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1300年の歴史を持つ瀬戸焼をモダンに使う

2017年04月15日更新

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1300年の歴史を持つ瀬戸焼

“瀬戸物”の語源

愛知県瀬戸市で作られる焼き物「瀬戸焼」は、日本六古窯の一つに数えられる由緒ある陶磁器の産地です。昔から和食器の陶磁器全般を指す”瀬戸物”は「瀬戸焼」が語源。平安時代中期ごろには、現在の瀬戸市周辺で陶器の生産が行われていたそうです。そのため、瀬戸焼は1300年の歴史を持つといわれています。

大量生産から培われた技術

PROOF OF GUILD/COW CANISTER

明治以降、「瀬戸焼」は大量生産への道をたどっていきます。日常使いされる陶磁器全般を”瀬戸物”とよぶほど、「瀬戸焼」は日本の暮らしの中で欠かせない和食器になっていきました。その中で重視されたのはコストとスピード。1つずつ手作りするよりも型を使い、手書きで絵付けをするよりも印判で転写するというように、大量生産をこなしていく中で技術が培われていきました。

オリジナリティのあるデザインと技術の融合

Lotus plate square olive

その後日本の社会状況はめまぐるしく変化しました。海外への輸出に関しては、アジア諸国の陶磁器ブランドの台頭などもあり「瀬戸焼」にとって苦しい時期もあったようです。さらに、後継者不足にも悩まされている窯元も多いそう。けれど「瀬戸焼」には1300年の歴史があります。現在は、さまざまなブランドやレーベル、デザイナーとともにオリジナリティのあるデザインと確かな技術を融合させた製品づくりを活発に行っている「瀬戸焼」です。

現代のライフスタイルに合わせたモダンデザイン

リズムのある「ceramic Japan」の花器

ceramic Japan/Neo+樹 プレートブラック

「ceramic Japan(セラミックジャパン)」は、1973年に瀬戸市に設立されました。以来、1300年の歴史を持つ「瀬戸焼」の伝統と若手デザイナーとのコラボレーションを活発に行っています。たとえばこちらの花器「Neo+樹」は、小枝のようなフォルムがユニークなデザイン。ミラーとブラックの2色展開しているプレートにぴたっとくっつくのは、枝の底に仕込まれているマグネットの力。

ceramic Japan/Neo+I&S プレートブラック

すっとまっすぐに伸びたスタイルと、途中でくにゃっとまがったスタイルを持つ「I&S」もあります。それぞれ茎の部分が空洞になっているので、小さなお花や枝物などを活けて、さりげない花あしらいを楽しんでみてはいかがでしょう。

シンプルなフォルムのキャニスター

ceramic Japan/ハーベストキャニスター

「ceramic Japan」では、シンプルなスクエア型とレクタングル型の「ハーベストキャニスター」もあります。忙しい日々の中で、作り置きができる常備菜の人気が高まっていますが、セラミック製のキャニスターに入れるとぐっとおいしそうに見えますね。パウンドケーキの型としても使うことができますし、ゼリーを入れて固めてもOK。引き出し内の整理用ボックスとして利用するアイデアもあります。カラーは定番のホワイトのほかにシックなブラウンも。大きさはSサイズとMサイズの2サイズ展開です。

毎日使いたいマグカップ

ceramic Japan/モデラート マグ ペアセット

すっきりとシンプルでおしゃれなマグカップも、毎日の生活の中で大活躍してくれそう。こちらは「モデラート マグ ペアセット」。やわらかなグレーのカップは、コーヒーや紅茶だけでなく日本茶や中国茶、スープなど幅広く対応可能。

ceramic Japan/ティーポット

モデラートシリーズには、マグカップのほかに「ティーポット」や「シュガーポット」、「カップ&ソーサー」なども。セットでそろえたくなる、ほっこり気分のティーセットです。

手作りのぬくもりが伝わる「lotus plate」

懐かしさを感じる3色の器

lotus plate

続いてご紹介したいのは、「翠窯(スイヨウ)」の「Lotus plate」。「翠窯」は、2013年にスタートした新しいブランドです。 陶芸家の穴山大輔さんと奥様で画家の文香さんがお二人で作り出す器は、どれも日常の食卓でお料理をおいしく見せてくれるものばかり。特に繊細なデザインが魅力的な「Lotus plate」は、器自体の美しさが人気を呼んでいます。プレートはマロン、ミルク、オリーブの3色。どれもぬくもりを感じる色合いです。

優美な蓮をデザイン

lotus plate

「Lotus plate」は縁に立ち上がりがあるシンプルなフォルム。文香さんが描いた優美な蓮の絵柄を型に彫り、陶土を押し付けて写し取る手法がとられています。

盛り付けのコツは”余白”

Lotus plate square marron

このプレートの美しさを引き出す盛り付けのポイントは、余白。プレートの中央にお料理を盛り付けるようにすると、器のデザインとお料理がお互いを引き立てあってくれるのです。

さまざまなサイズと形

Lotus plate square marron

正方形のスクエア型と長方形のオリジナル型の2タイプがある「Lotus plate」。サイズはスクエアがタテ21cm×ヨコ21cm。オリジナルは1タテ4cm×ヨコ23cm。3つの色と2つのサイズを組み合わせてテーブルを彩ってみたくなりますね。

