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無印と比較、大人の白T問題を考える

2025年08月05日更新


こんにちは、バイヤーの柳沼です。シンプルな白いTシャツが似合わなくなった……と感じたのは40代に入った頃だったでしょうか。自分が着るとなんか「パッとしない」にも関わらず、夏になると白いTシャツを着ている人が素敵に見えて、毎年どこかしらの白Tを買っていました。

その試行錯誤の中で、マイベスト白Tに輝いたのが、Kilkaのアシンメトリーカットソー。

大人世代かつ猛暑に着る服として、本当に便利で快適な白いTシャツについて、手持ちの無印良品のTシャツと比較しながら、考えてみました。

まずはスペックを比較してみましょう

左 Kilka×assiette涼しくてすっきり見えが叶うアシンメトリーカットソー右 無印良品 涼感UVカットワイド半袖Tシャツ(白Lサイズ)


身長165cm、11号体型の私が着用するとこんな感じです。

左がKilka、右が無印良品

素材と混率、着丈や袖丈などサイズ感も近しい2着ですが、2か月間着用してみて明確な違いがありました。次は私の着用感と使い分けについて書いてみます。

人前に出られるKilka、素の自分でいられる無印

この2着、一番の違いは「生地とデザインによる雰囲気の差」です。Kilkaは「綿」といっても高級素材「超長綿」なので、ツヤと滑らかさがあり、斜めにドレープが出て、モードっぽい印象。


一方、無印良品はモードな雰囲気はなく、アクティブでカジュアルな印象。Kilkaはゴールドやパールのアクセサリーも似合いますが、無印はアクセサリーなしで、そのまま着るほうがしっくりくるイメージです。そんな違いから、Kilkaは仕事着もにもなるTシャツ、無印は休日専用のTシャツ、と使い分けています。

Kilkaは無印に比べて、1着当たりに使う生地分量は多いにもかかわらず、重量が40gも軽いので、薄手で質の高い生地を「たっぷりめに使ったデザイン」であるといえます。袖口から風が入り、体と生地の間に風が通るので、猛暑日でも汗でじっとりする感じがなく快適です。

マイベストの理由は洗濯後の変化と汚れにくさ

仕事着にもなるTシャツであること、風が通り抜けて猛暑日もベタつかないことに加え、あと2つ素晴らしい点がありました。

まず一つ目は、洗濯機で洗っても、新品時と同じツルンとした表情に戻ること。「ノーアイロンでOK」と謳われている服のほとんどは「許容できるシワ」がある状態で、Tシャツの場合、表面が細かく波打ったようになりますよね?ところがKilkaのTシャツは、アイロンをかけたのか?と思うぐらいツルンとしています。

洗濯機で洗い、ハンガーに吊るして干しただけ

洗いざらしでこの復元度合いで、一日中着て汗をかいたとしてもくちゃくちゃした感じにならず、ツルンとした表情のままなんですよ。

もう一つ驚いたのが、汚れ落ちの良さです。Kilkaと無印を同時期に着始めて、洗濯回数も同じ。でもKilkaのほうが新品時の白さが保たれているような気がする……と思って調べたところ、「超長綿」で毛羽立ちを抑える「ガス焼き加工」が施された糸でできていることが関係していました。

そもそ繊維の長い綿を、糸の段階で毛羽を焼き、ツルンとした糸にしてから生地にしているので、一般的な綿の生地と比較するとその滑らかさは雲泥の差。生地表面が平滑になることで、皮脂や汚れが繊維内部に入り込みにくくなり、汚れ落ちがいいと感じるようなのです。

白Tシャツの命である「白さ」が保たれやすい、かつ、洗濯機で洗って干しただけで新品同様のピシっと感。だから躊躇なく仕事に着ていける一着なんですよね。この要件を満たすTシャツはなかなかありません。


というわけで、Kilkaのアシンメトリーカットソーがマイベスト白Tである理由をお伝えしてきました。スタイルストアでいうと、DRESS HERSELFとかFANTASTICDAYSのような、きれいめ~モードなテイストがお好きな方にはかなりおすすめの一着です。

上質な素材がやわらかく上半身を包み、生地はピシッと、白さくっきり。この条件が揃うと、人前に堂々と出られる大人のTシャツスタイルが完成する、というのが私の結論です。これからも大人の衣服研究、続けていきますね。

このコラムを書いた人

柳沼 周子

スタイルストア バイヤー

柳沼 周子

大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。