ものづくりの裏側を見る機会のある
仕事をしていて思うのは、
「ハンドメイド」と謳われている商品で、
実際にどの程度「手」がかけられているか、
は、すごく差があるなぁ、ということです。
逆に、特にハンドメイドと言ってはいない
けれど、ほぼ人の手でつくられている
じゃないか!と現場を見て驚くことも
ありますね。

定番のblackに加え、新色ivoryが仲間入りしました
こちらのバッグ「Papagena」は、
デザイナーであり作家でもある河本さん
ご自身のオールハンドメイド。
しかもメッシュを機械的に編むのではなく、
バッグのフォルムに合わせて、
革の幅を変え、ふっくらとしたラインが
出るように制作されています。
いわゆるバッグメーカーから発売される
鞄ではとてもお目にかかれない、
大変贅沢なつくりのバッグ。

河本さんは、もともとバッグ業界の出身
ではなく、制作方法も独学で(←しかし
その勉強ぶりがマニアックで凄い!)、
デザイン画を描かずに、ご自身で作り
ながら調整し、実際に使ってみて、また
微調整を繰り返す、というスタイルで
デザイン、製法を編み出されています。
Papagenaの場合、立体的に
編まれていることで、小振りに
見えますが、長財布はもちろん、
化粧道具や文庫本、名刺入れに
携帯電話など、入れてみて
驚くほどの収納力があります。

長財布もすっぽり、内生地はウィリアムモリスがデザインしたリバティ「Strawberry Thief」
全体的に革のマットな質感が
上品な雰囲気を醸す中、ピリッと
アクセントになっているのが、この
大粒スワロフスキー。
透明感のある美しさが、軽やかな
ゴージャスさを添えていますね。

最後に一つ、皆さんにぜひ
お知らせしたいことがあります。
それはPapagenaに用いられている
「メッシュ」という技法について。

河本さんにメッシュの魅力を尋ねた
ときに、「貴重な革を無駄なく使うことが
できるから」とおっしゃっていたのが、
私はとても心に残りました。
動物から頂く「革」は、天然のものなので
カタチも様々で、キズや色むらなど
一枚一枚に表情があります。
細く裁断して編みこんでいくメッシュは
端切れ革がほとんど出ず、
天然皮革を余すところなく使える技法
でもあるんですね。
革とバッグと、上質な仕立てを
愛でながら、長く大切に使いたい
とっておきのバッグ。
こういう商品をお客さまにご紹介
できることは、店として本当に幸せ
なことだなと思います。