こんにちは、バイヤー楠です。暖房断ちをしている私が愛用している、「もちはだ」のハイソックスのお取り扱いが当店で始まりました。昨年の夏にこのソックスを知り、ひと冬自分で履いてみて、絶対に当店でお取り扱いしようと決めたアイテムです。決め手となったのは、洗濯を重ねても変わらない段違いのあたたかさと履きやすさ。起毛のパイオニアと呼ばれているブランドが「世界から寒いをなくす」と掲げて手掛けたソックスは、この冬の寒さを和らげるお手伝いをしてくれると思います。

鷲尾式起毛はどこが違うのか？

もちはだは、靴下の産地でもある兵庫県の加古川市に拠点を置く、ワシオ株式会社によるブランドです。肌にあたる部分を起毛させた「裏起毛」の先駆け的存在で、鷲尾式起毛と呼ばれるメーカーオリジナルの起毛を用いた代表的なブランドが「もちはだ」なんです。

もちはだの編地は、タオルのようにループ状になっているパイル編みと呼ばれるものです。一般的なスウェットの内側の状態をイメージするとわかりやすいかもしれません。このループは、中に空気を溜め込んで、生地に保温性とクッション性をもたらします。

このパイル編みに、一般的な方法で起毛処理をかけると、生地が毛羽立つと同時にループも破壊されてしまい、せっかくのループを活かすことができません。

では、もちはだに採用されている鷲尾式の起毛は、何が違うのかというと、このループを破壊せずに、上部だけを起毛していいるところです。それにより、起毛部分とループの両方に空気を溜めることができるので、段違いに保温力を持つ生地に仕上がります。

起毛によって生まれる厚い空気層は、外の冷たい空気を遮断し、体温を外に逃しません。あたたかさを保ちつつ、余分な汗は発散させるので、蒸れづらく快適なんです。

国民栄誉賞を受賞した冒険家・植村直己氏が、南極大陸大冒険の際に、選んだのもワシオの靴下だったそうです。実際に直己氏が南極大陸冒険の際に使用したアイテムがずらっと並ぶ植村直己冒険館で、もちはだの靴下が展示されていたことでわかったそうで、もちはださん側も驚いたんだとか。厳しい寒さと戦う冒険家が愛用しているという点からも、いかにこの靴下が温かいのかがわかりますね。

この靴下が唯一無二な理由

もちはだのハイソックスは、一般的な靴下よりも厚手です。あたたかさはもちろんですが、それ以外にも履き心地の良さが実感できるポイントがあるので、ご説明します。

ソックスの内側は、起毛によってふわふわで、柔らかい毛布のような肌触りです。履き口からつま先部分まですべて起毛されているので、足指までちゃんと暖かいのがいいですね。

こちらはソックスを平置きした状態ですが、一般的な靴下と違うのは、かかとがない筒状だというところ。幅広いサイズの足に合わせられるようにと、この型になったのだそうです。履き口と他2か所にのみゴム編みを採用することで、靴下がずれるのを防止しています。

ハイソックスは、つま先から足入れし、その後かかとを合わせて、ひざまで上げるという、何段階かの工程を踏むイメージでした。面倒くさがりの私は、それだけでハイソックスは敬遠していたのですが、このソックスはかかとを合わせる必要がありません。よく伸びるので一気に上まで引き上げる事ができます。意外とこれが楽で、愛用することになった理由のひとつかもしれません。

もちはだのラインナップ

ハイソックスと同時に販売開始になったのは、ロンクルシャツとショーパンです。

ロンクルシャツは長袖のクルーネックカットソーです。縦に2倍、横に3倍、斜めにも良く伸びるという生地は、あたたかいけど、アウターに響きにくいぎりぎりの厚み。

襟ぐりもパイピング仕様なので肌着感がなく、ジャケットのインナーなどにも着られます。

ショーパンも上のロンクルシャツと同じ生地なので、あたたかくてよく伸びます。こちらは、手持ちのショーツの上から重ね履きするタイプです。おなかやおしり、腰まわりをすっぽりと包んでしっかりとあたためます。

暑がりな私は、真冬でも過剰なあたたかさをもたらすインナーは避けています。もちはだは、かなりあたたかいのですが、過剰なあたたかさではなく、生地の加工に独自の工夫をすることで、体に負担やストレスをかけずに、あたたかさをもたらしてくれるのがいいんです。このもちはだが、みなさんの生活の中から寒さをなくしてくれるといいなと思います。

楠 美冴登

ショッピングユニットでバイヤーをしています。
スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。