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リネンとはどんな素材?あらためて生活との相性を考えてみる

2019年05月11日更新

「麻」「リネン」「リンネル」、この3つの違いがわかりますか?実は、麻だけ違うニュアンスを含んでいます。

リネン(linen:英語)やリンネル(linière:フランス語)は、亜麻(あま)を表す言葉。一方、麻は植物の繊維総称で、リネンやラミー、ジュート、ヘンプなど他繊維も含んでいます。しかし、日本語で麻100%と素材名が書かれている時は、リネンかラミーを意味しているのだそう。ジュートやヘンプは麻ではあるものの、表記対象外となるようです。なんだか非常にややこしいですね。そこで、今回はリネンについて掘り下げていきたいと思います。

リネンとは?

日本語では亜麻を表す言葉

リネンとは亜麻(あま)科の一年草で、約8000年も前から使用されている人類最古の繊維です。リネン=麻というくくりは間違っていないのですが、厳密に言うと亜麻=リネンとなります。リネンの世界的な生産地は、フランスやベルギー、ロシア、中国など。比較的寒冷地で育つ植物です。

日本では江戸時代に種を薬に使っていた記録が残っており、明治から昭和にかけて繊維用に栽培されていました。しかし、化学繊維の台頭で1960年代半ばに需要が減り、国内生産も減少します。「北海道独自の作物にしたい」との声があがったのは2000年ごろで、再度生産がはじまりました。現在は当別町や十勝地方、上川地方を中心に作られています。

リネンのメリット

リネンの特徴はなんといってもその強靭さ。コットンの2倍・ウールの4倍もの強度を持っています。水を吸うと更に強度が増し、吸湿や発散も他繊維に比べ優れているというのだから驚きですね。

繰り返し何度も使える頑丈さから、フキンやシーツ、エプロンなどの素材として重宝されています。

麻に代表されるチクチク感を感じないのもリネンのメリット。リネンに含まれるペクチンが柔らかさや汚れをつきにくくさせています。

ゴワゴワだった生地が洗うたびにクタッと柔らかくなっていくのも良いですね。マット感漂う生地は高級感あり。この点が他の麻素材と違う部分です。

リネンのデメリット

良いところばかりのリネンですが、デメリットも把握しておきましょう。

リネンは伸縮性に乏しく、衣類にシワがつきやすくなっています。脱水時は他の洗濯物とわけ、短時間だけ回しましょう。干す時に手でパンパンと叩いてあげるとシワ予防になります。

上下ともリネン100%、高温多湿な日本の夏をさっぱり過ごせる素材でもある。

値段が高いのもリネンのデメリットと言えるかもしれません。

リネンは一度収穫すると5年から7年はその場で収穫できず、原材料がどうしても高くなってしまうのです。でも、リネンは丈夫で長持ちする素材。良いものを長く使えると発想転換したらデメリットにはならないかもしれませんね!

リネンと他素材の違いとは?

ラミーとリネンの違い

リネンがわかったところで、次は他麻素材との違いをみていきましょう。

ラミーは麻の仲間でイラクサ科の多年草です。漢字では苧麻(ちょま)と書き、主な産地は中国やマレーシア、フィリピン、ブラジルなど。年に3〜4回の収穫ができるエコな植物です。

日本では弥生時代から使われていた記録が残っており、伝統工芸品との関わりも深い繊維です。新潟県の小千谷縮、滋賀県の近江上布などはラミーが使われています。スカーフや衣料品としての需要があります。

ラミーは、家庭用品品質管理法ではリネンと同じく「麻表記」が認められています。吸湿や発散、丈夫なのは一緒ですが、触った時に少々ゴワゴワしたり、繊維に光沢が感じられる部分に違いが見られます。リネンよりシワが入りやすい面もあります。

アバカとリネンの違い

アバカは別名マニラ麻と呼ばれる麻の一種で、フィリピンやエクアドルで生産されています。バショウ科の多年草で高さは7mにも達する大きな植物です。しっかりした質感はロープ状にして編み込まれ、バッグ類や敷物に利用されています。

