インタビュー&ゲストコラム
【あの人の暮らしぶり】主役は「料理」。宇南山加子さんが選ぶ器とおもてなしレシピ
数々のプロダクトデザインを手がける
「SyuRo(シュロ)」宇南山さんの
暮らしぶり第2話。
今回は、SyuRoの新作の器について、
開発エピソードとともに、
つくり手の間でも「料理上手」と評判の
宇南山さんに“おもてなし”レシピを
教えていただきました。
今日から作りたくなる手軽なひと品と
それを引き立ててくれるお皿をご紹介します。
「石のような器を作ってみたい」
空間を美しくしつらえるデザイナーとして
宇南山さんは数々の生活用品の企画や
空間プロデュースを手がけられてきました。
そんなある日、パリの知人から
緑茶も紅茶も飲めるような
「ポット(日本でいう急須)」を
一緒に企画してみたいという依頼があったそう。
ちょうど器を作りたいと考えていた
宇南山さんは、国内の窯元さんを探す中で
「炻器(せっき)」という焼き物に出会いました。
石のような鉄のような、
出会ったことのない素材を見て、
「これで皿ができたらかっこいい。」
そう思った宇南山さんは、
新たなチャレンジを提案。
そこで、1年かけて作ったのが、
SyuRoの新作の「炻器(せっき)」です。
家でいつも使える「スタンダード」を作りたい
「使い勝手がいいものって、なんとなく
いつも決まってしまいがち。
でも、かっこよくて、料理の見栄えを
美しくする定番として、日常使いにぴったりの
スタンダードな器を作りたかった。」
と話す宇南山さん。
石や鉄のような、どっしりとした存在感。
炻器(せっき)は、いつもの定番料理を
美味しそうに見せてくれ、食卓の
雰囲気を上質にしてくれます。
また、スタッキングもしやすく、
使い勝手が良いのも魅力です。
鉄分が多く含まれた粘土を焼き締めると
吸水性のない固い器になるのだそう。
見た目以上に軽く、手になじみ、
とても使いやすいデザインです。
白、グレー、黒の3色のグラデーションが
綺麗で、飾っても美しいシリーズです。
主役は「料理」。だからシンプルを大切にした
この器をデザインする時、
「1日のメニューを考えながら、
いつも使える定番とは何か」を
考え抜いて作ったという宇南山さん。
「手の込んだ料理ではなくても、
食材の色の美しさを引き立てたかった。
料理を主体としながらも、皿の色や
素材も経年変化で楽しめるものにしました。」
(宇南山さん)
その結果、モノトーンの
グラデーションに行き着いたと言います。
重ねた時の美しさも魅力のひとつ。
食事する時から収納まで、
器を手に取る一瞬一瞬に
楽しみを感じさせてくれます。
今回は、宇南山さんに、このSyuRoの器に
ぴったりのおもてなしレシピを
ご紹介いただきました!
「じゃがいもと白身魚のスープ」
<材料>
じゃがいも(2-3個)
白身魚(タラ)(1切れ)
ローズマリー
牛乳(適量)
オリーブオイル(適量)
塩(適量)
<作り方>
皮をむいたじゃがいも、白身魚(タラ)を
一口サイズに切る(A)。
鍋にオリーブオイルを入れ、
(A)とローズマリーを加えて、
塩をふり、じゃがいもを蒸し焼きにする。
鍋に水を入れ、ふたをして、
具材がやわらかくなったら
牛乳でとろみをつける。
最後に泡立てた牛乳か生クリームを添えて
香りづけにトリュフ塩をひとふり。
「ぶどうとクレソンのサラダ」
<材料>※具材は人数とお好みに応じて。
マスカット
あんぽ柿
クレソン
豆腐
くるみ
ドレッシング(A)
—オリーブオイル(適量)
—バルサミコ(適量)
—塩(適量)
<作り方>
ぶどうは皮のまま、縦半分に切る。
あんぽ柿は一口大に、
クレソンは2-3cm幅に切る。
豆腐は、一晩水切りしておく。
マスカットとあんぽ柿、クレソンを加え、
砕いたくるみと豆腐を(A)で和える。
お皿は、料理を盛り付けるだけではなく
料理を引き立てるもの。
そんなことを意識すると、
キッチンに立つ時間も
より充実しそうですね。
イベントシーズンも到来。
毎日食卓をともにするご家族や、
ご自宅に招いたお客さまと一緒に、
ぜひ料理や器の美しさを
楽しんでみてください。
次回は、字南山さんのご自宅に伺い
こだわりの器や大切にしているアイテム、
インテリアのこだわりをご紹介します。
どうぞお楽しみに。
「あの人の暮らしぶり」
SyuRo 宇南山加子さん編