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インタビュー&ゲストコラム

【つくり手を訪ねて】100年使える家具「KOBAKO」の魅力 後編

2016年02月04日更新

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当店でお取扱いしている家具の中に、「KOBAKO」というかわいらしい名前の収納家具シリーズがあります。
ボックスや引き出し、天板などのラインナップがあり、使う場所や用途に応じて、自由に組み合わせて使うことが出来るユニット家具。飛騨高山で40年以上に渡り、木と向き合い、昔から受け継がれる伝統工法を用いて家具造りをしてきた、オークヴィレッジの製品です。 

KOBAKOは、当店でも8年以上変わらぬ人気を誇るロングセラーアイテム。今回はオークヴィレッジの副社長であり、製品の企画開発から森を守る活動まで、幅広くご活躍中の佐々木さんにお話を伺ってきました。


オークヴィレッジにしかできないものづくり

第一回から続く)

畠田:佐々木さん自身は、KOBAKOシリーズの魅力はどんなところにあると思いますか?

佐々木さん:質感がありながらもいい意味で主張がないというか、暮らしに溶け込むような佇まいをしていて、使う方の用途やシーンに応じてフレキシブルに形をかえる自由さがあるところでしょうか。

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畠田:こうしてみると、思った以上に様々な家具として使えるんですね。

佐々木さん:もともと、特に都市部で暮らしていらっしゃる方から、限られた空間を有効に使えるような収納家具で、なおかつ無垢の木を使ったちゃんとしたものが欲しい、というリクエストを受けて開発されたものです。スタイルストアのお客さまも、まずは一つ買って、使ってみて気に入って買い足してくださる方が多いようですね。

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畠田:シンプルで使い勝手の良さそうな家具、と思っていましたが、今日お話を聞いてみて、改めて、国産の材を使い、職人の手で一つひとつ制作されていることを知り、KOBAKOってすごくコストパフォーマンスの高い家具なんだなと実感しました。

佐々木さん:そう言って頂けると嬉しいですね。正直に言って、僕達はかなり原価を抑える努力をしています。その一方で、一人の職人が、木材を選ぶところから仕上げまでをやる、というスタイルでものづくりをしていて、分業にはしていません。だからKOBAKO一つとっても、誰の仕事か?というのが分かるようになっている。となると、当然職人は手を抜けませんよね。

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畠田:もはや、その職人さんの「作品」のような感じですね。

佐々木さん:はい。ですからある程度、量産品のような印象があるかもしれませんが、あくまで人の「目」と「手」の届く範囲で造る、ということを大切にしています。それと同時に、工程や材料の無駄を極力なくすことで、コストを抑えるということですね。

オークヴィレッジは、小物から家具、建築まで、木にまつわる仕事をトータルでやっている世界的に見ても珍しい会社です。こういう特別な事業背景を持っていることも、職人の手仕事を比較的手頃な価格の製品にできる大きな理由ですね。

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畠田:そういう意味でも、オークヴィレッジさんだからこそ造れる「KOBAKO」でもあるわけですね。

佐々木さん:そうですね、100%国産材を使って、手がかかる造り方をしていますので、なかなか真似できないし、真似しようともしないと思いますが(笑)

「100年使えるモノ」をつくるために

畠田:最後に、オークヴィレッジの「100年かかって育った木は100年使えるモノに」というモットーについて教えて頂けますか?

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佐々木さん:木は人間の暮らしの中で使う道具を造るうえで最高レベルの素材だと思います。まず「木」って良いじゃないですか。見た目や手ざわり、その存在も。僕らも良質な木製品を丁寧に造れば、お客さまに喜んでもらえて、長く使いながら木のある暮らしを楽しんでもらえる。そして植えれば「増やす」ことができます。鉄や石油系の原料だったらこうはいきませんよね。

畠田:確かに。

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佐々木さん:僕らは30年前から「ドングリの会」というNPO団体を通じて広葉樹の植林活動をしてきました。木を使ったら、その分を森に返す、という考えのもと、どんぐり(ナラの種)などの広葉樹を植えています。KOBAKOもそうですが、ネストボウルのような器であっても、オークヴィレッジが造るものは、基本的にメンテナンスしながら長く使い続けることができるものばかりです。

木を、100年使える製品にして、それを販売して得た利益でまた木を植える、このサイクルを丁寧にまわしていくことで、お客さまを含め、僕らの仕事に関わる人がみんなハッピーになる。木工って、そういう循環を実現できる稀有な仕事なのではないかと思います。

畠田:ものづくりをするのみでなく、木を生み出す森まで作る。そんな姿勢には心から感服しました。
大量生産の家具を消費し続けるのではなく、ひとつの家具と長く付き合うことの豊かさと大切さ、それを可能にするKOBAKOの魅力を改めて感じた時間でした。本日はありがとうございました!


第1回  「適材適所」で生まれる美しい木工品
第2回  オークヴィレッジにしかできないものづくり

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佐々木一弘さんプロフィール

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オークヴィレッジ株式会社 取締役副社長。
大学で建築を学んだ後、飛騨高山で木工技術を習得しオークヴィレッジに入社。
商品開発に長く携わり、プロダクトデザイナーとしてreddot Design Award、IF Design Award、グッドデザイン賞など受賞多数。
現在は林業と木工の高次元の融合を目指す新しい取組み「根尾の広葉樹活用プロジェクト」をはじめ、各地で同様の取組みを推進。規格外広葉樹の活用や森林育成に積極的に取り組んでいる。
 

このコラムを書いた人

畠田 有香

スタイルストア バイヤー

畠田 有香

ショッピングユニットでバイヤーをしています。その商品のどこが良いのか、なぜ良いのかを、わかりやすくみなさまにお届けしたいと思っています。

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