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常滑焼や信楽焼のシンプルモダンな和食器を選びたい
シンプルモダンな和食器でテーブルを美しく
“和”にも”洋”にもフィットする和食器が欲しい
日本の家庭の食卓は、実に多様なメニューが並びます。ごはんにお味噌汁、焼き魚といった和定食風の夜ごはんもあれば、パスタやピザなどのイタリアン、オーブンを使ったグラタンやくつくつ煮込んだシチューはヨーロピアン・スタイル。シリアルの朝ごはんはアメリカンといったところでしょうか。
食事をするテーブルも、ダイニングテーブルやローテーブル、キッチンカウンターなど実にさまざま。そんな現代のライフスタイルに合わせたい和食器は、シンプルでモダンなもの。”和”にも”洋”にもフィットする和食器が欲しいと思っている人は多いはずです。
今回はスタイルストアで取り扱っている和食器の中から、常滑焼や九谷焼、伊賀焼などをピックアップ。シンプルモダンな和食器を集めてみました。
常滑焼の炻器で作った急須
モノトーンがモダンな雰囲気に
最初にご紹介するのは、日本各地の職人さんたちとのコラボレーションで知られる「東屋」の「小急須 後手 極細」。こちらの急須は常滑焼の職人さんと作り上げたそうです。常滑焼といえば、愛知県常滑市周辺で作られており、日本六古窯の1つに数えられる歴史ある焼き物。ちなみに、平安時代後期から焼き物を生産していた常滑・瀬戸・信楽・越前・丹波・備前の6つの産地が日本六古窯と呼ばれています。
常滑焼の特徴は、陶器と磁器の中間のような「炻器(せっき)」を生産していること。炻器は、英語ではStone ware(ストーン・ウェア)と称され、地肌の質感を生かし釉薬をかけたり図柄を絵付けしたりしません。そのため、現代のライフスタイルになじみやすいスタイリッシュでクールな器が多いのです。東屋の小急須も、シンプルなフォルムがモダンな印象。洋風のインテリアにも、無理なくなじんでくれそうです。
東屋には、小急須のほかに「丸急須 後手 烏泥」もあります。名前の通り丸みを帯びたやさしい形の急須です。炻器の急須は、釉がかかっていないためお茶の香りをよく吸収するのだそう。使い込んでいくうちにより香りに深みのあるお茶を入れることができるなんて、すてきですよね。丸急須には、茶こしの目の粗さが2種類用意されています。日本茶なら極細(ごくささ)、紅茶や中国茶には並細(なみざさ)が良いそうです。
テーブルに花を咲かせる「九谷焼」の桜
「hiracle(ヒラクル)」の桜小皿
石川県金沢に伝わる「九谷焼」で作られた「桜小皿」は、お醤油やオリーブオイルなどの液体をのせるとご覧のように桜の花の形が浮かび上がります。淡いピンクと透き通るようなホワイトの2色展開は、そのまま本物の桜の花色に通じますね。小さなお皿でテーブルに春を呼び込んでみませんか。
hiracleでは桜小皿に桜豆皿をセットにしたタイプもあります。こちらは桜の花をそのままかたどったロマンティックなデザイン。塩や柚子胡椒など粒状の調味料などにどうぞ。
マイナスイオンを発生させる伊賀焼のボトル
お水やお酒をまろやかに
スタイリッシュな「iボトルフィット 玄水」は、三重県伊賀市に窯を持つ「長谷園」のもの。1300年前、奈良時代からはじまったとされる伊賀焼は、周辺から採れる陶土と窯の燃料となる赤松が豊富な土地柄のおかげで長く良質な焼き物を作ってきました。
伊賀周辺で採れる陶土は、およそ400万年前の古琵琶湖層と呼ばれる地層から掘り出されます。その中には、生物や植物の遺骸が含まれているのですが、高温の窯で焼成することで遺骸が燃え尽き、小さな気孔となります。この気孔が遠赤外線効果を発するのだとか。
「iボトルフィット 玄水」は、そんな伊賀焼で作られたボトル。内側にラジウム系の鉱石が仕込まれているため、マイナスイオンを発生させるボトルです。ボトルにお水やお酒を入れておくと味がまろやかに。前日からボトルの中に焼酎とお水を入れておく「前日割」という方法もおススメです。モダンでスタイリッシュなモノトーンカラーも魅力的。テーブルにそのまま出してもサマになりますね。