同じ麻でもリネンやラミーは靭皮繊維(じんぴせんい)、アバカは葉脈繊維に分類されます。リネンとは生息地や大きさ、分類が異なりますが、撥水性が高く丈夫な点は一緒です。

ジュートとリネンの違い

麻の仲間であるジュートは「黄金の糸」と称される繊維で、シナノキ科に属します。漢字では黄麻と書き、主な産地はインドやバングラディシュです。繊維は毛羽立っており、保温性に富む素材です。

ジュートはしっかりした生地のため、バッグやじゅうたん、畳表糸、コーヒー袋など、重いものや摩擦に耐えられるようなものに使われています。

ヘンプとリネンの違い

ヘンプは桑科の一年草木で、漢字では大麻(たいま)と書きます。主な生産地は、中国やロシア、ルーマニアなど。リネンやラミーのように化学肥料を必要としなくても育ち、日本でも古来から栽培・使用されてきたポピュラーな繊維でしたが、GHQの大麻栽培禁止令以来、一部の区域を除き栽培が許可されていません。

ヘンプは繊維の太さや長さにばらつきがあり、麻特有のチクチク感が感じられます。使用用途は衣料やロープなどで、ヘンプ編みとしても有名ですね。リネンとは肌触りも見た目も異なりますから、ジュート同様間違うことはありません。

生活の中で役立つリネンとは?

寝具に使いたくなる清潔感

お次は生活の中で役立つリネンについて考えていきましょう。

リネンと聞いて寝具類がパッと思い浮かぶ方は、ご自身も使われているのではないでしょうか?リネンの長所である「吸湿・発散・抗菌・さらっと感」が思う存分活かされる場所であり、一度使うとやみつきになってしまいます。

リネン寝具類のお値段を知ると購入を考えてしまいますが、高温多湿の日本に向いている素材ですし、耐久性や性能を理解できれば納得できるかなと思います。

こちらは洗いを掛けたリネンとコットンの混紡生地(LAPUAN KANKURIT/KUKAT ブランケット

スタイルストアでは、リネン製のピローケースシーツブランケットを取り扱っています。敏感肌や汗っかきの方におすすめです。

キッチンで大活躍のリネン

お手軽なリネン素材といえば、キッチン周り品でしょうか。リネンという言葉自体の響きがまずおしゃれ。洗いっぱなしで使えるのも便利。ナチュラルな色合いも好まれ、主婦層を中心にどんどん広がり、現在の人気に至ります。

「LAPUAN KANKUEIT(ラプアンカンクリ)」のUSVAハンドタオルは、48×70cmの大判タイプ。高品質のリネンにのみ与えられる「MASTER OF LINEN」の称号も持っており、ウォッシュド仕立てになっています。フランスやベルギーで育った良質の素材は、優しいさわり心地で水分を素早く吸収しますよ。プレゼントにも喜ばれています。

乾きやすく衛生的な素材は、エプロンにもぴったりです。

ファッションとしてのリネン

リネン素材のファッションは、ナチュラルな雰囲気を作れるだけでなく、さらっと着こなせて通気性が良いのがメリットです。特にハットは便利。頭部を優しく包み込み、群れずに快適な使い心地が体感できます。

汚れたら洗濯機で洗え、ノンアイロンでも問題なく使えます。春から秋にかけて活躍しますね。

リネンは亜麻色カラーだけでなく、色染めされたタイプもあります。スタイルストアで人気の割烹着もその中の1つです。コート代わりにもなるデザインは、都会的でおしゃれな雰囲気。そのまま買い物にも行ける点も評価されています。

リネン100%は質実剛健アイテム

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スタイルストアでは拘りのアイテムを多数取り扱っています。「おや、ちょっと高いのでは?」と感じた時は、原材料表示を確認してみてください。リネン100%と書いてある場合は、原材料にお金がかかっている証拠です。気になった時が買い時!質実剛健なリネンをぜひお試しください。

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