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伝統と革新が生み出す美しい「有田焼」の器
佐賀県で生まれた和食器の「有田焼」
「伊万里(いまり)」の呼び名も
佐賀県有田町を中心に作られている和食器といえば、「有田焼」。その歴史は古く、有田では610年代より磁器の生産が行われています。当時、器の出荷は伊万里港からだったため「伊万里焼」とも呼ばれています。特に海外では「Imari」の呼び名で定着。早くから海外への輸出を見据えた製品づくりをしていた有田焼では、赤を印象的に使った柿右衛門様式や金彩をほどこした金襴手などでもよく知られています。
これまでにない有田焼を
400年近い歴史をもつ「有田焼」ですが、その伝統の技術を現代のライフスタイルにフィットするデザインやアイテムと結びつける動きが近年高まっています。その代表が、「有田焼」の産地商社である「KIHARA(株式会社キハラ)」です。
シンプルでモダンな有田焼を追求する「KIHARA」
見て楽しく、使って満足、一度使うと次に使うのが楽しみに
「KIHARA」のコンセプトは、「見て楽しく、使って満足な器、一度使うと次に使うのが楽しみになる器」。長い歴史が受け継いできた伝統の職人技と、明るくポップな現代的デザインを融合させたアイテムは、多くの支持を集めています。数多くのコラボレーションやプロデュースを通して、「有田焼」の新しい可能性を提示してくれる「KIHARA」。たとえばこちらの「TOKYO ICON プレート」は、ブルーの呉須で描かれた線画が楽しいプレート。お相撲や招き猫、浅草寺雷門の大きな提灯、東京タワーなどたくさんのアイコンがデザインされ、海外へのお土産としても人気があります。
伝統の小紋柄を現代に
「KIHARA」の日本の伝統的な小紋柄を写した「KOMON」シリーズは、きっぱりとした呉須のブルーと白磁のホワイトの組み合わせがモダンです。5つの柄がセットになった「KOMON 取皿 5種セット」は、子宝や財産に恵まれる吉祥文様でもある「七宝」や女性の護符にもなる「青海波」、子どもの成長を願う「麻の葉」に福を救いとる「網目」、縁起の良い「矢羽根」をそれぞれ直径15cmのお皿にデザイン。結婚式の引き出物としても人気のあるセットです。
黒鉄砂を使ったモダンな黒い器
「KIHARA」の「有田焼」には、マットな質感のプレートもあります。「SQUARE 角皿 」と称されるシリーズは、黒鉄砂を使ったモダンな黒い器と古白磁の技法で作られた白の2色展開。和食器のイメージをくつがえすシンプルなデザインが魅力的です。正方形と長方形のほかに六角形や菊の花、帰郷の花の形などバリエーション豊かな形がそろっています。
古白磁の和食器は、ほんのりとグレーがかった白がやわらかな印象。小さなお皿や小鉢におかずを少しずつ盛り付けて、料亭気分も楽しめそう。おうちカフェの時間には、スイーツをちょこんとのせても可愛いですね。
陶器のお重でハレの日を演出
「KIHARA]では、有田焼のお重もつくられています。おせち料理を入れるお重といえば漆の塗り物が一般的ですが、シンプルでモダンな有田焼のお重はさまざまなハレの日を美しく演出してくれます。
「松華堂 お重」という名前の通り、1段は仕切りで2つに分かれる構造。テーブルの上の配置によって、いろいろな表情が楽しめそう。フタもお皿として使うことができます。色は、藍色と白の2色展開です。
新しい挑戦として生まれた「有田HOUEN」
和食器の普遍的な形を求めて
続いてご紹介する「有田HOUEN」は、和食器の普遍的な形を求めて「KIHARA」が生み出したブランドの1つ。シンプルなスタイルが、現代のライフスタイルにマッチしています。和食にも洋食にも、中華料理屋スイーツにも使える万能さが優秀。こちらは「KM」と名付けられたシリーズ。サイズや形のバリエーションをすべてそろえたくなるほど魅力的です。
リバーシブルに使えるお皿