急須の技術を活かした保存容器
鈴鹿山脈のふもとで作られる器
三重県菰野町の御在所岳の麓にある「山口陶器」のブランド「かもしか道具店」では、急須を作る技術を活かして「おともの器 」を製作しています。急須を作るために使う陶土は、きめが細かくしっかりと固くしまる性質のもの。おともの器もそうした土を素材とし、すっきりとシンプルな形に仕上げています。
さらに、急須づくりで大切なことは、お茶が漏れないようフタと本体がぴったりフィットすること。これは、成形の段階からフタと本体をセットで作ることで微妙な調整を繰り返して完成させる技術だそうです。そのため、1つの本体に完全にフィットするフタは1つしかありません。
おともの器は、梅干しやちりめんじゃこなどの保存食にぴったりの器です。フタがぴったりと閉まるので外気の侵入を防いでくれる保存容器なのです。ごはんのおともを保存するから「おともの器」というネーミングに。色は、白のほかに茶色に近い紫と、黒があります。
まだまだある美しくモダンな和食器たち
ほっこりミルク色の信楽焼
狸の置物で有名な「信楽焼(しがらきやき)」は、滋賀県で誕生した日本六古窯の1つ。周辺で採れる陶土は土の中に鉄分が含まれているため、窯入れして焼くと”火色”と呼ばれる赤い発色が見られます。石英や長石、珪砂などの粒が含まれている土は、焼き締めや粉引などさまざまな技術に対応。こちらの漬物壺には粉引の技術が使われています。とろりとしたホットミルクの色と、シャープな中にも温かみを感じるグレーの2色展開です。
お出かけするときも持っていきたいお茶セット
佐賀県嬉野市吉田皿地区にある「副正製陶所」が製作した「KISSAKI お出かけ茶器セット」は、その名の通り野外でもお出かけ先で気軽にお茶を楽しむことができるセットです。「副正製陶所」は、この地に伝わる備前吉田焼の窯元。日常使いができる和食器を中心に、新しいライフシーンにフィットする器を次々に生み出しています。
佐賀県の嬉野は焼き物のほかに日本茶の産地としても有名。嬉野茶と呼ばれる地元のお茶をおいしく飲むための茶器として「KISSAKI お出かけ茶器セット」は誕生しました。
嬉野茶は低温で淹れる玉露と70℃ほどのお湯で淹れる煎茶。そのため、高温で沸騰させたお湯を使うお茶には向いていません。2009年度にはグッドデザイン賞を受賞した美しい茶器セットです。
四万十のヒノキと陶器のセット
こちらは「TOSARYU(土佐龍)」の「キョウトプレート 2皿」。TOSARYUは「すべてを活かす」をコンセプトに、四万十のヒノキを素材にした製品づくりを行っているブランドです。キョウトプレートは、ヒノキのトレーにくぼみを作り、そこにぴったりとはまるサイズの陶器の角皿をセットにしたアイテム。
やや深みのある角皿は、小鉢のような使い方もできます。多少の汁気がある煮物にもOK。1人ずつおかずを盛り合わせてもよし、薬味皿としてテーブルセンターに置いてもよし。お料理に合わせて多様な使い方ができる器です。
アクセサリーや腕時計などの置き場所として使うこともできます。ヒノキの独特のさわやかな香りと、真っ白い陶器のコンビネーションは、すがすがしい印象を与えてくれることでしょう。
どんなお料理にもなじむ和食器を
日本は「日本六古窯」に代表されるように、古くから焼き物の製作が盛んに行なわれていました。全国各地に焼き物の窯元があり、それぞれ周辺で採れる陶土を使い、気候風土に合わせた器を焼いています。現代の多様化したライフスタイルに合わせた器づくりに力を入れている窯元も増えているようです。
伝統の技とモダンなデザインが融合した和食器は、どんなお料理にもどんなインテリアにもフィットしてくれる頼もしいアイテムといえそうです。
インテリアをはじめ、雑貨やファッション、アートなど美しいものが大好きです。夫と二人の息子、犬と猫と一緒に暮らしています。