こんにちは、バイヤー楠です。今年の夏に向けて作ったKilka（キルカ）の当店限定のプルオーバーが活躍する季節になりました。約4年前に販売をしたプルオーバーを復刻させたのですが、より着やすく、ストレスフリーなものにしようと、袖の丈や角度を改良して完成させたものなんです。このコラムでは、今回こだわった点や、着た人にもたらすお悩み解決ポイントを改めてご紹介します。

前回からの改良ポイント

4年前に販売した当初から、私たちバイヤーの間で「ばんざいプルオーバー」と呼ばれていたこちら。その理由は、袖が万歳をしているかのように上向きに付いているからです。袖の角度が上を向いていることで、腕を上げた時も袖の隙間から脇の下や中に着たインナーが見えない仕組み。これは、細やかな配慮を常にしている女性にとっては、かなりうれしいポイントだと思います。そういった配慮がされている素敵な夏のブラウスはありそうでないもの。当店がこのブラウスを復刻させようと思ったのは、それが理由でした。

ところが、今年用の生地でサンプルを制作してみたところ、問題が発生。試着をしたモデルさんや当店のスタッフがみな口を揃えて「腕が動かしづらい…」と言ったのです。どうやら生地が変わったことで、微妙なツッパリを感じる様子。そこで、袖部分の角度を微調整することにしたのです。

こちらは、このプルオーバーの制作のパートナーとなってくれたデザイナーさんとのやり取りの一部。平置きしたときの図をもとに、どう改良するかを決める際のイラストで、黒い線が改良前の袖、赤い線が改良後の袖です。この図を見ると、上向きに付いている袖の角度が、かなり緩やかになっているのがわかると思います。

何度も修正を重ねたのち完成したプルオーバーは、ツンと立ち上がって程よく主張する袖がとてもいい感じ。「Tシャツのようなラフさがなく、ちゃんとデザインがされているのがわかるブラウス」になっているのがわかります。

袖の角度を緩やかにすることで、袖口からわきの下やインナーが見えてしまっては本末転倒。そこも気を付けながら改良したので、この通り、気になる部分が見えてしまう事はなく、安心して着ていただけると思います。

汗っかきさんにおすすめの理由

肌離れのいいリネン混の生地は、真夏でも涼しく着られる服の条件です。でも、このプルオーバーは、その要素を満たす以上に、汗っかきさんにも喜んでもらえる要素があります。それが、ゆったりとしたオーバーシルエットだというところ。

バストが164cmなので、細身のモデルさんでなくても、ゆったりと着ることができるのですが、それがもたらすメリットが2つあるのです。1つは風通しがよく涼しいところ、そしてもう一つはさっと汗が拭けるという事です。

どんな服でも汗が拭けるでしょ？と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、ポイントは「手間をかけずにさっと拭ける」という点です。ここ数年は猛暑が続いているので、デオドラントシートを持ち歩く方も多いと思います。汗だらだらで外出から戻ったら、まずはシートで汗を拭きたいところ。さっとおトイレに駆け込んで、裾からばっと手を入れて、さっと体を拭けるのがいいんです。しかも拭いた後は、風通しがいいので涼しく、汗が引くスピードも他の服よりも早い！汗かきさんには、もってこいの服だと思います。

4月の末に販売開始をしてから、たちまち人気のアイテムとなったこのプルオーバーは、現在の在庫がなくなったら、次回入荷が6月の中旬以降となる予定です。5月も後半に突入しましたが、すでに夏の気配を感じるほどに暑い日もあります。今年の猛暑を快適に過ごすための定番服の準備を進めてみてはいかがですか。

楠 美冴登

ショッピングユニットでバイヤーをしています。
スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。