吉野の男 3

(前回の吉野山の男、2のつづき)
次の日
夜も明けぬうちに出発です。私だけがやらされ仕事のような
気分で出発したのだと思います。
目指すは大峯山の大峯山寺(おおみねさんじ)
今でも女人禁制の修験の霊場です。
聞くと吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)から約30キロ。

始まってみるととんでもないことの連続。
修験の道はハイキングコースのように整備された登山道ではありませんでした。
道なき道を歩くのですが、要所に目印のお地蔵さんが立っています。
お地蔵さんに出会うと般若心経を上げます。それが休憩です。
頂上につくまでにお地蔵さんは108つ、煩悩の数だけあったそうです。
おかげで般若心経は経典がなくとも言えるようになっていまいた。

時には這いつくばって登ったり、恐ろしく危ないところを
くだったり、一歩踏み外せば怪我はさけられないような道も
多々ありました。

もちろん途中に売店などあろうはずもなく、飲まず食わずで
ひたすら歩きます。

大峯山の裾には女人結界門がありそこからは女性は中に入ることは
できません。一番体力のある高校生だった自分でもたいへんな修験の道
この結界門は女性を避けているのではなく、むしろ
守るためのものなのだと理解しました。

つづく
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坂口 利勝
つくり手
坂口 利勝
さかぐち としかつ
プロフィール
昭和59年にお素麺を作りはじめた母は「美味しい麺とは何か」をひたすらに追求してきました。一緒に仕事をするようになってやっと母がどれだけ頑張ってきたのか、知りました。平凡に見えるものに、大きな気持ちがこもっていることを教えてもらいました。この味を守ってこれからも頑張って行きます。