バイヤーからのお便り

お家の守り神のような、ガラスの雛人形

2020年01月31日更新

毎年この時期に人気の、ガラス作家・松野栄治さんが作られる雛人形のオブジェ。これまで雛人形イコールお子様のために贈るもの、というイメージが強かったのですが、つかい手のみなさまの声を読んだり松野さんとお話する中で、ご自身のために季節を楽しみながら飾ったり、結婚記念にお求めになり、仕舞わずにずっとお部屋に飾る方も一定いらっしゃることに気付かされました。

そして、ずっと飾っておきたくなる大きな理由は、「オブジェとしての愛らしさ」と、「飾りやすさ」、「お手入れがいらないところ」にあります。

仕舞わずに愛でたくなる、お家の守り神みたいな存在

もともと雛人形は、「子供が健やかに生きられますように」という願いから生まれた人形(ひとがた)なのだそうです。昔は草木や紙などで作った人形に穢れを移し、それを水に流すことで、厄払いをしていたのだとか。それがいつしか人形を飾る風習になったのですね(確かに小さい頃、母が頭を撫でてくれた後に、お雛様の頭を撫でて「よろしく頼みます」と言っていた記憶があります。あれは厄払いの一種だったのかもしれません)。

そういった風習から生まれているのも手伝って、雛人形=お子様のためのものというイメージが強かったのですが、松野さんのひな人形と対面したらそんなイメージが覆されました。

目や口が描かれている訳ではないのに、ぽってりとした愛らしい形のためか、何とも穏やかな表情をしているように見えます。初めて手に取った時も思わず「いいお顔だなぁ」と言いながら、しばらく撫でてしまいました。

お雛様とお内裏様が並ぶと、つややかなガラスの質感が相まって、何だかお家の守り神の様。ガラスが水晶のようでもあり、目の前にすると思わず「無病息災、家内安全お願いします」と唱えたくなるような不思議な魅力があるんですね。だからこそ仕舞わずにずっと飾って愛でたくなるのかもしれません。

極限までシンプルで、飾りやすい

見た目がシンプルで、いつものインテリアと一緒に置いても違和感なく飾れる点も、このガラスオブジェの魅力のひとつです。

透明で圧迫感がなく、そばに置くインテリア小物やお花の色を選ばない。手の平サイズでリビングの棚や本棚の片隅にちょこんと置けるなど、仕舞わずにずっと飾っておきたくなる魅力がここにもあります。

ちなみに、こちらのオブジェは、すぐに飾れるように杉台が同梱されています。

ガラスに光があたるとまたきれい(敷物はバイヤー私物です)

お好みに合わせて敷物を変えると、ガラスに映りこむ色や光の加減がガラリと変わります。ぜひインテリアに合わせて、お好みの布やガラス、木材などを敷いてみてくださいね。

お手入れは拭くだけ、ずっといい状態で使えます

ガラス素材なので、カビたり劣化したりせず、長くいい状態で使えるのも嬉しいところです。もしホコリがついたら布で拭いてあげるだけで良いので、特別なお手入れもいりません。もし保管したい時は、付属の桐箱に入れるだけなので、スペースも取りません。

1点ずつ手づくりのため作れる量に限りはありますが、大人の方にこそぜひ愛でていただきたい一品。お家の片隅から、そっと見守ってくれる愛らしい存在です。

このコラムを書いた人

中井 明香

スタイルストア バイヤー

中井 明香

いつもの暮らしがちょっと心地良くなるようなものやこと、つくり手の思いやものづくりのストーリー、その地域ならではの話をお伝えしたいなと日々考えています。