愛用の器を欠けさせると「やってしまった……」とかなり凹んでいたのですが、この金継ぎセットがあるとなんとかなると思えるので、これまでよりも落ち込まなくなりました(そもそも器を傷つけないよう気をつけないといけないのですが……)。

また、古い器を使ったり、骨董市で探したりするのが好きなのですが、多少の欠けがあっても「直して使おう」と思えるのがうれしいところ。手をかけるほどに、その器への愛着が増していく感覚があります。

練習用の器を含めて、これまで6〜7点ほど直しましたが、十分に漆も樹脂も残っていて、まだいくつか継げそうです。筆やへら、漆を広げるための簡易定盤など、基本の道具はすべてこのセットで揃うので、材料がなくなったら必要なものだけを買い足せば、長く使い続けられます。

使う前も使ってからも、わからないことが出てきがちな金継ぎ。このセットに関しては、これまでにつかい手の方からいただいた質問をまとめたコラムも用意しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

以上、今年は「道具を整える」ための買ってよかったものをご紹介しました。引き続き、長く使うことができる道具をみなさまにご紹介していきたいなと思っておりますので、来年度もよろしくお願いいたします!

このコラムを書いた人

畠田 有香

スタイルストア バイヤー

畠田 有香

ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。