みんなの愛用品
8年愛用中、パソコンが入るふっくらトート
バイヤーの柳沼です。清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったバッグ、sunaoの「Ballon Baroque(バロンバロック)」。私は若いころも、ヴィトンやプラダといった、高級ブランドのバッグを買ったことがなく、3万を超えるバッグをポンと買うのは、結構な冒険でした。
でも、なぜあの時思い切ったのかな?と考えてみると、バッグそのものの佇まいに惹かれたこと。そして、つくり手であるsunaoの河本さんの、作家としての美意識や考え方に共鳴したことが大きかったと思います。「sunaoに一票!」そんな気持ちで買いました。
使ってみたら、予想以上の活躍だった
一票入れるような気持ちで買った、このバッグ。仕事の相棒として、実に8年も活躍しています(私が使っているのは旧仕様のため、現行モデルの新色グレージュで撮影しました)。
活躍の理由は、ノートパソコンが入るところ。会社のパソコンは横幅が30センチちょっとですが、上の写真をご覧いただくと、バッグはだいぶ余裕のあるサイズであることがお分かりいただけると思います。
バロンバロックの横幅は45センチと大きめ。最初少し大きすぎるかな?と思ったのですが、PCの他に、バッテリーやモバイルルーターなど周辺小物もまとめて入るこの大きさが便利でした。
パッチワークのお陰でバッグ自体がふかふかしており、パソコンを優しく守るクッション材の役目も果たしてくれています。
重くなっても大丈夫な理由
もう一つ、このバッグを便利に感じる理由があります。それは、パソコンを入れてバッグがずしっと重くなった時でも持ちやすいことです。
こういった大振りのA4対応トートだと、肩掛け、肘下にかける、手で持つ、の3パターンの持ち方をします。
どの持ち方でも安定感があり、手が痛くない。それはこの太い持ち手のお陰です。
それともう一つは、私の想像ですが、このバッグの場合、四角い箱(鞄)にものを入れるというより、キルティングの革で全方向から荷物を包むような感じなのです。
人間でいうと革のジャケットを着るか、ダウンを着るか、のような違いがあって、ダウンの場合はふかっと身体が包まれるような感覚がありますよね?
荷物が少なければそれなりに、多い時はふくらんで、適宜バッグの中身を包み込む。だからバッグの中で荷物が一点に集中したり、ガタガタ動いたりしにくくて、安定感がある。それで疲れにくかったり、持ちやすいと感じたりするのではないかなと思っています。
オールレザーのバッグの魅力
3万円超えのバッグを買うのが冒険だった、と冒頭で書きましたが、自分のなかでは、バッグは1万円代が基準でした。しかし、手ごろな価格で買ったバッグは、大体3年ぐらいでガタが来ます。
バロンバロックは今、8年目。まったくガタはきていません。この通り表から縫い目が見えないこともあり、劣化するところがないんですよね。
革バッグの場合、革が破れることはまずなくて、劣化と言えば革面を汚すか(何かこぼす、ペンで書いてしまう等)、縫い目が摩耗してほつれる、または革の断面(コバといいます)がみすぼらしくなってくる、ぐらいでしょうか。
壊れる気配もありませんが、万一何かあったとしても、つくり手に相談できる心強さがあります。
つくり手の河本さんは、革製品は命を頂いてつくるものだから、一片であっても革を無駄にしたくない。そう思った時に、パッチワークという手法は、ギリギリまで革を有効活用できると仰っていました。
そのお話にも感銘を受けて選んだバロンバロック。これから先も、仕事の相棒として長く付き合っていけるバッグです。
大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。