インタビュー&ゲストコラム

【あの人の暮らしぶり】宇南山加子さんが作る、かっこよくもあたたかい道具たち

2016年12月05日更新

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当店がいただいてきた多くのご縁の
中から、仕事もそれ以外も含む
「暮らしぶり」全般が素敵だなと
感じられる方々をご紹介する
あの人の暮らしぶり」。

第3回めにご登場いただくのは、
日常生活のプロダクトデザインから
企画開発、空間デザイン、
スタイリングまで、国内外で幅広く
ご活躍されている宇南山加子さんです。

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日本にしかない丁寧な職人仕事に
魅了されていた宇南山さん。

オリジナルブランド
SyuRo(シュロ)」をはじめとして
職人の技術を私たちの生活の道具に
落とし込んだ、かっこよくも、
あたたかい、素敵なものづくりを
展開されています。

第1話の今回は、SyuRoの店舗を訪れ
ブランドを始めた時のことや
大切にされていること、
宇南山さんが作る道具の魅力について
お話を伺ってきました。

「SyuRo」のはじまり

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ブランド名の「SyuRo」は、
ほうきなどの暮らしの道具に
よく使われる棕櫚(しゅろ)の木
から着想して名付けられたのだそう。

身近な植物を使って生活に寄り添う
道具を作りたいと思った宇南山さんが
まず作り上げたのは、あたたかみのある
こんな木製アイテムでした。

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ジュエリー職人だったお父様が
原型を作ったという、
繊細で美しいブックマーク。

木製ならではのやさしい手触りで
本やノートを開くたびに、
そのぬくもりが伝わってきます。

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こちらは、宇南山さんのお子さまが
幼い頃、もので散らかってしまうという
悩みを解決するために作った、
収納付きの子ども用椅子です。
スタッキングもできて便利。
指でふたが開けられる、シンプルで
実用的なデザインになっています。

“自らの手を使って空間を変えたかった”

宇南山さんは、学生時代に
木工や金属などの素材の勉強をしながら
生活デザインに興味を持っていた
と言います。その後、
師匠となる空間スタイリストさん
との出会いから、
「一本の枝でさえ、
空間を美しく変える力がある」
ことに衝撃を受け、
自分の手を使って空間を変えること
へのこだわりを形にしてきました。

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こうして、宇南山さんは
日本人の持つ繊細なセンスや美しさ
などをものに置き換えて
その魅力や価値を人々に
訴えていくためにブランドにしようと
決め、SyuRoを誕生させました。

日常使いの素敵な道具で、暮らしを豊かに

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宇南山さんがデザイナーとして
大切にしていること。
それは、かっこよくも気取りすぎず
「日常に使えるもの」を作ること。

SyuRoの店内には、
日本人ならではの“削ぎ落とす”という
美意識と思いやりが詰まった
たくさんのアイテムが並びます。

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料理やお皿の種類を問わず合わせやすい
木製のなべ敷きやカトラリー。
カトラリーの柄は、毎日
触っていたいほど
心地よく加工されています。

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ギフトにもぴったりの
オーガニックタオル
男女ともに選ばれるアロマや
アメニティグッズも豊富です。
実際に男性のお客様も多いそうです。

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SyuRoでは、老舗の手縫い糸屋さんで
有名な、ダルマ糸のブランドを
ブランディングしました。
糸はギフトとして海外でも人気。
ポップなデザインは
飾っておきたくなる佇まいです。

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石でも鉄でもない焼き物
炻器(せっき)」は、新作の器です。
どんなシチュエーションにも対応できるように
素材感を大切にして作られました。

日常使いにぴったりで、耐熱になっているので
オーブンでの使用も可能。
使い込むほど色の経年変化も楽しめます。
シンプルでかっこいい器ですね。

台東区で活動しようと思ったきっかけ

宇南山さんのアトリエ兼店舗と
ご自宅のある台東区は、昔ながらの
工場がひしめきながらも、
作家や建築家などの“ものづくりのプロ”
たちが多く住まう文化の街。
実は宇南山さんも、
この街のご出身です。

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「ものを作ろうと思った時、
“困ったらこの人に聞こう”と
すぐに相談ができるような、
身近にものづくりのコミュニティ
がある空気感がとても好きだった。」
と宇南山さん。

昔から台東区は、ものづくりが
盛んだったので、職人の技術が
溢れていました。アートや文化が
ミックスしたこの街で、日本の
伝統文化などをSyuRoのフィルター
を通して、身近な道具に変えて
伝えていきたいと語ります。

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店舗をオープンしたのは2008年。
徐々に海外とのお付き合いも増え、
アトリエだけでなく出荷場やカフェ、
展示会会場などにも活用できるよう、
現在の店舗を改装しました。

表通りではなく裏路地にしたのも、
知っている人に来て欲しいという思いから。 

SyuRoのアイテムは、パリで有名な
ライフスタイルショップのひとつ、
「Merci」にも置かれています。
日常的に使えるシンプルなアイテムが多く
空間そのものが訪れる人の心を踊らせる、
そんなMerciの空間作りに惚れ込み、
商品を置いてもらうために
何度も足を運んだそうです。

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Merciで販売され、あっという間に
ヨーロッパの人もファンになった
というアイテムは、
この「ブリキの缶」。

プロカント好きなパリの人びとの
暮らしにもすんなりと馴染みそうな
デザインとカラーです。
小物収納や、キッチン周りの
整理アイテムとして見せて
置いてもかわいいですね。

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インダストリアルな空間の中に
あたたかく丁寧なアイテムが
並ぶ店内は、どこか心地よくて
長居してしまう空間でした。

SyuRoのアイテムが、
手に取った人の暮らしのスタイルに
ぴったりと寄り添うもの
であって欲しいと願う宇南山さんは、
「空間もまるごと楽しんでもらえる
ようなものづくりがしたいです。」
と、改めて思いを語られていました。

次回は、宇南山さんにおもてなし
レシピをご紹介いただきます。

料理の色を引き立てながら、
器のコーディネートまで楽しくなる
「炻器(せっき)」の魅力にも迫ります。


「あの人の暮らしぶり」

SyuRo   宇南山加子さん編

【序章】

このコラムを書いた人

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