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1万歩も楽勝、外反母趾にも優しいモードなパンプス

2024年07月26日更新


バイヤーの柳沼です。先日「江戸東京たてもの園」に行ってきました。こちらは東京の歴史的建造物を移築・保存する目的で、豪農の家から著名建築家の自邸まで、様々な建造物が集合した野外博物館です。園内を歩きながら、次々どなたかのお家にお邪魔して中を見る、というスタイルなので、靴の脱ぎ履きが頻繁。ということで、愛用中のフラットシューズ「YOSHI」を履いて出かけました。

見た目がポインテッドトゥなので、「そんな靴で一日大丈夫なの!?今日歩くよ」と友人は眉をひそめます。大丈夫。この靴は長時間歩いても全然痛くならないんです。

靴が足に当たりにくい、秘密は木型と爪先にアリ

私がこの靴を履いて、改めて驚いたのは「ゆったり履けるポインテッドトゥって世の中に存在するんだ」ということでした。


一般的にポインテッドトゥのパンプスは、デザイン上のバランスから浅履きであることが多く、その分つくりをタイトにすることで靴を脱げにくくするという考え方で設計されます。

しかしこちらの靴は、オブリークトゥの木型を使ったゆったり設計で、安定感が出るギリギリのトップラインにし、かかとの仕様に一工夫することでパカパカと脱げにくいようになっています。


フラットシューズを比較した上の画像から、右の「YOSHI」はかかとの部分が狭めのカーブになっていることが分かると思います。これはかかとに沿いやすいよう、意図的にカーブがつけられているから。職人さんが熱を当てながらこのカーブに成型するそうで、この一手間が安定感のある履き心地を生んでいます。

さらに足にやさしいもう一工夫が、爪先の設計です。こちらは同じブランドの別の靴とYOSHIを比べたもの。底面のネームの延長線上を見て頂くと……


通常、ブランドネームは中央に印字され、その延長線上に爪先がきます。それに対して、YOSHIは爪先が内側に入っているので、ネームの延長線上から結構ずれた位置になっていますよね?これが足指のカーブに沿わせた設計の証。特に、外反母趾予備軍で親指の付け根の骨が出ている方は、足がぎゅーっと圧迫されない、履き心地の「違い」をより体感して頂けると思います。

中敷きで調整しながら素足も靴下も楽しむ

私は通常24か24.5cmで右足だけ外反母趾で、足幅は2Eです。YOSHIの場合、3Eなので「普段のワンサイズ下」がおすすめとされています。24か24.5という私のようなサイズの方は、【38】か【37】か迷う場合があると思いますが、お手持ちの靴で24.5cmが複数ある方には【38=24cm相当】をおすすめします。


38でややゆとりがある着用感で、靴下をあわせてちょうどいい感じ。素足やフットカバー、タイツで着用する場合は、防臭&滑り止め効果のある中敷きを入れています。


ポインテッドトゥのパンプスで、靴下をあわせてゆったり履ける靴があるとは!見た目よし、履き心地よし、長時間歩いてもよし、と3拍子揃って、ついつい履く頻度が高くなるのが悩みです。本当はもっと休ませながら履かなければ……。

気づいたら1万歩に達していた休日

冒頭の休日、夕方にはその日の歩数が12,000歩を記録。しかり脱いだり履いたりが頻繁で、ずっと歩き回るという観光の日にはぴったりの靴でした。それだけ歩いても靴擦れや圧迫されて赤くなる箇所もありません。午後のむくみやすい時間帯も問題なかったので、改めて靴の中に「ゆとり」がちゃんとあって、締め付けないからむくみにくい、ということを実感できました。


この靴は、内側にも底面の一部にも本革が使われており、靴の形をきれいな状態に保つ「保形性」に優れています。お宅への訪問やお座敷の席など、きちんとした装いで、靴を脱ぐシーンは意外と多いもの。履きやすく、歩きやすく、足にやさしく、脱いだ時も美しい。yukoimanishi+(ユウコイマニシプラス)の「YOSHI」は、そんな貴重なポインテッドトゥのパンプスです。

このコラムを書いた人

柳沼 周子

スタイルストア バイヤー

柳沼 周子

大手小売業で服飾雑貨のバイイング、新規ブランド開発を行う。その後活動の場をインターネットに移し、2006年にスタイルストアへ参加。 得意ジャンルは服飾雑貨、最近は地方の名品発掘がおもしろくて仕方がない。モノの背景を知ってこそ見える、真のお買い得品をセレクトする、これが信念です。