素材と塗りにこだわった漆の名刺入れ
輪島のあすなろ材を使用し、本体木地は外側は横目、内側は縦目の二重構造。塗りは全体に漆で布着せ、輪島の地の粉を使用した蒔地技法。蒔地技法とは漆と地の粉(輪島の小峰山から産出される珪藻土を焼成粉末した下地材)を純粋にかけ合わせると、表面硬度が高い漆塗りとなります。器に応用すると、金属のスプーンが使える器となります。家具天板に応用すると、磁器や、ガラスなどの器も気にしないで使えるようになります。
働く大人ならば必ずと言っていいほど持つ「名刺入れ」
使用頻度が高いものなので、漆塗りの製品づくりにチャレンジしました。 金具などでの蓋の開閉も考えたのですが、薄手の木地づくりから考えて、強度に心配なところがあり、印籠蓋形式の名刺入れを作りました。親と蓋とのユタイ(隙間)に、布と和紙を漆で張り付け、適度な摩擦が起きるようにしています。通常の紙厚で約20枚前後入ります。