バイヤーからのお便り
花をそっと包み込むような水のかたまり
最近、家の近くにすてきな花屋を見つけて週末に立ち寄るのが楽しみのひとつになっています。
歳を重ねるごとに花が好きになるのはなんでなんでしょうね。
花を楽しむようになってからは、花器もそれまで以上に気にして見るようになりました。
そして、改めてすてきだなあと思うのが花器そのものがまるで水の塊のように見える、「みずのうつわ」。
みずのうつわは、以前中目黒の花屋 ex.(イクス)の田中さんにご協力をいただいて、連載企画でお花を生けていただいたり、
スタイルストアの母の日の定番の鉢植え「ミリオンベル」をご紹介したときに摘んだ花を生けてみたり、と当店の記事の中でもなにかと出番の多い花器でもあります。
出番が多い理由は、花の種類やインテリアのテイストを問わず生けやすく、絵になるから。
透明でシンプルな形なので脇役に徹して、主役のお花を引き立ててくれる。それでいて花器自体の佇まいも美しく、うまく言えないのですが、「存在感がないようである」というなんとも不思議な花器です。
つくり手は、千葉にガラス工房を構える松野さん。シンプルなデザインなのに味気ない感じがしないのは、吹きガラスのとろっとした波打つ質感ゆえ。
その美しさは水を入れてない状態でも眺めていたくなるほどで、量産品で同じデザインのものを作ってもこうはいかないなあと思います。
ちなみに、SサイズとMサイズの大きさの差はこのくらいです。当店ではSの方が人気ですが、花屋に並ぶお花って、一輪が割と大きかったりするので、個人的にはMの方が生けられる花の幅が広いような気がします。
逆に、庭に自生している小花を摘んで生けたりするのには、Sの方がバランスが良いかもしれません。口が狭いので、花留まりが良くどんな花でも生けやすいです。
口が狭いとお手入れが気になるところですが、口元ぎりぎりまで水を入れると思いのほか水垢ってつかないんですね。満杯まで水が入っている姿のほうがより雫らしくて美しいですし、ぜひそのようにお使いいただきたいです。
もし内側に汚れがついてしまった場合は新聞と水を少し入れて振ると、新聞がブラシ代わりをしてくれて中を掃除してくれます。実際にやってみましたが、軽い汚れはこれで十分落ちそうです。
清涼感あふれるみずのうつわ、テーブルの上やお部屋を涼やかな雰囲気にしてくれる、おすすめの一品です。
ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。