バイヤーからのお便り

薄くて軽い豚革との出会いから始まった、sonorの物語

2026年08月20日更新


こんにちは、バイヤーの楠です。展示会や商談で出かける際に私が愛用しているのが、sonor(ソナー)のバッグです。たとえ着ている服がシンプルでも、コーディネートを格好良く見せてしまう力がこのブランドのバッグにはあり、商談先で褒められることもしばしば。「ちょっと持ってみてもいいですか?」と聞かれて持たせてみたところ、「え、軽い!」と驚かれるところまでがワンセットです。

「格好いいから持ってみたい、だけど革だから重いんだろうな…」という相手側の懸念が吹き飛び、一気に「私も欲しい!」という気持ちにさせる力のあるのがすごいなと毎度思うのですが、実はこれまでsonorに関しては革物作家が手掛けるブランドとしかご紹介できていませんでした。そこで、このコラムでは改めてどんな方がブランドを立ち上げて、どういった拘りでこのバッグを作っているのかを改めてご紹介しようと思います。現在、受注会を開催中。8/31(月)までですので、気になる方はお早めにオーダーしてくださいね。

ブランドの始まり

ARAI CORON SHO 黒


当店がsonorのバッグのお取り扱いを始めたのは、ちょうど2023年の夏。この3年間でブランドのこだわりの詰まった様々なラインナップはご紹介していましたが、それを手掛けているのが園田さんご夫妻。今回は、デザインを担当する園田さん(妻)にお話を伺いました。

バイヤー楠:当店で年に2回の受注会を始めて、3年が経ちます。でも実は、出会ったのは2019年に行われた合同展示会の場でしたね。ブランド立ち上げはその頃ですか?

園田さん:ブランドがスタートしたのはもう少し前の2012年なんです。私はもともとはアパレル出身なんですが、早くに出産をしていたので、子育てをしながら作家として、まずはできる範囲でものづくりをしていました。色々な展示会に出る時に、当時エンジニアだった夫にお手伝いしてもらいながら活動を続けていまして。ブランド活動が活発に動き始めるようになってきたタイミングで、私がデザインを、そして夫が営業担当で夫婦2人でブランドをやっていくことになりました。

ZUTA M ブラック


旦那さんが元エンジニアと聞いて、驚きました。当店にもサイトが問題なく運営できるようにと、目を見張らせてくれているエンジニアさんがいるのですが、皆バリバリの理系。籠ってお仕事をするイメージがあるので、営業活動とは真逆のイメージがあったのです。でも、お二人は互いに弱みと強みを補い合って、パズルみたいにピースがきれいにはまっているように感じます。

バイヤー楠:元々はアパレル出身のデザイナー園田さんが、革作家として活動をしていくきっかけは何だったのでしょうか。

園田さん:まだひとりで作家活動を続けていた当時、婦人之友社が発行している雑誌「かぞくのじかん」に連載を持っていたのですが、そこで企画として作ったルームシューズが好評だったんです。

でも、実際に作ってみると強度に問題があって、そんなに長持ちしなかったのです。その事で素材選びの重要さを実感しまして。強度の面を考えて次は革で作ってみようかなと思い、いつも通っていた生地屋のお隣にある革屋に足を運んでみたんです。色々な種類の革がずらっと並ぶ中で私が気になったのが、布に近い質感で、縫製しやすい豚革でした。

その豚革を手掛けていたのが、墨田区にあるタンナーの山口産業さんだったとの事。今のsonorのバッグに使われている豚革との出会いはここから始まったんですね。

国産のものを国内で消費する「巡り」へのこだわり

ZUTA MUSUBI ブラック


私がバイヤーを始めたころに、「実は墨田区の豚革は世界的にすごいのよ」と教わったことがあります。その当時は深く追求することが無かったのですが、このエリアで生まれる豚革はヨーロッパのハイブランドのものづくりには欠かせないものなんだそう。中でも山口産業さんの豚革は、別格なんだそうです。そんなタンナーさんとsonorとの出会いはどんなものだったのでしょうか。

園田さん:私がたまたま入った革屋さんは、その時に私が手にした革を見て、「その革は墨田区で作られているんだよ」ってすぐに教えてくれました。しかも、その革を手掛ける山口産業さんが工場見学も受け入れているって言うんです。革の勉強をしたいと思っていた私には好都合だったので、すぐに見学させていただいたんです。

園田夫妻


子育てをし、子どもの未来を考えるようになった頃に、国内で生み出すものを国内で消費する、「巡る」ことの重要さを感じていたという園田さん。工場見学で知ったのは、国産で環境に徹底的にこだわった山口産業さんの革へのポリシーだったそう。


園田さん:山口さんのところでなめされる豚革は、飼育環境に徹底的にこだわっていました。私が山口さんのところの豚革に出会ったのが今から15、6年前。当時は今ほど環境配慮への関心がそこまでなかったのですが、山口さんのところは当時からすでに養豚場の飼育環境はもちろん、自然や人の体に有害な物質を排出しないエコレザーにこだわっていたんです。


「革の選択肢は多くありますが、自分が選ぶならば、同じポリシーを持った革屋のものを使いたい」。園田さんが、山口産業さんの豚革に惹かれ今でも使い続けているのは、必然なのかもしれません。

人気の2種類のバッグはこれ


当店で受注会を始めてから3年が経ちますが、圧倒的に人気なのが「ARAI CORON」と「ZUTA」の2つのバッグです。


ARAI CORONは、サイズの違う3種類があります。私も初回の受注会で3種類の中で一番大きなサイズをオーダーし、愛用中。このコラムの冒頭で書いた、商談先でよく褒められるバッグというのがこの型です。

ARAI CORON CHUの使用前(左)と2年間使っているもの(右)


上の画像は、新品のバッグ(左)と私が3年間愛用している私物のバッグ(右)です。同じサイズですが、私物のバッグのほうがくたっとしていて、まるで違うもののように見えると思います。

sonorの豚革のバッグは使うほどに美しいツヤ感とやわらかさが生まれて、しっくりと馴染んでいきます。園田さんは、その過程をもデザインしているんですね。

ZUTA M チャコール


同じように、革が美しく育っていくことを想定して生まれたというのが、ZUTAです。こちらは山口産業さんで薄い革を見つけた時に、その薄さが生かすにはどんな形がいいのかに重きを置いてデザインしたのだそう。

中に入れるものによってバッグの形が変わって見えるのですが、革なのにくたっとしていて力が抜けたカジュアルな感じはありそうでないもの。軽量でマチなしでぺったんこになるので、帰省や旅行のお供にもおすすめです。

ZUTA M テラコッタ


いずれのバッグも、つかい手のみなさんの声を見ると、軽くて丈夫なところに驚かれてる方もいらっしゃいます。それも豚革の良さ。革バッグの見栄えの良さと丈夫さ、そして布バッグのような軽さが共存しているんです。

ARAI BACKPACK ICHI


豚革を使った革小物やバッグは数多くありますが、「物や情報が溢れる世の中で、少しでも使う道具に意味や愛着を持ってもらえたら。」という思いで、革選びから拘り抜いているsonorのバッグは、それをあえて選んだ人にも特別感を与えてくれるものだと思います。

ARAI CORON 黒


一生育て続けていきたいと思えるバッグの受注期間は、8/31(月)までです。気になる方はぜひこの機会にお求めください。

このコラムを書いた人

楠 美冴登

スタイルストア バイヤー

楠 美冴登

ショッピングユニットでバイヤーをしています。 スタイルストアの商品によって、どこかで誰かがちょっとだけ幸せになればいいなと思ってバイイングをしています。それだけが私の大きなこだわりです。