町の銭湯や温泉旅館などで使われていることも多い、籐(とう)のかご。
昔からあまりに身近に触れてきたからか、特別意識したことはなかったのですが、この「ハイル」を見てハッとしました。

昔ながらのノスタルジックな雰囲気をそのまま残しながらも、それを邪魔する「古臭さ」だけを取り払ったような、そんな美しさを感じる籐のかごです。
「籐一筋」の会社が作っています
籐は江戸時代から庶民の生活に根付き、長い間日本の工芸として受け継がれています。籐の「軽くて曲げやすく丈夫」という特性が、手工芸に向いていたんですね。
しかし近年は安い国外製の籐に押され、国内で籐製品をつくる会社は減少の一途を辿っています。

そんな中、「ハイル」を作っているツルヤ商店は、「自社製造の国産」にこだわって籐を使ったものづくりをつづけている会社。
明治40(1907)年創業の老舗で、その職人の腕は確かです。
ハイルの特徴
そんな籐一筋の会社が作ったかご。シンプルに見えて、そこには様々な工夫が詰まっています。
素材は自然のままの色

籐って、濃い色の物も多いですよね。あれは、国外から輸送されてきた籐の汚れや傷を目立たせないようにするために塗装してあるからだそうです。
無塗装でも美しいのは国産だからこそ。すべすべした手触りも気持ち良く、2〜3年使い込むと、だんだんと自然な飴色になっていきます。
編み目とデザインの美しさ

ぜひ詳細画像を拡大して見ていただきたいのですが、本当に編み目が美しいんです。
籐の細さは20mmのものが主流なところ、ハイルには15〜17mmのものを中心に使っているため、軽くて繊細なのも美しく見える理由のひとつ。

でも一番の理由はやはり、職人の手でひとつひとつ丁寧に編まれていることです。編み目はきっちりと締まっていて、端の処理も全く目立たず美しい。籐一本のものづくりをしてきたからこその技術力を感じます。

このかごのデザインを担当したのは、瑞々やつどい鉢も手掛ける小野里奈さん。
籐のかごは実用的で良いものなのに、昔から作られているものはなぜか大きすぎるものが多い。そう思った小野さんは、今まであった編み方や作り方をそのまま活かし、現代の生活に合ったサイズに集約したんだそう。だから、昔ながらの良さはそのままなのになんとなく新しい感じがするんですね。
部屋に無理なく馴染みます

籐は湿気に強いので、脱衣所に最適です。脱いだお洋服を入れたりバスタオルを入れたりするのにどうぞ。
リビングでは、子供のおもちゃやブランケットを入れるためのかごとして。帰宅して脱いだ服を一旦置いておく場所にもいいかもしれません。

形はサークル、オーバル、スクエアの3種類。家族が多いのでたくさん入るものを、という方には、一番サイズの大きなオーバルをおすすめします。
ツルが切れてしまったり、不具合がある際には修理も承っています。同じものを直しながら、大切に使う。きっと、愛着を持って長く使って頂けることと思います。
お届けまでお時間を頂きます
先にも書いたように、職人によって手作業で作られている「ハイル」。一度に作ることができる数が限られています。
基本的には受注を受けてからの制作となるため、お届けまで「最大1か月ほど」お時間を頂きます(早くお届けできる場合もあります)。丁寧に編まれたかごはツルヤ商店さんより直接お送り致します。ゆるりと、楽しみにしながらお待ちいただけますと幸いです。