こんにちは、バイヤー加藤です。

エンゲイシャツでおなじみ、「生活の道具としての服」を体現するつくり手、motone（モートン）。新作が出るたびに、機能的なデザインと縫製の美しさにはっとします。毎日のように着て、お洗濯するからこそのしっかりした仕立ては、ファクトリーブランドならでは。そんなmotoneとの当店限定アイテムの制作は、いつもわくわくすることがいっぱいです。

motoneとの出会い

それはプルワンピースだったのですが、初めてmotoneの服を見たときのことは今でもはっきり覚えています。

「着やすそう！」と思ったのですが、その「着やすさ」が他の服とはどうも違うな、と感じました。

今までどんな洋服も、家の「外」で着ることを意識して選んできましたが、motoneの服は家の「中」でも着るイメージがどんどん湧いてきたのです。

朝起きてすぐにさっとかぶって、ご飯を作ったり掃除をしたり、デスクで仕事をしたり……あらゆるシーンを想像しても、「着やすそう！」という第一印象は変わらず。今まで家の中ではすぐにTシャツやスウェットパンツに着替えていた私にとってはかなり珍しいことでした。

プルワンピースはその後当店でも販売を開始し、瞬く間にベストセラーに（残念ながら生地が廃盤となり、在庫限りとなっています）。つかい手の「後ろボタンがとめにくい」という声をお伝えしたところ、すぐに仕様を変えていただき、私のブランドへの信頼感もますます高まりました。

当店限定アイテムの誕生

これまで、先行販売という形で「コットンリネンスタンダードワンピース」をご紹介したり、当店限定として「ノーカラーワンピース ストライプ」を制作してきました。

そして、今年新たな当店限定アイテムとして、「コットンリネンベーシックシャツ」が完成しました。

共同開発をする際は、「どうせなら、motoneで思いつかないような取り組みをしたい」と、スタイルストアらしさを尊重しながら色々な提案をしてくださるので、こちらも当店のつかい手像を考える良い機会となっています。

ちなみにつくり手の根本さんにスタイルストアのイメージをお聞きしたところ、「一言でいえば、OLかな」という予想外の返答が！

motoneはメンズアイテムの展開もあり、根本さんご自身も男性なので、スタイルストアで提案するコーディネートや色づかいが女性らしく感じられるそうで、それはご自分では考えつかないものなのだそうです。そして、そんな点こそが、スタイルストアとの取り組みで価値を感じる部分だと言います。

たとえば、「コットンリネンベーシックシャツ」では、当店のつかい手向けに、カラーバリエーションを豊富に揃えました。シャツでは珍しいライトピンク、イエローベージュ、ライトグリーンといったカラーをセレクトしたのですが、「ぴんときたカラーがあったらやったらいいと思います」と心強い後押しを頂きました。

お洗濯をするごとに柔らかく育つ丈夫な生地、袖口がずり落ちないリブ仕様といったmotoneらしさを残しつつ、家事をしている間やお出かけの際に気分が明るくなるような色づかいをプラスして、当店らしい1着ができたと思います。

仕立ての美しさ

motoneのアイテムは、どれも流行に左右されないベーシックなデザイン。「気がつくといつもこちらを着てしまいます。」というお声も頂くのですが、私は丁寧な縫製にもmotoneの素晴らしさがあると感じています。

一般的にはカジュアルなアイテムになるほど、つくりが雑でも仕方がないと思いがちですが、撮影でmotoneのアイテムを見るたびに、襟や裾など細部に至るまで縫製の美しさに目を奪われます。

motoneは福島県の縫製工場「サンユーニ」のファクトリーブランドです。サンユーニは、1989年の創業以来様々なブランドや素材のシャツの生産をしてきた、いわばシャツづくりのエキスパート。motoneのアイテムはどれも普段の生活の中で気を使わずに着るための服ですが、縫製のクオリティは実はとても高いのです。だから長く着ることができるんですね。

袖口のリブも、つくり手に連絡すれば交換することが可能です。こんなところもファクトリーブランドならではです。

代表アイテム「エンゲイシャツ」は、もともと園芸家の「こんなシャツがあったら」というリクエストに応えて誕生しました。そんなmotoneの服は、家事や仕事に寄り添ってくれる生活の道具としての服です。日々忙しく過ごすスタイルストアのつかい手にこそ、末永く愛用して頂けたら、そんな願いを込めて、これからもmotoneと様々なお取組みができたらと思っています。

今回ご紹介した商品のうち、プルワンピース、コットンリネンスタンダードワンピースは生地の廃盤が決まったため、在庫限りとなります。その他のアイテムもご好評を頂き在庫が僅かのものが多く申し訳ありませんが、再入荷時期は未定となっております。

加藤 紀子

ショッピングユニットでバイヤーをしています。衣食住にまつわるすべてのことに興味があります。暮らしを楽しみたいという気持ちを大切にしたいと思っています。