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KNOT(ノット)/ディレクター 森川和明 さん

「祖父も父もベルト作りひと筋だった。その気概をぼくらを慕ってくれる職人とともに受け継ぎたい」

ノットはベルト作りに情熱を注ぐ、兄弟が立ち上げた気鋭のブランドだ。兄で社長の森川晃伸さんが34歳。その弟でブランドディレクターの和明さんが32歳。家業は祖父の代から続くベルトメーカーだったが、若者らしい大きな夢を持ち、新たに東京・向島に小さな工房を立ち上げた。目指すは職人の技を駆使した、骨太なファクトリーブランドだ。

工場で働く職人の格好よさにみせられる

東京スカイツリーからほど近い下町の住宅街。
築40年をこえる古い木造家屋の中で、ノットのベルトは作られていた。
「ここ、以前はバッグ工場だったんですよ」。
そういって取材スタッフを出迎えてくれたのは、弟の和明さんだ。
会社ではオリジナルブランドの企画と運営を一手に任されている。

いまでこそ家業に真剣に取り組む和明さんだが、
はじめから皮革業界で働くつもりはなかった。
高校時代はラグビーとバンド活動に明け暮れる日々。
大学は英米語学科に進学したものの、まわりは帰国子女ばかり。
「ギリギリの成績でなんとか卒業できた」と笑う。

「いま思えば調子にのっていたんでしょうね。
大学のときは就職活動を一切しませんでしたし・・・。
卒業してからは時給のいい派遣の仕事をしていました。
貯金をしてまた大学を受験しようかと考えていましたが、
友だちの誘いでなぜか四国のお遍路めぐりに行って、
貯金をすっかり使い果たしてしまったんです(笑)」

そんな息子を見かねた父から
「工場の仕事を手伝うように」といわれたことが、
ベルト屋の道に進むきっかけとなった。

工房には父の会社に勤めていた腕ききの職人が常駐し、サンプルや製品を仕上げている。

「津田沼にあった工場には2年ほど通いました。
もの作りが得意なタイプではありませんでしたが、
工場で働く職人の姿を見てかっこいいなと思ったんです。
ミシンがけから革の裁断、のりづけまでひと通りの作業を
教えてもらい、なんとか製造ラインに立てるようになりました」

その後は浅草にある本社へ異動となり、得意先の営業担当となった。
アパレル企業の下請けメーカーという立場で働いてみて感じたのは、
「注文を待っているしかない」というもどかしさ。

その思いはひと足さきに父の会社で働いていた兄も同じだった。
まずは自分たちでできるところからはじめようと、
オリジナル品を試作して営業してみたが、結果は散々だった。

「新製品をただ作って営業してもお店では扱ってもらえません。
自分たちのバックグラウンドをしっかり伝えなければダメだと、
そのとき痛いほど実感したんです」

手ざわりをよくするために革をカンナで削り、角を丸める。単純だが難しい作業だ。

自分たちのアイデンティティーがブランドの強み

「それでも自分たちで打って出て勝負したい」。
兄弟の思いはますます強まり、オリジナルブランドを販売するための
新会社を立ち上げた。それが2011年に設立したノット(KNOT)だ。

社名は中心メンバーである3人の名前
(和明、扇田 直人、晃伸の頭文字)にちなむ。
同時にメーカーと消費者とのきずな(英語でKNOT)を
大切にしたいという気持ちも込められている。

新会社が本格始動したのが翌年1月。
半年後には『モリカワ』『マーサー』『アタイヤ』という、
3つのオリジナルブランドをリリースした。

「新ブランドのイメージは兄弟で共有できていましたし、
父の職場で働いていた職人も全面バックアップしてくれたので、
商品開発はあうんの呼吸で順調に進みました。
ベルト屋の気概が伝わる製品に仕上がったと思います」

オリジナルのベルトは森川兄弟、渾身の作。上から「アタイヤ」「モリカワ」「マーサー」。

3つのラインナップは素材や用途によって区別したものだが、
どれも一級の素材を使い、随所に職人の技が光る。
ファクトリーブランドらしく、価格を抑えてあるのも魅力だ。

