バイヤーからのお便り
【好評につき第2弾】すべて1点もの、高知から届く稀少な宝石珊瑚のブローチ
高知県が珊瑚の世界的な産地であることをご存知でしょうか?19世紀に、当時一粒でも舟一艘の価値があると言われていた、上質な血赤珊瑚が土佐湾沖で採れたことをきっかけに、高知での珊瑚漁が活発になったとされています。明治時代には、本場イタリアからバイヤーが高知へ買い付けに来るようになったそうです。
10月に初めてご紹介した、そんな貴重な珊瑚を細かな手作業で緻密に彫ったブローチはおかげさまで大好評。入荷したのがわずか14点のみということもあり、ほぼ全てが即日で完売する勢いでした。この貴重な珊瑚を分けてくださった高知県の珊瑚関係者の皆様も、当店のお客様が価値を理解してくださったことがとても嬉しかったとのこと。再び、大事に保管されてきたお品を分けて頂けることになりました。
ひとつひとつ違う表情を持つ、1点物の珊瑚は、昭和中期に高知県で彫られたものです。珊瑚専門の職人の手による彫りはため息ものの美しさ。現存する珊瑚を彫ることのできる職人は今やほんの数名だそう。珊瑚そのものの希少性と相まって、同じものを制作しようとしたら、販売価格は約3倍になると言われるほど貴重なブローチです。すべて1点ものとなり、同じものの再入荷はありません。
100年以上の月日をかけて深海で育つ稀少な珊瑚
希少なだけあって、私たちがアクセサリーショップで珊瑚をつかった商品を目にすることはあまりありませんが、実は珊瑚の宝飾品としての歴史はとても古いのだそう。
日本では、聖武天皇の王冠に珊瑚が飾られていたという記述があるそうです。世界的には地中海が珊瑚取引の中心地で、独特の赤い色合いから、お守りとして身に着ける習慣が各国に見られてきました。
今回ご紹介するブローチに使われている珊瑚は、ハワイ諸島の北西、東京から約4,100キロに位置するミッドウェイ産の「深海珊瑚(水深1,000m前後の深海で採れる珊瑚のこと)」。深海なのでかなりの水圧のもとで成長する珊瑚は、1年がかりで直径約0.3ミリしか育たないそうです。つまり宝飾品として加工できるようなレベルに成長するまでには100年以上の年月が必要になります。
気の遠くなるような時間を経て生み出された珊瑚は、時の流れに思いをはせながら身に着ける、そんな楽しみ方をできる成熟した当店のお客様にふさわしいアクセサリーだと思います。
特別に分けて頂いた、昭和中期の美しいブローチ
今回ご紹介するのは、大・小計33点のさまざまなモチーフのブローチです。
大サイズ
薔薇、さくらんぼ、小菊、ダリア、紫陽花の5つのモチーフをご用意しました。前回同様、モチーフは同じでも、それぞれデザインは異なる一点ものです。
薔薇は11種類と豊富に揃っていますが、それ以外のモチーフは1点ずつとなります。珊瑚の原木の形や色を生かして精緻に彫り出されたモチーフはどれも圧巻です。
存在感があるので、シンプルなトップスにつけるだけで、一気に華やいだ印象になります。
小サイズ
小は薔薇、チューリップ、ダリア、梅、椿、すずらん、日日草の5つのモチーフをご用意しました。こちらも薔薇は11種類と豊富ですが、それ以外のモチーフは1~2点のみとなります。
日日草やすずらん、梅といった楚々とした花のモチーフは柔らかで可憐なブローチに、また薔薇やダリア、椿は華やかな印象のブローチに仕上がっています。
お洋服はもちろん、帽子やストールにワンポイントとしてあしらうのもおすすめです。
色の出方、花の配置など、ひとつひとつ異なるので、自分だけの一つを選ぶことができるのは1点ものならでは。
腕のいい職人さんは、珊瑚の個体差や癖のようなものを読みながら、手加減しながら、花や葉の模様を彫っていきます。穴(自然に形成されるもので本来不良ではありません)が出てくれば、デザインの一部として一体化するように彫る。その調整力と造形力が腕の見せどころなのそうです。
高知で長く珊瑚商社として活躍されてきた会社の社長さんが、若い世代にも珊瑚の魅力を知ってほしい、海外に輸出するのではなく、やはり日本人に珊瑚を身に着けてほしいとの思いから、手元に保管していたコレクションの一部を提供してくださったことから実現した、1点ものブローチのご紹介です。
量産品のアクセサリーとは異なり、天然の素材を生かしながらひとつずつ丁寧に作られたブローチたちです。是非、世界にひとつだけの色合いや質感をいつくしんでいただけたらと思います。
大サイズ
小サイズ
ショッピングユニットでバイヤーをしています。衣食住にまつわるすべてのことに興味があります。暮らしを楽しみたいという気持ちを大切にしたいと思っています。