贅沢で貴重なコラボレーション

　本州最東端の岩手県と最西端の山口県。それぞれのハンドメイドのコラボレーションで誕生した「ウルシトグラス」は、日本一の漆の産地である岩手県浄法寺町の漆メーカー「浄法寺漆産業」と山口県の「萩ガラス工房」、二つの手仕事の魅力とクオリティを融合させた器づくりを展開するブランドです。 　その第一弾としてご紹介するのが「角徳利」と「丸徳利」。徳利に萩ガラスを、猪口に浄法寺の漆器を使った、とても貴重で贅沢なセットです。製造国が「日本」と表記されていても、素材調達やパーツの加工に至るまで、すべてが純粋に日本国内で行われている製品というのはなかなかないものですが、「丸徳利」は純粋にメイドインジャパン。萩ガラスは原石から一貫生産している珍しい工房で、そのガラスは透明度が高く傷がつきにくいのが特徴です。猪口は木地を薄く挽き、国産漆で拭き漆を施したもの(これがものすごくレア!国産の漆と海外産の漆では価格が5倍近くも違うため、日本国内で使用されている漆の98%は中国やベトナム産。漆まで国産100%という漆器はかなり貴重です)。口当たりが滑らかで、木のぬくもりが手にも馴染み良い一品です。 　フラスコを思わせる丸みが印象的な徳利は、立ち姿が美しく、黒拭漆の猪口とともに、お酒を愉しむ時間をより豊かなものにしてくれます。萩ガラスの特徴でもある淡い緑色がお酒やお水をとても美味しそうにも見せてくれるようです。酒器や水差しとしてはもちろん、卓上でソースやドレッシングを入れたり、花器としても素敵にお使い頂けます。 　さまざまな使い方が出来る、普遍的で美しいデザインが魅力ではあるのですが、個人的にはやはり酒器としてお使い頂きたい丸徳利。萩ガラスにいれたお酒を、浄法寺漆の猪口で受ける・・・と、本当にいつものお酒が何倍も豊かで特別な味わいになるからです。お酒を愛する大切な方への贈り物にとしてもぜひ。

浄法寺漆―Jpboji Urush

　日本の漆は岩手県、茨城県、新潟県などで生産されていますが、岩手県二戸市浄法寺町は国産漆の7割以上を生産し、原料(漆)から製品(漆器)までを一貫して生産する、国内でも稀有な地域です。 　国内で使用されている漆の98%は外国産で、国産はわずか2%にしか過ぎません。その国産漆の最後の砦と言われているのが岩手の浄法寺です。 　浄法寺には専業の漆掻き職人が20名ほどおり、浄法寺を含む岩手県北地方には数十万本の漆の木があると言われています。これほど豊富な漆資源を持つのは岩手だけとなっており、独自の漆文化が残る地域です。 　浄法寺漆器は木地から漆まですべて地元の素材。あたりまえのようですが、今の日本では大変稀有な漆器となりました。漆掻き職人、木地職人、塗師たちが思いを一つにし、伝統を絶やすことなく、丁寧で質の高い漆器作りを続けています。