こちらは「HY-T」と名付けられたシリーズ。「ひねる」をテーマにしたものと「波」をデザインしたものの2パターンがあります。「波」のプレートはリバーシブルに使うことができる不思議なお皿。生春巻きやお鮨などをラインで「波」が表現されている側に盛り付けると、板皿のような雰囲気に。テーブルにリズムを生み出してくれるアイテムです。
ネーミングも可愛い「フタフタ」
新しい蓋物として開発されたのが、シンプルでキュートな「フタフタ」。白磁のつるりとした質感や、コロンとしたフタのつまみのデザインが魅力的です。「新しい和のWAN」をテーマにデザインされた器です。中に何を盛り付けようか、考えるだけでワクワクしてきますね。
組み合わせて使いたいセット
「有田HOUEN」の「ギフトセット」は、使い勝手のいい角小皿が4枚セットになっています。フォルムのデザインは小泉誠さんが担当。白の無地とランダムな水玉模様が描かれた小皿が2枚ずつ入っているので、組み合わせを楽しんで。
モダン・ラグジュアリーに昇華した「ARITA PORCELAIN LAB」
器の普遍的な形を求めて
「ARITA PORCELAIN LAB(アリタポーセリンラボ)」も「KIHARA」のプロジェクトの1つ。1804年に創業された「有田焼」の老舗窯元「弥左エ門窯」のモダンでラグジュアリーな磁器を作り出しています。「しょうゆ差し 錆中千段」には、佐賀県にある窯業技術センターが開発した”撥水性セラミックス”がコーティングされています。そのため、後引きや液だれを防ぐことに成功。「有田焼」の伝統を受け継いだ技術力が、モダンなデザインと機能性を兼ね備えた美しい和食器を生み出したといえるでしょう。
家族の分をそろえたくなるごはん茶碗
「ARITA PORCELAIN LAB」では、すっきりとしたフォルムが美しいごはん茶碗もあります。細いボーダーがマリンな雰囲気の「飯碗 呉須千段赤」のほかに、「錆中千段」と「独楽筋」の3パターン。カラーは赤と藍色の2色。家族みんなの分をそろえたくなるキュートなごはん茶碗ですね。
ごはん茶碗と同じデザインでひとまわり大きな丼も作られています。ごはん茶碗とセットで使ってもOK。スタッキングして収納できる点もうれしいところ。海鮮丼や親子丼などの丼物のほかに、うどんやラーメンなどの麺類にもオススメです。
ほかにもこんな有田焼が!
ヤマト陶磁器のオリーブオイル用の小皿
「olivita(オリビータ)」と名付けられた小皿は、オリーブオイル用。おいしいパンにつけたり、サラダに使ったりとオリーブオイルは大活躍。葉っぱの形の小皿に黄金色に輝くとろりとしたオリーブオイルを注いでテーブルへサーブすると、一気におしゃれなイタリアンな雰囲気が高まります。
馬渕晃氏の薬味入れ
「黄釉 一味」と名付けられたシンプルな薬味入れも有田焼です。建築家でもありながらさまざまなデザインを発表している馬淵晃さんが、初めて「有田焼」に挑戦したのがこちら。上がすぼまっているので、上から見ると漢字の一の形になったユニークな薬味入れです。ぽってりとした質感のある黄色い釉は、テーブルを明るくしてくれそうですね。
宝石のような有田焼
やわらかなパステルカラーがかわいい小皿は「Floyd」による「Arita Jewel Round 3個セット」。その名の通り、宝石のように愛らしく美しい豆皿には、新しく開発された「結晶釉」が使われているそう。ピンクとオレンジ、そしてグリーンの3色があり、形はOctagon(オクタゴン:八角形)とRound(ラウンド:円形)の2パターン。画像のように、アクセサリートレイとしても使えるキュートさです。
伝統と革新が融合したモダンな「有田焼」
長い歴史を持つ「有田焼」は、デザインと職人さんの確かな技術を融合させ、それぞれの時代に合わせた新しいアイテムを生み出してきました。今回は、新しい「有田焼」を積極的に提示している「KIHARA」を中心に、現代のライフスタイルにフィットするモダンで美しい和食器をピックアップ。シンプルでモダンで、ラグジュアリーな和食器は、毎日の食卓を美しくしつらえてくれる強い味方です。
インテリアをはじめ、雑貨やファッション、アートなど美しいものが大好きです。夫と二人の息子、犬と猫と一緒に暮らしています。