鍋で炊いたご飯は美味しい。聞いたことはあるけど、なんだか難しそうで……という方は多いのではないでしょうか。でも、この飯鍋でご飯を炊いてみたらきっとその考えは覆るはず。ツヤツヤで粒の立ったご飯が、すごく手軽に炊き上がるんです。

「その日食べる分のご飯を、とにかく美味しく、早く作れるように」と考えられた、1−1.5合炊き用の小さなごはん鍋。鉄製なので、IHにも対応。美味しい上に早く炊けて、収納にも困りません。
美味しく炊ける秘密は「ムラなく炊く」こと

蓋をとった瞬間に、ふわーっと立ち上がる湯気とおいしそうな香り。この鉄の飯鍋で炊いたご飯を、炊飯器で炊いたものと食べ比べると、あきらかに「甘さ」や「うまみ」が引き立っていて、美味しい!と感じます。

「鉄鍋や土鍋で炊くご飯は美味しい」と言いますが、それはなぜか。そもそも「お米を炊く」とは、「生のお米に水分と熱を加えることで、デンプンを変化させて甘くする」ということです。なので、美味しいご飯を作るためには、水分をしっかり吸収させること(浸水)、お米全体にムラなく熱を加えてあげること(炊飯)が大切です。
この「ムラなく」が得意なのが、鉄の特徴です。鉄が全体に均一に熱を伝えてくれることで鍋の中で細かな対流が起きて、水と熱がお米全体にしっかりと行き渡り、美味しく仕上げてくれるんですね。また、直火で熱することで早く温度が上がり、長時間「蒸す」状態になるので、お米の旨み成分を最大限に閉じ込めてくれます。

土鍋はIHが使えないものがほとんどというデメリットがありますが、こちらはIHでも使用可能というのもポイント。熱源を選ばずお使いいただけます。
炊飯時間はなんと5分!

そして驚くのは、ご飯が出来上がるまでの早さです。火にかける時間は、わずか5分ほど。鍋でご飯を炊く時、コンロがひとつ塞がってしまうと他の料理の準備が進まなかったりしますが、この飯鍋はその心配がありません。
浸水時間や蒸らす時間をとっても、約35分ほどで炊きたてご飯を食卓に用意できます。炊飯器の早炊きモードでも2−30分ほどかかるので、+αの時間でとびきり美味しいご飯が食べられる、と思うと嬉しいですよね。
収納場所をとらず、一つで何役もこなす

この飯鍋は直径15cmと非常にコンパクト。「鉄製」で「小さい」ことが、熱がよく伝わり早く炊ける理由のひとつです。
収納時に場所をとらない、というのも小さいからこその利点です。炊飯器は電源が必要、高温の蒸気が出る、と言うことで設置場所が限られますが、鍋は収納が自由自在。棚やシンクの下にも収めることができるのでキッチンがすっきりとしますよ。

ご飯が美味しく炊けるようにと考えられた鍋ですが、普通の鍋として少量の揚げ物や煮物などにもお使いいただけます。オーブンも使用可能です。(料理を入れたまま保管すると錆びの原因になりますので、ご注意ください。)
厚手で保温性が高いため、揚げ物はパリっと仕上がりますよ。「ひとつの道具が多用途に使える」というのは、収納スペースが限られるキッチンでは大切なポイントです。
炊飯は簡単、多少アバウトでも美味しい
「鍋でご飯を炊く」のは、やったことがないとハードルが高そうに思えますが、実は拍子抜けするほど簡単です。
まずはお米を砥いで水に10分浸します。水を切って15分置いたら、ごはん鍋にお米と水を入れて、強火にかけます。

蒸気口から、ぐつぐつと沸騰した水分が出てきたら弱火にする合図。
蒸気口から蒸気があがったら、ごくごく弱火にして約3分で炊きあがり。蓋をして5分−10分蒸らせば、粒の立った美味しいごはんの完成です。
火加減や炊飯時間がシビアなイメージがあるかもしれませんが、できあがりの硬さに多少影響するだけで、鍋で炊いたお米特有の「うまみ」は揺らぎません。炊き方が少々アバウトでも、美味しいご飯が炊きあがる。それが分かればぐんとハードルが下がります。
お手入れについて

窒化加工という、焦げ付きや錆を発生しづらくする加工をしているので、お手入れが簡単です。つくりも非常にシンプルで、炊飯器の蓋のパッキンのように洗いづらい箇所もなく、実にストレスフリー。
とはいえ鉄製なので、長くきれいな状態でお使いいただくために、
・ご飯が炊けたら別の容器に移し、なるべく早く洗う
・洗った後は、鍋を火にかけて水分を完全に飛ばし、乾燥させる
という2点にお気をつけいただければと思います。

ちなみに、土鍋に比べて底面が焦げ付きづらいのも特徴です。おこげは美味しいですが、お米がくっついてしまって食べられる量が減ってしまったり、洗う時にも焦げをとるのがちょっと面倒。日々使うことを考えると、スルッとお米が取れるというのはありがたいなと思います。
料理のプロフェッショナルが作る道具

料理研究家の松田美智子さんがプロデュースするブランド、「松田美智子の自在道具」。育てる楽しみがあり長く使える、デザインと機能美を兼ね備えた台所道具を作っています。
この鉄の小さなごはん鍋は、「1−2人分のご飯が美味しく炊けるIH対応の調理道具がない」という松田さん自身の悩みから開発が始まったもの。大きなごはん鍋は選択肢が多いものの、小さなものはなかなかないんですね。大きいと保管場所をとるし、洗い物も大変。もっと身軽に、でも美味しいご飯が作れるように、という思いが形になりました。

自在道具は「様々な用途に自在に使えるように」という思いが込められたブランド名。その名の通り、ご飯だけではなく煮物に揚げ物に、和洋問わずどんなシーンでも映える、まさに自在に使える道具です。手軽に美味しく、を叶えてくれる道具。日々の食卓が一層楽しくなりそうです。
関連コラムもご覧ください

バイヤーの愛用品コラム
「さらば炊飯器、5分で炊ける飯鍋生活を始めました」
「ズボラでも続いたごはん鍋生活と、1年使った鍋の変化」