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    【廣田硝子】透き通る、和の美学

    「見た人が懐かしさやぬくもりを感じるそんなガラスをこれからも作っていきたい」廣田硝子 代表取締役 廣田達朗さん」

    アトリエカタログでは、2010年5月にリニューアルしてから、若手のクラフト作家や、地方初の新ブランドに注目してきました。今回はちょっと毛色を変えて、東京の伝統的産業にスポットを当てます。訪ねたのは、明治32年に創業した廣田硝子(本社・墨田区)。日本人の細やかな感性を体現したグラスや酒器は、国内の高感度なインテリアショップのみならず、海外でも人気を集めています。

    廣田硝子では、大正時代から昭和にかけて製造していた往年の名作を復刻、販売している。最上段と最下段は、「大正浪漫硝子」。中段右は、「江戸切子の蓋(ふた)ちょこ」。中段左は、「東洋復刻タンブラー」のシリーズ。

    廣田硝子では、大正時代から昭和にかけて製造していた往年の名作を復刻、販売している。最上段と最下段は、「大正浪漫硝子」。中段右は、「江戸切子の蓋(ふた)ちょこ」。中段左は、「東洋復刻タンブラー」のシリーズ。

    故きをたずねて、新しきを知る 王道を歩む、下町の小さな巨人

     東京の伝統的産業と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。革製品、染織、指物……人によって思い浮かべるものは違うと思いますが、ガラスもそのひとつ。古くは江戸時代に始まり、大正から昭和にかけて全国有数の産地を形成していました。しかし、海外から安価な製品が出回るようになるにつれ、生産量は減少。いまや都内のガラス工場は、数えるほどになってしまいました。
     廣田硝子は、優れた技術を受け継ぐ国内のガラス職人や海外の工場と提携し、「効率にとらわれないもの作り」を行っています。
     「つくり手が少なくなっているのは、ヨーロッパでも同じです。ガラス工芸の本場、フランスやイタリアでも、絶対的な部分が崩れてきています。逆にいえば、より磨き上げたものを日本で作ることができれば、チャンスが訪れるはず。そう考え、効率一辺倒の商品には、あまり手を出さないようにしています」
     そう語るのは、廣田硝子の廣田達朗さん(39歳)。創業110年を越える老舗の4代目社長として、伝統を守る一方、海外の見本市にも積極的に出展し、業界の垣根を越えた取り組みを行っています。
     「数年前から会社の存在意義を真剣に考えるようになりました。そのひとつの答えが海外展開です。欧米では、歴史のある商品を手がけている企業はそれだけで尊敬されます。国内に関しても同様で、生産が途絶えてしまった往年の商品を積極的に復刻しています」
     近年は、同社が1950年代に海外に輸出していたカットグラスを「東京復刻ガラス・ブランチシリーズ」として復活。一方で、外部の若手デザイナーと組み、江戸切子の新作を発表するなど、懐古主義にとらわれないもの作りを進めています。
     「ガラスは紀元前から作られていて、技術革新の余地はあまりありません。だとすれば、大切なのは過去の名品を現代にリバイバルさせること。ハンドプレスのタンブラーのように、工場の閉鎖によって国内で製造できなくなったものもありますが、海外工場で新たに金型を起こし、復刻しています」

    「江戸切子の蓋(ふた)ちょこ」の製作風景。東京・錦糸町にある廣田硝子の関連会社で1点1点手作りされる。ベテランの職人が割出(カットの下線を入れる作業)から、摺り(カット作業)、磨きまで1人で行っている。最下段の写真は、対象自体に作られた廣田硝子のカタログ。

    「江戸切子の蓋(ふた)ちょこ」の製作風景。東京・錦糸町にある廣田硝子の関連会社で1点1点手作りされる。ベテランの職人が割出(カットの下線を入れる作業)から、摺り(カット作業)、磨きまで1人で行っている。最下段の写真は、大正時代に作られた廣田硝子のカタログ。