瀬戸焼のブローチがかわいい「MOYAKKO」

レトロ・テイストなウサギのブローチ

MOYAKKO/うさぎのブローチ SHADOWS ブラウン

続いてご紹介したい瀬戸焼のブランドは「MOYAKKO(モウヤッコ)」。瀬戸焼の職人さんたちが企画の段階から参加している「MOYAKKO」では、レトロ・テイスト漂う「うさぎのブローチ」が人気を集めています。「SHADOWS 」と「LIGHTS」の2パターンあり、それぞれカラーが異なります。影の中の動物をイメージしている「SHADOWS」ではブラウンとグレー、そしてグリーンの3色。光の中の動物をイメージした「LIGHTS」はホワイトとイエロー、そして淡いグリーンの3色です。

MOYAKKO/うさぎのブローチ LIGHTS イエロー

全長6センチほどのうさぎのブローチですが、陶磁器製のブローチですから重さが出てしまいます。このブローチをデザインした杉浦みどりさんのチームは「がば鋳込み」という技法をチョイス。中を空洞にすることで、お洋服や帽子につけても重すぎないブローチを実現させました。

MOYAKKO/うさぎのブローチ LIGHTS イエロー

うさぎの躍動感あふれる姿をとどめたブローチは、いつもの装いをほんの少しランクアップしてくれそう。1つずつ小箱に入っているので、うさぎ好きの方やおしゃれ好きな方へのギフトとしても喜んでもらえることでしょう。

いろいろ使える「白くまロック」

MOYAKKO/白くまロック

こちらは磁器製のロックグラス「白くまロック」。リアルな質感が魅力的な白くまは、もともと北米向けのノベルティグッズ用に作られた型を利用しています。どっしりとした重厚感を感じるロックグラスの側面に白くまをプラスするユニークな感覚が「MOYAKKO」ならではといえるでしょう。

MOYAKKO/白くまロック

安定感があるロックグラスは、こちらのように花器として使うこともできます。シンプルな白の釉薬がかかったロックグラスですが、白くまの毛並みの凹凸が微妙な陰影を生み出します。和の花でも洋の花でもすっとなじんでくれそう。キッチンハーブのプランターとして使ってもすてきなアクセントに。

MOYAKKO/白くまロック

マグカップをペンスタンドに使うアイデアは、定番ともいえますね。「白くまロック」もしっかりとステーショナリーを収納してくれます。口が広いのでバランスもとりやすいところがうれしいですね。

瀬戸焼の器はほかにもこんなに!

リスと小鳥のマグカップ

CEMENT/Perch Cup(パーチカップ) perch with Kotori / brown

瀬戸焼の職人さんたちはその確かな技術を活かし、さまざまなブランドやメーカー、レーベルとのコラボレーションを積極的に行っています。生活周りのアイテムのデザインで知られる「CEMENT PRODUCE DESIGN(セメント・プロデュース・デザイン)」もその1つ。

瀬戸焼には「瀬戸ノベルティ」と称される技術があります。これは、型を使った陶磁器製のフィギュアなどを大量生産する技術。すでにご紹介した「MOYAKKO」も、「瀬戸ノベルティ」の技術を使った作品作りを行っています。「CEMENT PRODUCE DESIGN」からは、リスと小鳥のマグカップ「Perch Cup(パーチカップ) perch with Shimarisu 」と「Perch Cup(パーチカップ) perch with Kotori 」をご紹介します。

CEMENT/Perch Cup(パーチカップ) perch with Kotori / brown

「Perch Cup(パーチカップ)」と名付けられたマグカップは、スタッキングすると画像のようにまるで1本の木のように見えるデザインが特徴。 リアルなブラウンのほかに、明るいホワイトと穏やかなグリーンの3色展開です。

ペンギンの塩入れ

PROOF OF GUILD/ペンギンの塩入れ 白(つや消し)

こちらは名古屋を拠点にジュエリーやフラワーデザインを中心にした活動を行っている「PROOF OF GUILD(プルーフ・オブ・ギルド)」の「ペンギンの塩入れ 」。艶消しのマットな質感が印象的なペンギンは、「瀬戸焼」で作られています。「PROOF OF GUILD」らしいシンプル&リアルなペンギンが魅力的ですね。

ユニークな形の「Hands&Hands」

PROOF OF GUILD/Hands&Hands natural

こちらも「PROOF OF GUILD」のアイテム。「Hands&Hands」と名付けられた花瓶ですが、花器としてだけでなくデュフューザーやペンスタンド、オブジェとしての楽しむことができるユニークなデザインが特徴。瀬戸焼の職人さんたちが5つのデザインの花瓶をつなぎ、内側で2つと3つに分けているのです。ですから、半分に水を入れて花瓶として使いながら、もう半分をペンスタンドとして使うことも可能に。カラーはナチュラル、グレー、ブラックの3色展開。スタイリッシュなデコレーションアイテムとしてもおススメです。

毎日使いたい「瀬戸焼」のアイテム

Lotus plate square olive

「瀬戸焼」のブランドや職人さんとコラボレーションして作られた和食器をご紹介してきました。「瀬戸焼」の伝統と大量生産時代の歴史で培われた型を使ったものやがば鋳込みなどの成形技術が、オリジナリティのあるデザインと美しくユーモラスなハーモニーを生み出します。毎日のテーブルに、あるいはファッションやインテリアとしても楽しめる「瀬戸焼」の和食器を、使ってみてくださいね。

このコラムを書いた人

インテリアをはじめ、雑貨やファッション、アートなど美しいものが大好きです。夫と二人の息子、犬と猫と一緒に暮らしています。