みんなの愛用品

楕円の飯台が活躍する、3つの理由

2022年11月30日更新

こんにちは、バイヤーの畠田です。

昨年、年末にかけて大活躍したのがさわらの飯台です。我が家では来客がある時に手巻き寿司を準備することが多いです。料理の準備をする手間がなく、いろんな食材さえ揃えておけば、大人も子供もわいわい楽しめて、各々好きなだけ食べられる、というのがその理由。

でも、いつも困っていたのが「テーブルの上の場所が足りない問題」と、「座った場所によって酢飯に手が届かない人がいる問題」でした。その両方を見事に解決してくれたのが、こちらのさわらの飯台。人が集う季節に、ぜひご覧いただきたい一品です。

どの席からも手が届きやすい

来客時に活躍する機会が多いこの飯台。必ずと言っていいほど、客人には「これ、すごくいいね!」と絶賛されます。いいねの理由は、見た目の華やかさだけではなく、その利便性。

楕円型だからこそ、テーブルの両端にいる人がどちらも届きます

手巻き寿司の時には、必ず海苔に酢飯を乗せるシーンがありますが、そこでいつも気になるのが、酢飯に手が届きにくい場所に座っている人のこと。少人数だと問題ないのですが、人数が少し多くなるとどうしても酢飯まで手が届きにくい人がでてしまいます。

そんな時でも、オーバル型のこの飯台は横に長い分、端に座っている人からも手が届きやすいのです。我が家の場合は、些細な違いかもしれませんが、丸じゃないだけでこんなに使いやすくなるんだ!と実感します。

酢飯の仕上がりが変わる

もうひとつの理由は、酢飯がおいしく仕上がること。わたしはこの飯台を使い始めるまでは寿司桶らしいものを持っておらず、酢飯をつくる時にはボウルで混ぜて、食卓には大きめの陶器の器に入れて出していました。特に不便をしていたわけではないのですが、この飯台を使いだしてから、酢飯の仕上がりがまるで違うのです。

理由はさわらの木が持つ吸水性。寿司酢を混ぜた時に余分な水分をしっかり吸い取ってくれるので水っぽくなりにくく、お米がべたっとせずつやつやに仕上がります。時間が経ってからもおいしい状態が長続きしますし、酢飯を作った後テーブルに出すと、それだけでテーブルがうんと華やかに。今では「酢飯を作る時はこれがないと始まらない!」と思います。

場所をとらず、ご飯も乾かない

様々な具材や取り皿が所狭しと並ぶテーブルの上、置き場が足りないこともしばしば。そんな時には、蓋の上に小さな器を載せることもできます。

実は、最初にこの使い方をしている写真を見た時には、正直なところ「こんな使い方するかな?」と半信半疑だったのですが、使ってみてとても便利なことに気が付きました。

ごちゃっとした作業台でも省スペースで置きやすい。

実際に飯台を使ってみると、蓋は半分開いているだけで中の酢飯を十分とることができるんですよね。むしろ、半分蓋を被せておいたほうが、酢飯の乾燥を防ぐことができます。ずらして置いた蓋も安定感があり、危なっかしい感じもしないので、小皿程度のものであれば全く問題なく載せることができました。

器でご飯を出した場合は、ご飯が残った時にラップをかける必要がありますが、こちらはご飯に手を伸ばす人が少なくなってきたら、さっと蓋を被せれば乾燥を防げて、また食べたい時は蓋を少しずらせばOK。蓋はかぶせ式ではなくあくまで載せるだけなので、「少しずらすだけで使える」「上に器が載せられる」という軽やかな使い方が実現しているんだと思います。

酢飯以外にも活躍する

寿司桶というと、「和」の印象が強いものがほとんどの中、こちらはとてもモダンな雰囲気。そのため、何かと活躍の機会が多く、「大きな木の器」といった感覚で使うことができます。たとえば、鍋物の具材を入れたり、サンドイッチを入れたり。和だけではなく、洋にも合う雰囲気を持ち合わせています。

モダンに感じる一番の理由は、底板の薄さと、タガの細さにあると思います。寿司桶というと一般的に、厚めの側板に、太いタガが2本ほど使われているものをイメージされる方が多いと思いますが、こちらは縁が非常に薄づくりで、タガも細いものが一本。全体的にとても繊細で華奢な印象です。

タガは桶を固定するためのものなので、これだけ細いタガ1本でしっかりと固定するのは至難の業。タガが外れにくくなるように、側板に溝を掘ってタガを埋め込んでいたり、ねじりタガにすることで、細いながらも強度を持たせたり、と様々な工夫が凝らされています。

つくり手の山一さんにお話を伺ったところ、オーバル型の桶を作るというのは前代未聞で、「そもそも作り方がわからない」というところからのスタートだったそう。小判型のように直線の箇所がある形とは異なり、すべて曲線、しかもカーブの具合が場所によって異なるオーバル型の桶を作るというのは非常に難しく、普通の桶とは異なる作り方をする必要があるため、木曽の職人さんでも作れる方は1~2人しかいらっしゃらないそうです。

和の道具でありながらも幅広い用途で使えるようにと、この形や仕様を提案された料理研究家の松田美智子先生のセンスと、それを実現することができたつくり手である山一さんの卓越した技術力、どちらが欠けても実現できなかった一品だと思います。

昨年の年の暮れは手毬寿司をつくったのですが、その時にも大活躍。ちなみに、飯台は小と大の2サイズあり、小はお米2合、大は4合が内容量の目安です。自宅で使っているのは「小」。テーブルで場所をとりすぎず、少人数の集まりが多い我が家にはちょうど良いサイズ感です。

人を招いて食卓を囲むシーンで、中心になってくれる楕円の飯台。今年の年末もお世話になりそうです。

このコラムを書いた人

畠田 有香

スタイルストア バイヤー

畠田 有香

ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。