バイヤーからのお便り
sonorの新作は「結ぶ」バッグ

こんにちは、バイヤー楠です。革物作家の園田さんが手掛けるブランド、sonor(ソナー)のバッグを、当店で期間限定で販売したのが2023年の秋のこと。そこからは毎年秋に、期間限定の受注販売を行っています。究極まで無駄を省いたシンプルなデザインのバッグはどれも、作家ものならではの独特な風合い、なかなか見かけないニュアンスのある色味と、特別感を感じる要素が詰まっていて、他にはないたたずまい。そんなバッグをずっと探していたという方から、たくさんのオーダーをいただいております。
2025年秋の受注会では、ブランドのラインナップの中でも、最も人気のZUTAシリーズの新作が登場しました。オーダーの受付は10月31日(金)まで。一点一点丁寧に制作していただいたバッグを、12月中旬にみなさんのお手元にお届けできるようにと考えております。
sonorのBAGが唯一無二な理由

このブランドのバッグは、「独特な佇まい」という言葉がぴったりな気がします。シンプルなんだけど、どこかほかにはない空気感があるんです。

撮影日のこと。このバッグを手にしたモデルのゆりさんが、「このバッグ素敵ですね」と言ってくれました。話を聞くと、ここ数年は軽さに重きを置いて布バッグばかり使うようになっていたんだけど、やっぱり革のバッグは革にしかない格好良さがあるから、いいバッグがないかなーと探し始めたタイミングだったのだと言います。

でも、これといった決め手がなく、困っていたと話すゆりさん。「革バッグを買うなら重さは諦めるつもりだったけど、これは軽い!しかも色味が独特だからかな。シンプルなのにすごく格好いいです!」とのこと。

ゆりさんも言ってくれた通り、くすみのある色合いもこのブランドならでは。はっきりとした彩度の高い色ではなく、少しグレーの混ざったようなニュアンスのある色味が特徴です。これらの要素が組み合わさって、どこにもない佇まいのバッグになるのだと思います。

使用しているのは、東京都墨田区にある皮革製造工場「山口産業」の職人さんが、丁寧になめした豚革です。国産の天然皮革をミモザなどの100%植物性のタンニンでなめし、つくられている革は、厳しい基準をすべてクリアしないと認定されないと言われる「日本エコレザー」認定をうけた特別なもの。ブランドの立ち上げ時から、「環境と使い手に優しく、先に繋がるモノづくりを」と考えるブランドならではの革選びです。
シンプルな格好を素敵に見せてくれるラインナップ

今回、販売するのはZUTAと名付けられたシリーズの2種類のバッグです。いずれの型も熟練の職人の技によって、強度を持たせつつ薄く漉いたピッグスキンを使用。では、一型ずつご紹介していきます。
新作はシーンに合わせて結ぶバッグ

今回、初めてお披露目するのが、ZUTA MUSUBIです。ZUTAのバッグを愛用している方から、「女性が仕事バッグとしても使えるように、パソコンが収納できる縦長のタイプが欲しい」というリクエストがあり、生まれたのだそう。

99cmある肩ひもを結ぶことで長さが調整できるので、ショルダーバッグとして持つこともできますし、肩掛けも斜め掛けもできます。

アウターを着る時期は肩ひもが長め、薄着の時期は短めなど、微調整できるのもいいなと思います。また、例えば出勤の際も、自宅から駅までの自転車の時は斜め掛け、駅から会社までは手持ち等、一日の中で移り変わるシーンにも細かく対応できます。
力の抜けたフォルムのZUTA M

ZUTA Mは、当店がお取り扱いするsonorのラインナップで一番人気の型。表側が薄く漉いたピッグスキン、内側がコットン生地で、リバーシブル仕様のバッグです。

中にものを入れた時、細い肩紐に引っ張られてバッグ自体がくたっとなります。それにより、ラフな独特のフォルムになるのがいいなと思います。
ZUTA Mを愛用中の私。ポシェットでは荷物が入りきらないけど、大きめバッグを持つほどでもないシーンが意外と多いことに気づき購入したのですが、ZUTAのMはそういうシーンにはもってこいの絶妙なサイズ感です。

一点一点丁寧に制作していただいたバッグは、一年を頑張った自分へのご褒美にもなるようにと、12月中旬頃にみなさんのお手元にお届けできるようにと考えています。sonorのバッグの革には、傷や色のムラなどの個性があります。でも、人間も肌に違いがあるように、豚にだって個性も、季節による変化もあるのは当然なんだと、園田さんは言います。環境に優しく、できるだけ自然のものを生かしたモノ作りとは、本来こういうこと。それは、sonorが最もこだわっているポイントなんです。
オーダーは、10月31日(金)までです。自分だけのバッグが届くのを、是非楽しみに待っていただきたいなと思います。

ショッピングユニットでバイヤーをしています。
スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。