吉野の男 最終回

(前回の吉野山の男、2、3のつづき)
気づくと山伏の人たちとともに歩いていることに何の
違和感もなくなっていました。とにかくひたすらに道なき道を
登ったり下ったり、また、山伏の人たちが洗脳するかのような
修験の道を説いたりということも一切ありませんでした。
ただただ一緒に頂上を目指し登っただけでした。

途中には行場がいくつかあり全国的にも有名な「西ののぞき」
なども終え、頂上の大峯山寺に参拝しました。
秘仏を拝観させていただき、護摩をたきその日、頂上の宿坊に
とまりました。食事もやはり精進料理、風呂なしでしたが
何の不満もありませんでした。
 
次の日も陽が登る前に起こされました。
雲海の下から登ってくる朝焼けの太陽は神秘的で
まぶしく、なにものにもたとえようのない美しさでした。

私は日程からその日、山伏と別れ下山しました
洞川からバスを乗り継ぎ、近鉄電車で自宅に帰りました。

ショッキングピンクのポロシャツとホワイトジーンズと顔は
泥まみれのブラウンカラーになっていましたが、そんなことは
どうでもよかったです。むしろ勲章のような。。。
帰る道すがら、また、家でも妙な清々しさを感じていました。

母から「どうだった?」といわれると
「別に。。。」
と反抗期の返事でしたがそこには違う感覚がありました。


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坂口 利勝
つくり手
坂口 利勝
さかぐち としかつ
プロフィール
昭和59年にお素麺を作りはじめた母は「美味しい麺とは何か」をひたすらに追求してきました。一緒に仕事をするようになってやっと母がどれだけ頑張ってきたのか、知りました。平凡に見えるものに、大きな気持ちがこもっていることを教えてもらいました。この味を守ってこれからも頑張って行きます。