テーマ別おすすめアイテム
第十一回 「身につける」ために始めたこと
着物に触れ始めて、はや3ヶ月。
着た回数こそ片手で数えられるだけですが、
気付いたことがありました。
それは、着物を着られるように
なるために大事なのは、
「着物を着る機会をつくること」
だということです。
何を当たり前のことを・・・と
思われるかもしれませんが、
これがなかなか難しい。
ネットや本で探せばいくらでも
情報が出てくる有り難い時代なので
「着物の着方」について悩むところは
少ないのですが、それを実践して
「身に付ける」のが鬼門です。
英語を学ぶ時と同じで、
一度やってみただけでは
覚えられず、何度か積み重ねないと
身に付かないんですよね。
自宅で練習をすれば良いのですが
うまく着られない勉強中の身だと
時間がかかる。しかもきれいに着られている
自信もないから、恥ずかしくて外にも
出られない。折角着ても、すぐに
脱ぐだけだしなあ・・・と思うと
家での練習がだんだんと億劫になっていく・・・
という負のループ。
意志薄弱なハタダ、このままじゃきっと
身に付かない!!!
「着物を着る仕事をする」とか
着物必須な「茶道や華道を習う」、
「着物友達と月1回は必ず
出かける約束をする」とかでも良い。
とにかく、着物を着る理由をつくる。
これが上達への必須条件だと思いました。
(ちなみに、わたしの着物の師匠カワタさんは
学生時代にリサイクル着物屋さんの
アルバイトをしていて身に付いたのだとか。)
とはいえ、今から着物を着る仕事に
転職する、というのは非現実的です。
じゃあわたしはどうするのが良いだろう、と
考えて行き着いたのは、一番の正攻法。
「着物を習いにいってみよう」という結論でした。
さあどこへ習いにいこう?
着物の着方を教えてくれる教室、
調べてみると意外とたくさんありました。
・着付けを専門に教えている教室
・呉服屋さん主催の教室
・公的機関主催の教室
などがあるのですが、それぞれ特徴があって
公民館などで行われている
公的機関主催の教室だと、
受講料は安いけれど授業が平日だったり、
個々の指導を受けづらかったり。
「受講料無料」をうたっていても
代わりに高額な着物や帯を薦められて
買わざるを得ない状況に・・・というのも
よく噂に聞きますが、それは呉服屋さん
主催の教室に多かったりするそうです。
いろいろ調べて一番良いな、と思ったのは
「リサイクル着物屋さんが主催している教室」。
レッスン内容や授業料は場所によって
まちまちですが、生徒に合わせて
時間や内容の融通を利かせてくれる
ところが多い印象でした。
そして見つけたのは、
自宅から自転車で行ける距離にある
リサイクル着物屋さんのお教室。
1時間1000円で、時間内なら教えてもらう
内容は自由。
着物道具は一式貸し出しをしてくれて、
時間も相談の上で決められるので
融通が利く、というとても良心的なお教室です。
重い着物一式を持っていかずに
手ぶらで行けるのも嬉しいし、
何よりこの「いつでも行けて気軽な感じ」が、
着る機会をつくるという目的に
もってこいだと思いました。
そうと決まれば善は急げ。
その週末に早速予約し、
着方を教えてもらうの半分、
着る機会をつくるのが半分、という感じで
行ってみることにしたのでした。
<次回につづく>
絵:chihiro kawata
着物の季刊誌「七緒」のウェブショップ、
「こまものや七緒」の運営もしています。
ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。