綿花や麻の繊維を糸の状態にする紡績屋が始めたブランドIITO（イイト）の新作が届きました。ブランドの名の通り、「いい糸」を使って作られた裏毛アイテムは、軽い、温かい、ふわふわの肌触りと、3拍子揃った贅沢なもの。当店でも、着心地のいい裏毛アイテムは数多くありますが、軽い、蒸れない、肌あたりがいいと、他ブランドでは実現できない機能性も備わっているのがIITOの裏毛アイテムの特徴です。

この度、新たに加わったのは、ただ羽織るだけのガウンタイプ。パーカーよりも大人っぽく着こなせるのがいいところです。糸からこだわるというブランドなんて、これまで出会った事がありませんでしたが、腕を通した瞬間、ブランドのこだわりが実感できる、そんな一品です。

軽い、温かい、ふわふわの肌触り、3拍子揃った裏毛生地

裏毛の服と言えば、パーカーをはじめ、大手ブランドも必ず作っている定番アイテムです。ではIITOの裏毛は何が違うのか。それがよくわかる、この画像をご覧ください。

これは、大手メーカー（左）とIITO（右）のパーカーのフード部分を並べたものです。両方とも二重仕立てのフードですが、IITOの生地はふっくらしているのがわかると思います。これは、IITOの生みの親でもある紡績屋、「第一紡績株式会社」が開発したミッドエアーという特殊な糸を使用しているからです。

ミッドエアー糸は肌に触れる内側部分で使用しています。紡績の際に空気を含ませて作られた特殊な綿糸で、繊維の間に空気を多く含ませて紡績している分、ふっくらとしていて暖かいんですね。

同じ分量の糸を使用した一般的な裏毛と比較すると、25％以上ふっくらとしていて、20％軽い。糸が空気を多く含む分、吸湿性も高く、乾きやすいという特徴も。汗をかいてもべたつかず、常に快適な状態で着られるんです。

それを生み出したのが、熊本の第一紡績株式会社。この会社は、紡績、編立、染色、縫製という工程を、すべて同じ敷地内にある自社工場で行っています。実はこれは国内唯一。染色は染工場に、縫製は縫製工場に依頼、と本来この工程は、それを本業とする工場に振り分けられることがほとんどです。それを同じ敷地内に集結させることで、各分野の職人たちの持つ熟練の技や経験を生かすことができるんです。さらには、工場から工場への輸送費などのコストも大幅にカット。これができるのも、同敷地内ですべての工程を行っているファクトリーブランドだからこそです。

パーカーの素材表記は、綿95%、ポリウレタン5%。でも、表も裏も綿100％で表裏を繋ぐ糸にポリウレタンを使っています。洗濯を重ねることで伸びてしまう柔らかい裏毛生地を、もとに戻すという重要な役割をポリウレタンは担っているんです。

快適に着るための仕様

IITOのこだわりはまだあります。徹底して快適に着るための仕様を盛り込んでいるんです。

これは、大手メーカー（左）とIITO（右）のアイテムの内側の画像です。比較すると、IITOのアイテムは縫い目がフラットなのがわかると思います。

これは生地と生地を平らに縫い合わせることができる「フラットシーマー」というレアなミシンで縫製されているからです。縫製部分が平らなので、着た時にごろつかず、肌あたりがいいんです。

サイズはワンサイズ。
身長165cmで上半身が9号サイズのモデルが着用したのがこちら。

身長177cm、62kgの中肉の男性が着てもこの通り。前ボタンなしで羽織るだけなので、幅広い体型の方に着ていただけます。

裏毛にしては価格が高めだと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ糸を使って他のブランドが同じパーカーを作った場合の価格は、2〜2.5倍くらいになります。自社で紡績から縫製までを行うファクトリーブランドだからこそ、実現できた価格なんです。

糸から着心地まで、こだわり抜いたIITOのミッドエアー糸の裏毛の贅沢さを、少しでも多くの方に味わってほしいなと思います。