バイヤーからのお便り
背筋がすっと伸びるジェンダーレスなジュエリー
この夏、素敵なジュエリーブランドに出会いました。シルバー素材を使ったジュエリーブランドは世の中に数多くあるので、なかなかブランドの個を際立たせるのは難しいなと日々感じるのですが、そんななか出会ったのが、Philliamm(フィリアム)です。
阪本真幸さん、美鈴さん夫婦が手掛けるこのブランドのジュエリーは、年齢や性別を特定しない凛とした佇まいでありながら、日常使い出来る程よいデザインが特徴です。初めてラインナップを見た時に、この絶妙なバランス感を持つジュエリーは、なかなか見つからないと感じました。
身につけるとすっと背筋が伸びるような、男性ものでも女性ものでもないジェンダーレスなデザインのジュエリーをご紹介します。
ブランドの象徴でもある撚り線のリング
まずご紹介するのは、2本の細いシルバー線を撚りながら作り上げたリングです。
2本の線を撚るデザインは、Philliammのブランドのロゴや、ジュエリーのデザインにも多く取り入れられています。
海外の美術館の装飾や国内の神聖な場所の多くには、撚り線が多く用いられています。神社などだとしめ縄もその一つです。
実は撚り線は、結びつきを強固にしたり、何かを守ってくれたり、繋げてくれたりする、そんな意味を持つと言われているモチーフ。だからこそ、身につけた人に、素敵な出来事が起こるようにと考えられているんです。
center-twist ring Sは、細めの平打ちリングの中央に、細い撚り線をはめ込んだデザインです。
平打ちリングの上に、撚り線を溶接するのではなく、撚り線と同じ幅の空間を開けて、そこに撚り線をはめ込んでいるのがわかります。
ぱっと見ではわかりづらい仕様にあえてこだわり、手をかけて丁寧に作っているからこそ、特別感が漂うのかもしれません。
fate ring Sは、平らな部分と撚り線が交互にくるデザイン。離れてもまた一つになる日が来る。そんなご縁をイメージしています。
撚り線部分をトップにしても平らな方をトップにしてもお使い頂けます。
耳をスタイリッシュに飾るイヤーカフ
続いてご紹介するのは、イヤーカフです。
ここ数年続くマスク生活で、ピアスやイヤリングよりも需要が高まったのが、イヤーカフです。マスク紐に引っ掛からないので、様々なブランドがイヤーカフを作ってきました。
中でもPhilliammのイヤーカフの特徴は、小ぶりなのにしっかりと存在感を示すところです。
cashew nuts cuffは、その名の通り、カシューナッツのような丸いフォルム。
細くなっていく側と太いままで終わる側の両端でデザインが違うので、前後逆にして雰囲気を変えてお使いいただけます。
twist cross cuffは、リング同様に撚り線を用いたデザインです。
小ぶりですが、撚り線が繊細に光を拾い、キラキラと存在感を放ちます。
デザイナーの阪本さんは、ブライダルジュエリーを手掛けていた職人でもありました。身につける人にとって、一生大切にしたいリングを作ってきたからこそ、見えない所にまでこだわり、しっかりと作り込んでいるのかもしれません。
効率とは一線を引き、丁寧に最後まで美しく仕上げられたジュエリーを身につけた時に、すっと背筋が伸びる感覚を味わっていただきたいなと思います。
ショッピングユニットでバイヤーをしています。
スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。