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Andersen Bag(筒井) 代表  成川 恒太 さん

「父から教わったデンマークの美意識を、ハンドバッグ作りを通じて伝えていきたい」

北欧のインテリア用品は日本で根強い人気がある。だが、東京の下町にあるハンドバッグメーカーが、デンマーク王室のお墨付きを得ていることは、あまり知られていない。北欧の老舗雑貨店を営む父に育てられた、成川恒太さん(44歳)は、革という素材を通じ、日本とデンマークの新たな架け橋を目指す。

父と妻、ふたつのルーツがハンドバッグで交わる

「アンデルセンは日本では童話作家として有名ですが、
小説、戯曲などあらゆる物語を手がけた語り部です。
デンマークの国民的英雄で、その作品や遺品は、
すべてデンマーク王室が管理しているんですよ」

デンマークでは、『アンデルセン』の名を冠した
異業種ブランドの試みが、いまはじまっている。
認定の条件は、そのジャンルで最高のものであること――。

手に馴染んだ革工芸の道具を使って、一点ずつ丁寧に仕上げる。

成川さんは、アンデルセンブランドのバッグや財布の
企画製造とセールスを一手に引き受けている。

だが、そもそもなぜ日本の企業が
デンマーク生まれのブランドのバッグを
手がけることになっただろう。
ことの発端を成川さんにお聞きした。

「デンマークと長年交流している父のもとへ、
アンデルセンブランドのライセンシー契約の話が
持ち込まれたのがきっかけです」

成川さんの父は、銀座の老舗雑貨店『北欧の匠』の店主。
日本に北欧の優れたインテリアを紹介した先駆者だ。
それゆえ、息子にとってもデンマークは身近な存在だった。

幼いころからデンマークの話をよく聞かされていたが、
とりわけ、父が初めてデンマークに行ったときの話は、
心に深く刻まれているという。

成川さんの父は、ある巨匠の家具を求め、
デンマークのメーカーへ足を運んでみたが、
当時は気軽に買える値段ではなかった。
あきらめて中古家具屋へ行ってみると、
新品よりも値段が高くつけられていた。

「父が『この値段は間違いじゃないか』と店主にいうと、
『よく見ろ。こんなに大切に使われてきた家具が、
新品より安い値段になるわけないだろう』
けげんな顔でそういわれ、ハッとしたそうです」

成川さん愛用の仕事道具。本当によいものを長く使うのがデンマークのスタイル。

長じて後、成川さんは
店舗の内装設計を手がけるようになる。
仕事は順調だったが、プライベートで続けていた
デンマークとの交流をもっと深めたいと思い、
父の会社へ転職することを決意した。

次の転機は結婚してから訪れた。
実は成川さんの妻の実家は、ハンドバッグメーカーだった。
同じころ『北欧の匠』にアンデルセンバッグの話が
持ち込まれた・・・。夫婦2人のルーツが結ばれるのは、
いわば自然の成り行きだった。

最高級の革を使い、最高の技術をもつ革工芸の職人が手がけたアンデルセンバッグの製品。

歳月を経るごとに美しさを増す革製品を目指す

アンデルセンブランドのバッグは、
当初、ヨーロッパでの製造が予定されていた。
しかし、バッグ作りの本場でさえ、大半のメーカーが
生産拠点を中国やアジアへ移していた。

「ならば日本で作ったらどうか」と成川さんは考え、
義父(筒井株式会社・筒井歳雄社長)に相談したところ、
「願ってもないこと」とすぐに話がまとまった。

そんな父子の思いがつまったバッグの製造は、
筒井の中でも最高の技をもつ職人が手がけている。
その証しに、2004年のフレデリク皇太子御成婚時には
ロイヤル・コペンハーゲンやジョージ・ジェンセン
といった、デンマークの一流ブランドと一緒に
筒井が製作した二つ折りの財布が献上された。

デンマークのフレデリク皇太子ご成婚時に献上した二つ折り財布。

アンデルセンブランドを通じ、
革という素材、バッグ作りの魅力を知った成川さんは、
次第にアンデルセンという人物そのものに引かれる。

「アンデルセンは恋多き人で、旅人でもありました。
世の中を風刺した作品も多く、人間味があるんです」

デンマークとビジネスでかかわるようになってから、
デンマーク人の価値観にもいっそう共感するようになった。

「デンマーク人が素晴らしいのは、
何事も人間中心主義であることです。
そして、時間を経たものに価値があると考える。
例えば、家具のひじ掛けが手沢(しゅたく)によって
輝くことを美しいと見なす美意識があります。
革製品も同じで、使うほど味が出てきますよね」

手仕事の国、日本とデンマーク。
自らのルーツをたどる、
成川さんの取り組みは、まだまだ続きそうだ。

取材・文/宮坂敦子、撮影/横山新一、AD/柳悠介
成川 恒太

[Profile]成川 恒太 なりかわ・こうた

1968年東京都生まれ。大学卒業後、店舗の内装設計の仕事を経て、1997年、アンデルセンブランドのライセンスを取り扱うデンマークの日本法人開設に従事。1999年に『北欧の匠』の運営会社「株式会社北欧の本物だけ」へ入社。北欧の職人たちのプロモーターを務めながら、『アンデルセンバッグ』の立ち上げに尽力する。2004年からアンデルセンバッグセールスカンパニーの代表を務める。

メッセージ

北欧では日常的に、いいものを長く使う習慣があります。アンデルセンバッグは「お客さまにどうしたら長く使っていただけるか」を考え、デザイン・素材・製作方法にいたるまですべてを吟味しています。何度修理してでも使い続けたくなる、使い続けるほど美しくなる――そんなバッグでありたいと願っています。

[Brand]Andersen Bag アンデルセンバッグ

筒井株式会社が1999年にスタートしたオリジナルブランド。デンマーク王室からアンデルセン直筆のサインを記すことを許された、唯一のバッグブランドである。日本の丁寧なバッグ作りの技術と、北欧のロングライフデザインのフィロソフィーがミックスした一生物バッグを提供している。

[Products]今回のご紹介アイテム

 デンマークの美意識と、日本の精緻(せいち)な物作りが融合した『アンデルセンバッグ』。その中から当店が選んだのは、オールレザーのボストンバッグ。バッグを置いたときに出る、自然なしわやたるみをデザインに取り入れ、女性らしいソフトな印象表現。それでいてカジュアルすぎないので、幅広いシーンで使える。
 素材となる革は、丈夫で厚みがあり、きめ細かいステア(成牛の革)を使用。タンニンなめしの革にオイルを十分に含ませてあるため、しっとりとしたつやがあり、使い込むほどに味わいのある色合いと輝きになる。
 開口部は、内側にファスナーを入れ込んで縫製した「落としファスナー」仕様で、荷物をたくさん入れたときも上部の幅が広がらず、肩にかけやすい。大人の装いにふさわしいバッグに仕上がっている。

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