インタビュー&ゲストコラム
シンプルライフガイド金子由紀子さんに聞く、新しい年を心おだやかに過ごすヒント【前編】
スタイルストアの皆さん、こんにちは。
All About「シンプルライフ」ガイド、
ライターの金子由紀子です。
健やかに新年をお迎えでしょうか?
私はシンプルライフをテーマとして
長年取材、執筆をしてきましたが、
今回、スタイルストアさんからの
リクエストで、日々心穏やかに過ごす
ヒントについてコラムを書かせて頂き
ました。
年末年始を経て、2017年をどんな年
にしようかと、思いをめぐらせた方も
多いことと思います。
日々忙しくしていると、心がセカセカ
するばかりで、ふと立ち止まった時に、
今ある幸せを味わえなかったり、先の
ことを心配するばかりで、なんとなく
気持ちが晴れなかったり・・・という経験、
皆さんにもあるのではないでしょうか。
そんな時、心におだやかさを取り戻す
ためのヒントになりそうなことについて
書いてみました。
前編・後編の2本でお届けします。
前編は、年齢をはじめ、私達が無意識
のうちに捉われ、行動を制限してしまい
がちな「思い込み」について、そんな中、
本当に大切な「今」についてのコラムです。
「今やろうとしていること」が明日の自分をつくる
「80歳になった気がしない」という母を見て思うこと
今年80歳になる母は、
時々私に歳を尋ねます。
「そんであんたいくつになったんだっけ?」
私が歳を答えるたびに、
「えええ! 本当か!?」
とのけぞります。
(母に認知症症状はありません)
私は、お決まりのコントのようなもの
だと思っていますが、母のリアルな
驚きぶりがいつも面白いのです。
先日、いつものやりとりのあと、
母は少し恥ずかしそうな、
困ったような顔をして言いました。
「自分が80だっていうことは、
頭ではわかってるんだよ。顔は
シワシワで体もきかなくなってる。
決して若ぶってるつもりじゃない。
でも、どういうわけだかちっとも
80歳って気分にならないの」
確かに、外から見れば「おばあちゃん」
そのものになった母ですが、体力も
あり、好奇心旺盛で世話好き、
お喋り好き。今でも地域の活動に
参加し、得意の漬物をお友達に
お裾分けしたり、高齢者向けスポーツ
に参加したりしては、毎日を楽しんで
います。
お友達と話に花を咲かせている様子
は、10代の女子高生と変わりません。
人は歳なんてとらないのではないか?
そんな母を見ていて思いました。
人間は、歳なんかとらないんじゃ
ないか。年齢や立場にふさわしい
「フリ」ができるようになっているだけ
じゃないのか。
30歳になれば30歳のフリ、子供を
産めば「いいお母さん」のフリ、
部下ができれば「信頼できる上司」
のフリ。
でも、私たちはしばしば、十分な準備も
なく30歳になったり、お母さんや上司に
なったりします。
母はそんな時、
どう乗り越えてきたのかな?
たぶん、今と同じなのだろうと思います。
「今やっていることをきちんとやる」。
長い人生、私が知っている波風以外の、
厳しい経験もしてきたはずです。
時には、不本意な立場に立たされ、
納得いかない仕事を押し付けられた
ことだってあったでしょう。
でも、時間は時計通りに進み、
苦しさはいつか終わる。
その時やるべきことをきちんと遂行して
さえいれば、その時間が無駄になる
ことはなく、自分のなかに蓄積され、
その時間が人生を作っていく。
そうして、母は80年を過ごしてきた
ように思います。
今できることを今、やろう
そんな母を見ていて、
私も長年やってみたかったことに
挑戦し始めています。
それはアウトドア。
夫がインドア派だったため、
気づかなかったのですが、私、実は
アウトドアに憧れていたのです。
子育てが終わりに近づいた今になって
それに気づき、「今さらこの歳で・・・」
と躊躇していたのですが、
考え直しました。
よく言われることですが、
「今から死ぬまでの中では、
今が一番若いんだ!」
男性に依存しがちなアウトドアも、
参加者が女性だけだと自分主体で
できます。手始めに、女性だけで
BBQにチャレンジしたり、キャンプに
行ったり。夢は自転車ツーリングで
ソロキャンプです。
家族に呆れられても、もう気にしません。
人間って、意外にIT機器に似ていて、
シェルは劣化しても、システムを更新し
続けることで、年老いた気持ちに
ならないのかもしれません。
遠くを夢見て、今ないものに焦りがちな
私たちですが、今が未来を作るのです。
そして今、この手の中にある時間ほど
確かなものはありません。
一枚一枚違う色の日めくりカレンダーを、
毎日大切に切り取って、それを全部
並べたらどんな絵になるのでしょう?
思い描く色の絵に仕上げるために、
まずは今の時間を大事に使いたい
ですね。
新しい年を心おだやかに過ごす
ヒント【後編】に続きます。
次回は、生きるのがシンプルかつラクに
なる「モノを減らす」ということ、楽しく
生きるのに欠かせない「モノを選ぶ」と
いうことについてお届けします。