バイヤーからのお便り

つくり手に聞きました!金継ぎスターターセットQ&A

2025年10月14日更新

こんにちは、バイヤーの畠田です。

当店でお取り扱いしている「金継ぎスターターセット」。金継ぎを初めて行う方向けのセットのため、つかい手からも購入前・購入後にさまざまな質問をいただきます。今までいただいたご質問と、つくり手の回答をQ&Aにまとめました。

Q1 開封後の使用期限について
Q2 内容量について
Q3 既に接着剤で付けた器を、継ぎ直したい
Q4 途中で樹脂が固まってしまう
Q5 欠片が足りず隙間ができてしまう
Q6 樹脂を塗りましたが、説明書のようにはみ出ません

Q1 開封後の使用期限について

練習用を使ってから、自分の本番用の器を継ぐまでに期間があきそうです。開封してから使用期限はありますか?

明確な使用期限はございませんが、絵漆と専用樹脂は乾燥により硬化してしまうことがあるため、きちんとキャップを閉めて保管をいただくようにお願いいたします。

Q2 内容量について

割れた器が自宅に複数あります。練習用の器以外にも、自分の器を継げる量の素材が入っていますか?

練習後にもご使用いただける分量になっています。ご自身の継ぐ器の大きさや練習に使われる量にもよるため、何個くらいと明言はできないのですが、確実に2〜3個は継げるくらいの量は入っているかと思います。

Q3 既に接着剤で付けた器を、継ぎ直したい

昔、割れた部分を接着剤などで付けてそのままにしている器があります。それを、金継ぎするためには、一度接着部分を外し(割り?)、スターターキットの要領で初めからする必要がありますか?接着剤のまま(今のまま)漆だけを塗ることは不可能でしょうか。

通常、接着剤を除去してから、スターターセットの内容に沿って金継ぎします。
どうしても接着剤の除去が難しい場合、そのまま上から作業することになります。
ただ、接着剤が漆と相性が悪いようなもので無いことが重要です。
(相性が悪い場合、いつまでたっても漆が乾かないといった症状がおこる可能性がございます)
接着剤の除去につきましては、サンドペーパーなどで削り取るなどの方法が一般的ですが、樹脂の接着強度はそれなりにありますので、しっかりとくっついているのであれば剥がさずに作業を進めて頂く方が良いと思います。

Q4 途中で樹脂が固まってしまう

塗っている途中で樹脂がかたまってしまい、塗れなくなります。コツはありますでしょうか?

樹脂の硬化を遅くすることはできないため、手早く塗りつけて頂く必要があります。
「きれいに塗りつける」ことよりも「樹脂を確実に塗る」ことを念頭において作業して頂くと良いかもしれません。等間隔で点々と樹脂を盛ってそれを均すように平らにする、など塗り方を工夫するのも大事です。

Q5 欠片が足りず隙間ができてしまう

細かく割れてしまったため、欠片を繋いでも隙間ができてしまう状態です。それでも金継ぎ可能ですか?

多少は樹脂で足りない部分を補うことが可能です。
説明書記載の「欠けのお直し」の手順で進めて頂ければ大丈夫です。欠損部分の造形は割れの接着の後に行ってください。

Q6 樹脂を塗っても、説明書のようにはみ出ない

練習用の樹脂はうまくできましたが、実戦では樹脂がうまくはみ出ませんでした。中はつながっているようですが、外側に隙間ができます。何かコツはありますか?

くっつけたときに樹脂がはみ出てこない原因は、大きく分けて2パターンあるかと思われます。

①接着の際に塗りつける樹脂の量が少ないことが理由
くっつける断面の両側に樹脂を塗ってからくっつけると、しっかりとはみ出してくるくらいになります。

②くっつけるときの力が弱いことが理由
くっつける際は、樹脂がはみ出てくるくらいぎゅっと強く押さえる必要があります。 しっかりと両面に樹脂を塗っておられてもはみだしが無い場合は、この押さえる力が弱いのかもしれません。

どちらのパターンかご確認の上、樹脂の量と力を調整してみてくださいね。



以上、金継ぎスターターセットQ&Aでした。他にも、使ってみての疑問や、購入前のお悩みの点がありましたらお気軽にお問い合わせくださいね。

このコラムを書いた人

畠田 有香

スタイルストア バイヤー

畠田 有香

ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。