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「つくり手オブジェの常夜灯」ができるまでの開発秘話

2020年11月03日更新

クリスマスになると飾る機会が多くなる、ツリーやオブジェたち。心を躍らせてくれる存在な一方で、一年の中で限られた期間だけしか日の目を浴びなかったり、大きいものだと場所を取るから収納の奥にしまい込んでしまったりと、活躍の機会が少なくなりがちだなと常々感じていました。

そこで考えたのが、「つくり手オブジェの常夜灯」という企画です。

季節を問わず飾ることができる。単なるオブジェとしてだけではなく、夜は明かりと組み合わせて使えば常夜灯になり、一日を通して楽しめる。コンパクトで置き場所を取らない。そういった、いつも部屋の片すみにいて心をほっとさせてくれるアイテムがあったら……。

そんな思いに共感してくださったつくり手のみなさんに、当店限定で個性豊かなオブジェを作っていただきました。こちらのコラムでは、どんな風にオブジェが生まれたのか、その開発エピソードをお届けします。

昼はオブジェ、夜は常夜灯。この企画のために生まれたつくり手オブジェ

「オブジェとして素敵なのはもちろん、明かりと組み合わせれば常夜灯として使える」。「明かりはLight Base(ライトベース)という小さな照明と組み合わせて、サイズがちょうど良いように、そしてオブジェの魅力がさらに際立つようなデザインで作って欲しい」。

そんな難易度の高めなお題をつくり手の方々にオーダーしてできたのが、7人のつくり手のオブジェです。

オブジェを下から照らしているのが、LED照明のLight Baseです(角 ウォールナット 2200K

試作品ができあがってくる度に、想像を超える発想力や細やかな配慮に驚くばかり。全力で向き合ってくれる誠実なスタンスに、わたしたちもつかい手として毎回心震えていました。

ここからは、それぞれのオブジェのテーマをもとにご紹介します。

建物の明かりが灯っているように見えるオブジェ

utatane/(左から)えんとつハウス満月の塔森の塔

うたたねの「森の塔」やh.u.gの「灯りのオブジェ」は、ライトベースと一緒に使うと、家の中にあたたかな明かりが灯っているように見える一品。土台のライトベースのサイズにもぴったり収まる大きさで作られています。

例えば外階段などのパーツもとても丁寧に作られており、こういった細部にも手を抜かないところからも、つくり手の遊び心が伝わってきます。

ガラスの色選びに意味があるオブジェ

こちらは内田絹子さんの「Twilight」。青~黄色の美しいグラデーションは、夕暮れ(トワイライト)を表現され、家路へと着く鳥たちの姿が描かれています。和菓子のように美味しそうなまん丸の形や、思わず撫でたくなるすべすべな質感も魅力です。

もう少し日没に近づきつつある、ピンク~青の夕暮れverもご用意しています(画像の右側のタイプを販売しています)。

こちらはマツノミカさんの「完熟洋なし」。

もともとマツノさんは黄緑っぽい色の洋なしのオブジェを作られていたのですが、照明を当てた時によりきれいなのは黄色~オレンジ色だったとのこと。そのため、この企画用に完熟した洋なしのような色で作ってくださいました。

ちなみに、付属しているヘタの部分は、リンゴ農家さんから分けてもらった、本物のリンゴの木の枝なのだそうですよ。

計算された光の反射を楽しむオブジェ

こちらは当店でもガラスの器が人気の、サブロウさんの「continuation」。今回はこれまでの作風とは少し異なる、新たな雰囲気の作品に挑戦いただきました。

自然光、照明の光を問わず、いつ見ても光の屈折がきれいに見えることを大切に、カッティングで線を入れた薄いガラスを何十枚も縦に重ねて固めてオブジェにしています。

自然光が当たった時のテーブルへの光の映り込みもきれいですが、照明と合わせて使うとまた違った光の屈折の美しさを楽しめます。円の縁もキラキラと輝き、神秘的な雰囲気です。

こちらは森 知恵子さんの「water light」。グラスの中にはガラスの塊が入っており、水が入っているように見えます。

ライトベースを下から当てると、内側のガラスの塊から光が広がり、この企画のラインナップの中では一番明るく手元を照らしてくれます。表面が丁寧に研磨されているので、光がやわらかい印象なのも特徴です。

オリオン座の影を楽しめるオブジェ

PROOF OF GUILDの「Brass Mobile Orion」は、真鍮の細い棒がいくつも付いた、頭の部分がやじろべえのように動くオブジェ。デザイナーの竹内さんが、ひとつずつ作られています。

このオブジェの一番の特徴は、土台の四角板の部分にライトベースを置いて光をつけると、オリオン座を線で結んだシルエットが影になって天井に映るようになっているところ。

こちらのモビールは、「地球からオリオン座を見て線を結ぶと、誰もが見た事のある形になる。地球から見ているからあの形になる訳で、もし違う星から見たらオリオン座の見え方って違って見えるんだよな、というところからものづくりがスタートしました」とのこと。

星の位置関係は実際の位置とは異なりますが、星の位置を立体的に捉えて線で結んだ形になっています。ライトベースを置く位置=地球と仮定して作ってあるので、天井には見慣れた形が影となって映るんですね。

事前に「影を楽しめるオブジェのご制作をお願いしたい」とオーダーしていたのですが、まさかこんな素敵な視点で昇華していただけるとは。竹内さんにしかできない発想に、スタッフ一同感激しました。お部屋に小さなプラネタリウムが生まれたような、大人も子供も眺めながら楽しい時間を過ごせそうな一品です。

なかなか外に出にくく、家で過ごす時間が長くなりそうなこれからの時期。少しでも楽しく心安らぐ時間が生まれたらいいなと願っています。

下記の特集ページでは、当店限定品を中心としたオブジェやライトベースをご紹介していますのでぜひご覧ください。

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このコラムを書いた人

中井 明香

スタイルストア バイヤー

中井 明香

いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。