インドで手紡ぎ、手織りで生まれるカディコットンは、糸の不均一な太細、手織りの際の糸継ぎ目などが目立ちやすい為、効率重視の大手メーカーはなかなか手を出さないレアもの。でも、その通気性の良さから、着心地はさらっとしていて快適なんです。そこで、透けないカディコットンを使ったシャツでお馴染みのC.P.KOO(セーペルクー)にリクエストをして、真夏でも日除けアイテムとして活躍する羽織りを作ってもらいました。
「気張らずに格好よく」がテーマの羽織り

春夏シーズンにとにかく必要なのは、「羽織り」です。直射日光を開けるための日除けアイテムとしてだけではなく、エアコンの効いた屋内では防寒の役割も果たすこのアイテムを、人気のカディコットンで作りたいと思い、提案したのが昨年の秋。デザイナーの豊福さんと話し、こだわったポイントは「気張らずに着られる」という事でした。

「肌の露出が過剰にならないように」や「インナーが透けないように」など、気を付けなければいけない事が多いのが春夏シーズン。そのうえ、ボトムスや羽織りとの着丈や身幅のバランスや、お手入れ方法なども考えなければいけないなんて面倒・・・。という話から、デザインや素材の方向性が定まっていったような気がします。

完成したのはこちら。
ゆったりとしたシルエットで、バサッと羽織るだけでなんだか格好よく見えてしまう、お手入れが簡単なカーディガンです。

注目は襟元のデザイン。年齢を重ねていくと首元のお肉が落ちてくるので、襟元がペタっとしていると、格好がつきにくい。そこで、襟を2重仕立てにしてふわっとさせ、ボリュームを持たせているんです。

襟はクシュっとさせる事もできますし、上の画像のようにきれいに折って、すっきりとさせる事もできます。首の後ろ部分が高くなっているので、日除け用にわざわざストールを巻く必要もありません。

首元から徐々にボリュームを減らして、裾に向かって真っすぐに落ちる襟のシルエットは、縦長効果あり。羽織るだけで格好よく見えるのは、計算されつくした、この縦長シルエットによるものです。

ボタン無しだと、腰回りの露出が気になる方も多いので、ひとつだけボタンを付けて、軽く留められるようにしました。

着丈は102cm。ワイドパンツも細身のパンツもスカートも、バランス良く着られる着丈です。屋外では日除けようにカーディガンを、屋内では防寒対策にストールを、と本来別々のアイテムを用意していた方も多いと思いますが、その2つの用途をこの1着で賄えるのがポイントです。
カラーバリエーション

カラーは涼し気な薄いグレーと、定番のネイビー、そしてパッと目を惹くブルーの3色。

それに加え、ベージュが加わりました。ベージュは桜のような薄いピンクがかった色です。
サイズはワンサイズ。バストが120cm、肩幅が55cmでドロップショルダーなので、ストイックにサイズを合わせる必要がありません。

こちらは身長168cm、11号のスタッフが着用した画像です。7号〜13号くらいまでの方に着ていただけると思います。
カディコットンとは?

カディコットンはインドで手紡ぎ、手織りで生まれるもの。手紡ぎの糸が生む不均等な生地は風をよく通し、涼しく着られるのだそう。吸水性もよくて汗をきちんと吸ってくれるうえに、丈夫なので、ご自宅での洗濯も可能。着て洗ってを繰り返す春夏シーズンにはぴったりの生地なんです。

本来のカディの良さに加えて、こちらの生地は部屋着のような薄さではなく、程よく肉厚。透け感のないシャツとコートのちょうど間位のアイテムです。
カディコットンの特徴

こちらは同じ素材で作ったシャツの画像です。
ここで少しお話したいのが、カディコットンの特徴です。
インドで手紡ぎ、手織りを原則として作られるこの生地は、独特の風合いや着心地の良さを持つことで知られていますが、手紡ぎの際に生じる糸の不均一さ、手織りの際の糸継ぎ目などが目立ちやすい生地でもあります。不均一な糸が生み出す生地だからこその通気性の良さ、さらりとした着心地といったカディコットンの特性や良さをご理解いただき、ご購入をお願いします。

「また着たい、もう一枚欲しいと思える服を」という思いの下で、ものづくりを続けるというC.P.KOO。生産効率が悪くても、あくまでも着る人の事を考えた服作りをするこのブランドが作った羽織りは、「丈夫で楽で涼しい」。再び多くの人を満足させる一品になると思います。