「ぼくらはメーカーなので、デザイナーズブランドのような
新規性が高いものは苦手です。であればデザインはシンプルにして、
職人の技術やクオリティーの高さを伝えようというのが、
兄弟の一致した考えでした。手間ひまをかけていますが、
同じ素材を使った有名ブランド品に比べると割安だと思いますよ」

ちなみに3つのラインナップのうち、
『モリカワ』はラグジュアリーライン。『マーサー』はカジュアル。
『アタイヤ』はビジネスラインと位置づけられている。
豪華なパッケージも用意してあり、ギフト注文もふやしていく考えだ。

「いまはバッグ屋が財布を作ったり、
逆にベルト屋がバッグや革小物を作ったりして、
皮革メーカーがボーダーレス化しています。
でも、ぼくらは当面ベルトひと筋で行きたい。
それが祖父の代からベルト作りに取り組んできた、
ぼくら兄弟のアイデンティティーですから」

取材・文/菅村大全、撮影/権藤和也
森川 和明

[Profile]森川 和明 もりかわ・かずあき

1981年東京都生まれ。千葉県内の大学を卒業後、IT系の派遣社員などを経て2006年に父親が経営するベルトメーカーへ入社。自社工場で2年間、ベルト製造にたずさわる。その後本社勤務となり、OEM(相手先ブランド生産)の企画・営業を担当。2011年9月に兄とともに株式会社ノットを設立。現在は3つのオリジナルブランドの販路拡大に精力を注いでいる。

メッセージ

KNOTが目指しているのは、モノにこだわる大人の男性にふさわしいベルト。一級の材料と、熟練した職人の技で仕上げた「本物」のベルトを東京で製作しています。どれもシンプルなデザインなので、フォーマルな服装にもカジュアルな服装にもマッチします。商品はすべてギフトボックスに入れてあります。大切な人へのプレゼントにKNOTのベルトを選んでもらえたらうれしいです。

[Brand]KNOT ノット

森川晃伸、森川和明の兄弟が中心となり、2011年9月に設立したベルト専門メーカー。KNOTは「結び目」「きずな」という意味。「道具としての実直なベルト作りを目指したい」「つくり手とつかい手の関係を大切にしたい」という願いが社名に込められている。父親がベルトメーカーの経営者だったため、生産ネットワークが豊富。ベルトの製作は職人歴20〜50年のベテラン勢が担当している。

[Products]今回のご紹介アイテム

 ノットのベルトは用途別に定番アイテムがそろっています。その中から当店では最もベーシックで服装にあわせやすい3アイテムを選びました。

「MERCER(マーサー)」はジーンズやチノパンとの相性がぴったりなカジュアルライン。素材は英国産のサドルレザー。もともと馬の鞍(くら)に使う革なので、とにかくタフ。バックルはメッキ加工をしない無垢(むく)の真ちゅうを使用し、革と同様、使い込むほど風合いがましていきます。さらにコバ(革の断面)は顔料ではなく、フノリを使った本磨き仕上げ。長年使っても断面の色がぬけないようにアルコール系の染料で着色してあります。ちなみにマーサーは森川兄弟の父親のニックネーム。商品名からも家業に対する誇りが感じられます。

「attire(アタイヤ)」はビジネスユースを意識したラインナップ。素材はフランス・アノネイ社のカーフ(仔牛の革)を。シンプルなデザインですが、バックルの形状、ベルトの立体感(盛り上げ具合)、ステッチの太さや間隔などに細心の注意を払い、高級感を高めてあります。アタイヤ(着飾ること)という商品名の通り、冠婚葬祭などのフォーマルなシーンでも使えます。

「Morikawa(モリカワ)」は、いつかは手に入れたいラグジュアリーな1本。素材は最高級のクロコダイル(ワニ革)。専門の職人がうろこの模様が美しい部分だけを裁断し、継ぎ目のわからないように丹念に縫いあわせています。注目したいのは断面の仕上げ。革を内側に織り込んでから縫いあわせる「フランス」という技法を採用し、高級感を演出。真ちゅうのバックルはノットのオリジナル。「クロコダイルは存在感が強い革なので、バックルのデザインは控えめにしてスタイリングしやいすようにした」と森川さん。

 いずれのアイテムとも起毛素材のポーチと専用の化粧箱が付属するので、父の日やクリスマスのプレゼントとしてもうってつけです。

アイテムラインナップ

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