    ガラスに囲まれて育った幼少期 酒造メーカーを経て家業を継ぐ

     廣田さんはいまでこそ、先代のよき理解者として、ガラス工芸の継承に余念がありませんが、家業を継ぐつもりは当初なかったそうです。
     「父の会社に入る前は、酒造メーカーで働いていました。家業を継ごうと思ったのは、ガラスの仕事を通じて、父とわかりあえるかもしれないと思ったからです。それまで父に反目していた部分がありました」
     「ガラスばかになれ」が口癖の先代は、昭和の男らしく、仕事いちず。プライベートでも骨董(こっとう)のガラスを収集し、実家はガラスの器であふれていました。
     「幼いころからガラスに接していたせいか、それほど違和感なく、いまの仕事になじめました。ですが、ガラス作りの大変さは理解していませんでした。入社してしばらく、都内の工場で研修を受けたのですが、美しいガラスが過酷な労働環境で作られている、そのギャップに驚くとともに、この仕事にたずさわる責任の重さを学びました」
     廣田硝子に入社して12年。2007年に社長に就任してからは「父の気持ちがなんとなくわかるようになった」と廣田さん。
     「父が骨董のガラスを懸命に集めていたように、過去をふりかえることで、ガラスの魅力を再発見できるようになりました。ぼくがいまやりたいことと、父がやりたかったことは結局、同じなのかもしれません」
     余談ですが、日本には廣田硝子のような創業100年を越える企業が2万社以上あるといわれています。時代の波をかいくぐりながら、老舗ののれんを守ることは、目に見えない重圧との闘いでもあるはず。しかし、廣田さんは明るく答えます。
     「野球に例えれば、ぼくは中継ぎ投手。2代目、3代目がいたからこそ、いまの自分がある。ぼくは彼らの思いをつなげるだけ。とはいっても、気を抜いて打たれてしまわないよう、仕事はきっちりこなさないといけませんが(笑)」
     目下、廣田さんが進めているのは、ガラス業界の垣根を越え、日本の器の魅力を国内外に広く伝えること。そのために地方の漆器や陶磁器メーカーと共同で新ブランドを立ち上げる準備を進めているそう。次の100年を見据えたもの作りは、すでに始まっていました。

    文・写真/フリーライター 菅村大全

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    廣田達朗
    クリエイター
    廣田達朗ひろた・たつあき

    1972年東京都生まれ。大学卒業後、千葉県の酒造メーカーに勤務。25歳のときに退職し、台湾師範大学に1年間留学。1999年に廣田硝子株式会社に入社。2007年に同社の4代目社長に就任。日本のガラス工芸を海外にも積極的に発信している。

    つくり手からのメッセージ

    硝子は、壊れやすくてもろい素材です。しかし、これほど純粋かつ透明で清潔感のある素材は、ほかにありません。ガラスの持つ特性を生かし、日本で作る硝子製品の意義を常に考えながら、「どこか懐かしく、それでいて新しい」商品を作っています。

    カンパニー
    廣田硝子ヒロタガラス

    新潟燕市出身の廣田金太が明治32年に創業。戦前はガラスの菓子瓶やランプシェード、薬瓶など幅広く手がけていた。戦後はタンブラーや酒器などのガラス製品を主に製造。大量生産に背を向け、懐かしさと新しさが同居した独自の商品ラインアップは、インテリアスタイリストにも人気が高く、CMや雑誌のグラビアページを飾る小物として使われることも多い。


    プロダクツ
    今回のご紹介アイテム

     今回アトリエカタログ内で販売するのは、「東京復刻タンブラー」、「江戸切子の蓋(ふた)ちょこ」、「大正浪漫硝子のグラス」の3シリーズ。
     「東京復刻タンブラー」は2011年2月に、「江戸切子の蓋ちょこ」は2010年4月に発表された廣田硝子の最新作。「東京復刻タンブラー」は、同社が1956〜58年にかけて製造、海外に輸出していたカットグラスを現代によみがえらせたもの。溶けたガラスを職人が息を吹き込んで成型する「型吹き」という技法を用い、通常のタンブラーよりかなり薄手に作られている。繊細なカット模様は都内のベテラン職人の手によるもの。どこか女性的なやさしい雰囲気は、和の食卓やプレミアムビールと相性が抜群。
     一方、「江戸切子の蓋ちょこ」は、「織田信長が金平糖を食べるときに使っていた菓子入れをイメージしてほしい」という廣田さんの要望を受け、〈style Y2 international〉がデザイン。縁起のよい「七宝柄」が器の側面から底部、さらに蓋に至るまで、寸分の狂いもなく刻まれている。蓋は、酒肴を盛る小皿にもなる。ウイスキーや焼酎のロックで飲んだり、デザートグラスとして使いたい。
     「大正浪漫硝子」は、廣田硝子が30年前から販売しているロングセラー品。白く透き通った模様は、顔料や塗装ではなく、  「あぶり出し技法」によるもの。オパールガラス(骨灰という特殊な原料を添加)を使い、型にガラスが触れたときの温度差によって、絵柄を立体的に浮き上がらせる。卓越した職人の技がなければ生み出せない希少な一品。
     末永く付き合える酒器を探している人はもちろん、大切な記念日に贈るギフトとしてもうってつけだ。


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    江戸切子 蓋ちょこ 七宝

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    江戸切子 蓋ちょこ 二重矢来

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