バイヤーからのお便り

外反母趾でも履けるバレエシューズ。制作のきっかけは、ライフステージが変化する家族の姿だった

2023年12月21日更新

シルバーカラーが美しい「レザーソールのバレエシューズ」は、高新製靴のファクトリーブランド「shoesbakery(シューズベーカリー)」と当店が共同開発した足に優しいバレエシューズです。

shoesbakeryのブランドディレクター・高橋さんのお姉さんは外反母趾で、靴選びにとても苦労されていたそう。そんな姿を高橋さんが間近で見ていたことがきっかけで、このシューズの制作は始まりました。

外反母趾の方「専用」の靴ではないのですが、やわらかな革が足を包む、家族を思う優しさが滲むようなバレエシューズです。

自分の奥さんや家族は、ヒールを履いていなかった

shoesbakeryを手掛ける高進製靴さんは、パンプスを中心とした靴づくりを得意とする会社。当店でも最初にお取り扱いしたシューズベーカリーの靴は、冠婚葬祭にも使えるブラックパンプスでした。

ヒールの高いパンプスは、TPOによっては必要な靴。でも、ディレクターの高橋さんには心に違和感があったそうです。それは、「自分が作っているようなハイヒールを、自分の奥さんや家族は履かない」ということでした。

女性は、ライフステージの変化を機にヒールから遠ざかり、スニーカーやローファーなど、フラットシューズを選ぶことが増えると思います。

高橋さんは、ブランドの靴づくりを続けながらも、自身の奥さんやお姉さんに選ばれるような、足に優しくて見栄えもするバランスのいい靴を作りたいと考えるようになりました。

外反母趾でも履ける安心感と上質なルックスの両立を目指して

(上)きれいめパンプスは履きこみ口が親指の付け根にあたりやすい  (下)このバレエシューズは山羊革が足指全体を包み込む

高橋さんのお姉さんは外反母趾。親指の付け根が当たって痛い、骨が靴を押しボコボコ感が出てしまうなど、靴選びに苦労が絶えなかったそうです。

その様子を見ていたことから、「いかにもコンフォートシューズ」という見た目ではない、「たとえば銀座のような街にでも、躊躇なく履いていけるデザイン。なおかつ足に負担のかからない靴」を作ろう、となりました。

足を圧迫せずに包み込むから、外反母趾でも履ける

このバレエシューズの一番の特徴は、足を革が包むような履き心地。スリッパや靴下のように、やわらかく圧迫感のない履き物といったイメージです。足を安定させるよう、履きこみが深くなっています。さらに、蝋引きのリボンで少し締めることもできます。

横から見ると本革であることが一目瞭然。通はここを見るらしい

コンフォートシューズのようなほっこり丸い感じはなく、シャープですっきり。でもバレエシューズらしいヌケ感があって、パンツにもスカートにもあわせやすいのがポイントです。

このバレエシューズを、長く快適に履くために

少し特殊なつくりでもあるので、最後にこの靴を快適に履くためのコツを添えておきたいと思います。

1、革底の固さが気になったら

一般的にバレエシューズは合成ゴム底であることが多い為、最初は特に革底が固く感じられる場合があります。その場合は、ジェルパッドのような中敷きを入れて頂くのがおすすめです。

2、甲高で履きこみ口があたりそう・・・

この靴は履きこみが深いので、確かに甲高で靴を選ぶ、という方の場合、履き口のトップラインが当たってしまう可能性があります。2E以上でないと履けない、という方にはおすすめできません。

3、芯が入っていない分、履いてみてゆるかったらどうすればいい?

甲の薄い方、足幅が細く、靴と足の間に隙間ができるor足が動くという方は、市販のサイズ調整パッドなどをお使いください。靴の中で足が前に滑らないように調整するのがコツです。ベストな厚みの靴下を履くのも快適な調整になります。

詳しい商品の紹介は、商品ページもぜひご覧くださいね。

このコラムを書いた人

柳沼 周子

スタイルストア バイヤー

柳沼 周子

大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。

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